年末真っ只中、アニメが好きなみなさんとしては、録画してある作品をイッキ見したり、来年1月からの作品に思いを馳せていることと存じます。
そんな怠惰で最高に魅惑的な時間の合間を埋めるために、2017年に印象的だったアニメを選んでみました。
独断と偏見は当たり前、見る人によってはまったくかすりもしないラインナップかもしれません。ちなみに『けものフレンズ』や『メイドインアビス』といった、現時点でほとんどの人が見ていそうな作品は外しました。
それでも、「録画した作品、どれから見るか?」と悩んだときのちょっとした判断基準として、少しだけお付き合いいただけるとうれしいです。
アニメスタジオ・SILVER LINK.の10周年を記念したオリジナルアニメは、尋常じゃないくらいの感動的ドラマがあったり、人智を超えた作画のクオリティだったり、したわけではありません。
でも、選んだのには理由があります。1つ目は、サイドカーレース(ニーラーレース)という、どう考えてもニッチなモータースポーツを題材にしたこと。【PV第2弾】つうかあ番宣プロモーション映像!10月放送開始!
お恥ずかしい話ですが、『つうかあ』を見るまで、こういう競技があること自体知りませんでした。アニメだからこそ、僕のようなアニメファンに競技の存在を認知させた──それは非常に大きな功績と言っていいのではないでしょうか。
実際に競技を見に行くまでには至ませんでしたが、機会があれば本物のスピード感、そしてドライバーとパッセンジャーという特殊な2人乗りのレースを体感したいと思います。
もう1つの理由は音楽。OPは声優ユニット・スフィアの活動休止前最後の曲「Heart to Heart」、EDはメインキャスト2人が歌う「Angelica Wind」、いずれも作編曲を手がけたのは音楽家の高橋諒さん。
高橋さんといえば、『ACCA13区監察課』で劇伴音楽に加え、ONE III NOTESの一員としてクールなOP主題歌を担当したミュージシャンです。TV アニメ『ACCA13区監察課』OP&ED主題歌
そんな高橋さんが手がけた『つうかあ』の音楽は、かつて放送されていたレース番組「F1グランプリ」を思い出させるというか、同番組内で使われたTHE SQUAREの曲「TRUTH」のような……とにかく「モーターレース」を感じさせるものばかり。
具体的に言うと、原作を石井克人さん、監督を小池健さんが担当したアニメ映画『REDLINE』の劇中で流れていたような音です。
マシンのエンジン音やタイヤがこすれる音との相性も抜群で、スタート前の緊張感やワクワク感、レース中の疾走感などを、高橋さんの音楽から感じ取ることができました。
余談ですが、高橋諒さんに加え、『灰と幻想のグリムガル』の劇伴のほか、ユニット/個人でもアーティストとして活動しているR・O・Nさん、上坂すみれさんや『おそ松さん』のEDなどで知られるTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND(テクノボーイズ・パルクラフト・グリーンファンド)の3組は、今後のアニメ音楽において注目すべき存在だと認識しています(みなさんすでに有名な方々ですが…)。
簡単に言うと、宝石の名を持つキャラクターが、月からやってくる敵と戦う話ですが、映像がきれいできれいで。
アニメ…というか、視聴体験としての新しさを感じました。
キャラクターデザインの西田亜沙子さんによると、CGアニメでありながら、2Dの作画も混ざっているとのこと。
アニメは終了してしまいましたが、続きが気になりまくっているので、年末に彼女が持ってる原作コミックスを読む予定です。
すみません、ちょっと力入れて説明させてください。
この作品、農林水産省とタイアップを果たしたり、田んぼを設けて、ファンとともに農業体験イベントを実施したりしています。
企画/原作は、『けものフレンズ』で知られるヤオヨロズ。メインキャラクターであるラブライスのメンバーが、穀物たちが自身の美味しさをアピールするライブ・ハーベストショーで、素晴らしいショーに贈られる称号・ハーべスターを目指すという物語です。TVアニメ「ラブ米」PV
脇を固めるキャラクターのキャストには、ちんこ坊主役に杉田智和さん、こしひかり先輩役に津田健次郎さん、醤油ラーメンのハーベスター・ショウ役に森久保祥太郎さんといった人気声優が出演しています。
ED曲の「浪漫飛行」の編曲を大石昌良(オーイシマサヨシ)さんが担当していたりもするのですが、個人的に見てほしいのは、こしひかり先輩を演じる津田健次郎さんのアドリブ。
チャーハン!とか、米(マイ)っ!といったワードをせりふにねじ込みねじ込む。声優の怪演が目立った作品ではないでしょうか。
