新春セールや初売セール、様々な呼び方で各社から2025年一発目の電子書籍のKindle漫画セールが行われています。
年明けから物色に忙しすぎるこの頃、嬉しい悲鳴を上げております。
そんな中、講談社では完結済みの漫画を対象とした最大88%のポイント還元セールがはじまりました。つまり実質88円!
対象作品は2024年に完結した『宝石の国』に、実写映画が大ヒット上映中の『はたらく細胞』など。期間は1月19日(日)までの予定。
完結しているため評価も定まっており、高い還元率もあって手を伸ばしやすいはず。この記事では厳選した8作品のあらすじと要点を紹介しているので、購入の参考にご活用ください。
目次
清水茜『はたらく細胞』
年末年始の暴飲暴食、夜更かしやらなんやらで体調崩してませんか?
今も私たちの身体の中で生命維持のために頑張っている細胞たちを擬人化し、身体の中でどう働いているか可視化した漫画です。身体の隅々まで酸素を運ぶ赤血球などが登場します。
熱中症、花粉、インフルエンザ、そしてコロナウイルス等が身体に起こす異変と、細胞たちが都度どう対処しているのかをコメディ風にわかりやすく描いていて勉強になるし面白い。
ボロボロな身体=ブラックな環境で働く細胞たちのスピンオフ『はたらく細胞BLACK』もおすすめ。
市川春子『宝石の国』
万感の完結を迎えた『宝石の国』は1〜2巻まで88%ポイント還元。続刊もすべてではありませんが、最大27%ポイント還元の対象に。ざっくり全巻1万円で約3000円分のポイントが付与される状態です。
“にんげん”がいなくなって久しい未来を舞台にした本作は、人型の宝石と宝石たちを拐う月人との争いの物語。ただし、ストーリーが進展すると宝石と月人の争いが単なる戦いではないことが判明し、様々な思惑によって救いを求める者たちの祈りの話だとわかります。
その中で当初は何も知らず、何もできなかった宝石たちの末っ子・フォスが茨の道を歩んでいく苦行が描かれました。そこに救いはあったのか。
藤沢もやし/隈屑。『私のアリカ』
『私のアリカ』は、人気アイドルグループのセンターとして活躍するアリカが、突然の失踪を遂げたことからはじまるサスペンスです。
警察が捜査するも進展のないまま1年後。アリカの親友で素人の主人公が、手がかりを探すためにグループのオーディションに参加。他の候補者と競争しつつ、グループのメンバーや運営と接触してアリカの行方を探ります。ファンたちも独自に動いて真相を追求していく2層構造になっています。
犯人はファンなのか? グループの関係者なのか? 本当に失踪なのか? 誰が何を知っていて、何を隠しているのか? 不安や緊張感を煽る演出が上手く読ませます。
黒丸『東京サラダボウル ー国際捜査事件簿ー』
『東京サラダボウル ー国際捜査事件簿ー』は、髪が派手な緑色に染まった女性警察官と、ゲイの警察通訳人(取り調べに通訳として携わる職)のバディものです。
わかりやすく周囲から浮いている警察官と、過去に一悶着あって邪険にされている通訳人。署内のはぐれ者コンビが、常識に囚われない捜査で東京で犯罪に巻き込まれた外国人たちを巡る事件を解決していく様が痛快です。
ちなみに1月7日(火)からは、NHKで実写ドラマが放送開始となります。
TNSK『うちの師匠はしっぽがない』
人に化けられる豆狸の女の子が一旗揚げようと上阪。しかし都会の洗礼を受けて意気消沈。
しかし、堂々とした佇まいでお客を魅了し、笑顔にする落語家の芸に惚れて意気衝天。押しかけ弟子になり、一人前になるため奮闘するのが『うちの師匠はしっぽがない』。可愛らしいキャラクターたちが織りなす心温まる物語です。
上方落語(大坂や京都を中心に演じられる落語。三味線や太鼓の演奏を活用した賑やかな演出が特徴)の諸要素を巧みに取り入れた構成の上手さも光ります。
赤堀君『ビンテイジ』
古着に魅せられた大学生たちの青春を描いた『ビンテイジ』です。
父親が伝説的なバイヤーだったことを知らず、古着の世界の常識も知らず、なんとなくメ◯カリに出品した遺品のデニムがとんでもない値打ち物だったことを知り後悔する主人公。やることなすこと上手く行かず、気になる女の子にもろくに話しかけられない……。
そんなダサい自分を変えるために奮闘する姿が、青臭いけれど惹かれます。泥臭くもがく若者の物語はいつだって素敵です。ヒロインが可愛く、主人公の親友が三枚目だけどたまにカッコいいのもお約束で良い。
ナナシ『イジらないで、長瀞さん』
内気な美術部員の高校生と、彼が気になるあまりイジりまくってしまう(そして後で反省する)後輩ヒロインのラブコメディ『イジらないで、長瀞さん』。
いわゆる「もう付き合っちゃえよ!」系ラブコメで、関係性が深まるたびに、筆者の心の声が「もう付き合っちゃえよ!」って言ってました。
そんなヤキモキする関係の一方で、主人公は美術の道を志し、ヒロインは自信を喪失して離れてしまった柔道に再び本腰を入れる流れに。終盤は青春群像劇としても熱い展開になります。
新海誠/甘島伝記『すずめの戸締まり』
『君の名は。』などで知られる新海誠監督による映画『すずめの戸締まり』のコミカライズです。主人公の女子高校生と閉じ師を名乗る不思議な青年の、災いの元となる“扉”を閉めていく数奇な旅路を描いています。
コミカライズは原作にできるだけ忠実なタイプや、新解釈を提示するタイプなど様々ありますが本作はその中間ぐらい。原作の世界観を壊さず、映画とは違った演出と表現でキャラクターの心理を描写しています。
原作を鑑賞した人なら新たな発見があるはず。未視聴の場合も本作を映画の入口にできる、丁寧なコミカライズです。
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