主人公・浅井ケイを演じた石川界人さんでもなく、ヒロイン・春埼美空を演じた花澤香菜さんでもなく、僕がとても良いと思ったのは、そうです、悠木碧さんです。
演じたキャラクターは、個人的にはメインヒロインだった相麻菫(そうますみれ)。
全体的にテンション低めというか、天気で言うと曇り空みたいなキャラクターばかりの作品なんですけど(主観です)、その中でも悠木碧さんの演技は圧巻。
儚さと切なさをガンガンに放ってくるキャラでありながら、あくまでも演技はフラットというか、自分にとっての大事件であってもフフン♪と流しちゃう、そんな演技がとても心地よく、これまでも悠木碧さんを知っていましたし声は好きでしたけど、この作品を通じてより注目するようになった、悠木碧さんの声に対する感度が高まったし、『幼女戦記』はもちろん、7月から放送された『アホガール』では、180度異なるベクトルの演技に笑い転げましたし、今年一年を漢字1文字で現すとしたら、間違いなく「悠木碧」と書くくらい、年間を通じて僕に影響を与え続けた声優と断言できます。
『楽園追放 -Expelled from Paradise-』同様、ポリゴン・ピクチュアズ出身の野口光一さんがプロデューサーをつとめるという意味でも注目していました。
セルルックのCGに対する違和感はないのですが、映像以外の商品が売りづらそうな作品だなと……。ただ、それ以上に気になったのは、シリーズ構成/脚本を担当した野崎まどさん。
ラストは賛否両論でしたが、「野崎さんはほかにどんな物語をつくっているのだろう」と感じるには十分。放送後、小説家として手がけた作品を読むにまで至りました。
漢字で書くとなかなか読みづらい言葉選び、それらで構築される独特な世界観。今後のアニメ制作への参加を期待しているんですけど、どうでしょう?
そんな怠惰で最高に魅惑的な時間の合間を埋めるために、2017年に印象的だったアニメを選んでみました。
独断と偏見は当たり前、見る人によってはまったくかすりもしないラインナップかもしれません。ちなみに『けものフレンズ』や『メイドインアビス』といった、現時点でほとんどの人が見ていそうな作品は外しました。
それでも、「録画した作品、どれから見るか?」と悩んだときのちょっとした判断基準として、少しだけお付き合いいただけるとうれしいです。
『つうかあ』にアニメの力の真髄を見ました
つうかあ
最初に『つうかあ』と聞いて(というかトップの画像を見て)、「おやっ?」と感じた人が多いかもしれません(公式サイト)。アニメスタジオ・SILVER LINK.の10周年を記念したオリジナルアニメは、尋常じゃないくらいの感動的ドラマがあったり、人智を超えた作画のクオリティだったり、したわけではありません。
でも、選んだのには理由があります。1つ目は、サイドカーレース(ニーラーレース)という、どう考えてもニッチなモータースポーツを題材にしたこと。
実際に競技を見に行くまでには至ませんでしたが、機会があれば本物のスピード感、そしてドライバーとパッセンジャーという特殊な2人乗りのレースを体感したいと思います。
もう1つの理由は音楽。OPは声優ユニット・スフィアの活動休止前最後の曲「Heart to Heart」、EDはメインキャスト2人が歌う「Angelica Wind」、いずれも作編曲を手がけたのは音楽家の高橋諒さん。
高橋さんといえば、『ACCA13区監察課』で劇伴音楽に加え、ONE III NOTESの一員としてクールなOP主題歌を担当したミュージシャンです。
具体的に言うと、原作を石井克人さん、監督を小池健さんが担当したアニメ映画『REDLINE』の劇中で流れていたような音です。
マシンのエンジン音やタイヤがこすれる音との相性も抜群で、スタート前の緊張感やワクワク感、レース中の疾走感などを、高橋さんの音楽から感じ取ることができました。
余談ですが、高橋諒さんに加え、『灰と幻想のグリムガル』の劇伴のほか、ユニット/個人でもアーティストとして活動しているR・O・Nさん、上坂すみれさんや『おそ松さん』のEDなどで知られるTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND(テクノボーイズ・パルクラフト・グリーンファンド)の3組は、今後のアニメ音楽において注目すべき存在だと認識しています(みなさんすでに有名な方々ですが…)。
宝石の国
『宝石の国』は録画だけしていて、先週末一気に見ました(公式サイト)。簡単に言うと、宝石の名を持つキャラクターが、月からやってくる敵と戦う話ですが、映像がきれいできれいで。
アニメ…というか、視聴体験としての新しさを感じました。
キャラクターデザインの西田亜沙子さんによると、CGアニメでありながら、2Dの作画も混ざっているとのこと。
西田さんの言う通り、『ラブライブ!』の京極尚彦監督ならではのテクニックだと思います(僕は『アイドルマスター』が好きなんですけど、ライブシーンとかのクオリティでは『ラブライブ!』が一番かなと)。宝石の国はCGアニメだけど、巧みに2D作画も混じってるんです。
— 西田亜沙子(モフモハー西田) (@asakonishida) 2017年12月23日
ラブライブからハイブリッドを追求してきた京極監督ならではの柔軟さじゃないでしょか。
意識してほしくなかったから
特にアナウンスはしなかったけど、
Blu-rayで見直す時にじっくり鑑賞してみて下さい。
アニメは終了してしまいましたが、続きが気になりまくっているので、年末に彼女が持ってる原作コミックスを読む予定です。
ラブ米 -WE LOVE RICE-
『ラブ米 -WE LOVE RICE-』はお米を擬人化した作品で、4月から6月にかけて第1期、10月から12月にかけて第2期である「二期作」が放送されました(公式サイト)。すみません、ちょっと力入れて説明させてください。
この作品、農林水産省とタイアップを果たしたり、田んぼを設けて、ファンとともに農業体験イベントを実施したりしています。
企画/原作は、『けものフレンズ』で知られるヤオヨロズ。メインキャラクターであるラブライスのメンバーが、穀物たちが自身の美味しさをアピールするライブ・ハーベストショーで、素晴らしいショーに贈られる称号・ハーべスターを目指すという物語です。
ED曲の「浪漫飛行」の編曲を大石昌良(オーイシマサヨシ)さんが担当していたりもするのですが、個人的に見てほしいのは、こしひかり先輩を演じる津田健次郎さんのアドリブ。
1期の第8話、だいたいアドリブという津田さんは、何の脈絡もなく…あ、めっちゃセリフをいじらせて頂いた回か!というか殆どか(笑)。自由にやらせて頂いて本当にありがたいです。是非ご覧下され! https://t.co/GDEH9rhrPL
— 津田健次郎 (@tsuda_ken) 2017年5月24日
チャーハン!とか、米(マイ)っ!といったワードをせりふにねじ込みねじ込む。声優の怪演が目立った作品ではないでしょうか。
サクラダリセット
声優という視点で選んだと言っても過言ではない『サクラダリセット』(公式サイト)。主人公・浅井ケイを演じた石川界人さんでもなく、ヒロイン・春埼美空を演じた花澤香菜さんでもなく、僕がとても良いと思ったのは、そうです、悠木碧さんです。
演じたキャラクターは、個人的にはメインヒロインだった相麻菫(そうますみれ)。
全体的にテンション低めというか、天気で言うと曇り空みたいなキャラクターばかりの作品なんですけど(主観です)、その中でも悠木碧さんの演技は圧巻。
儚さと切なさをガンガンに放ってくるキャラでありながら、あくまでも演技はフラットというか、自分にとっての大事件であってもフフン♪と流しちゃう、そんな演技がとても心地よく、これまでも悠木碧さんを知っていましたし声は好きでしたけど、この作品を通じてより注目するようになった、悠木碧さんの声に対する感度が高まったし、『幼女戦記』はもちろん、7月から放送された『アホガール』では、180度異なるベクトルの演技に笑い転げましたし、今年一年を漢字1文字で現すとしたら、間違いなく「悠木碧」と書くくらい、年間を通じて僕に影響を与え続けた声優と断言できます。
正解するカド
東映アニメーションが、TVシリーズとしては初めてセルルックのフルCGアニメに挑戦した『正解するカド』(公式サイト)。『楽園追放 -Expelled from Paradise-』同様、ポリゴン・ピクチュアズ出身の野口光一さんがプロデューサーをつとめるという意味でも注目していました。
セルルックのCGに対する違和感はないのですが、映像以外の商品が売りづらそうな作品だなと……。ただ、それ以上に気になったのは、シリーズ構成/脚本を担当した野崎まどさん。
ラストは賛否両論でしたが、「野崎さんはほかにどんな物語をつくっているのだろう」と感じるには十分。放送後、小説家として手がけた作品を読むにまで至りました。
漢字で書くとなかなか読みづらい言葉選び、それらで構築される独特な世界観。今後のアニメ制作への参加を期待しているんですけど、どうでしょう?
年末にまとめて読みたいアニメ関連インタビュー
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1件のコメント
CKS
ACCA サクラダリセット わかるッッッ!!