『けものフレンズ』ほど、この1年で大きく世間に浸透した作品はほかにないだろう。
TVアニメが放送されると、その優しくも謎に包まれた世界観から徐々に人気が伝播。さらに同ユニットが歌うOP主題歌「ようこそジャパリパークへ」は、著名な音楽家からも絶賛され、作品は急速に認知されていった。
お茶の間への広がりを象徴するのが、テレビ朝日系の音楽バラエティ「ミュージックステーション」への出演だ。結成からわずか3カ月、かつメンバーのほとんどが新人声優のユニットとしては異例の大抜擢だった。ようこそジャパリパークへ / どうぶつビスケッツ×PPP
声優としても、アーティストとしても、大小様々なステージを経験したキャスト陣。
KAI-YOU.netではその中でも、作品を象徴するどうぶつビスケッツのメンバー、サーバル役・尾崎由香さん、フェネック役・本宮佳奈さん、アライグマ役・小野早稀さんにインタビューする機会を得た。
ちょうど「ニコニコ超パーティー2017」に出演する直前だった彼女たち。そこで、ユニット結成時のエピソードや主題歌の印象、TV出演時の心境を聞くとともに、声優/アーティストとしての1年間を振り返ってもらった。
「けものフレンズプロジェクト」において重要な役割を担う彼女たちは、作品と周囲を取り巻く環境の変化をどのように捉えていたのだろうか。
文:おんだゆうた 編集・写真:ふじきりょうすけ
小野 時間が立つのはこんなに早いんだって思いました。「アニサマ」(アニメロサマーライブ2017)に向けて準備して、それが終わったと思ったらすぐに「ミュージックステーション」。光の速さで駆け抜けていって……。
尾崎 1年間で経験できることじゃないよね。私やPPPも含めて、ユニットメンバーの多くが『けものフレンズ』がデビュー作なので、歌や芝居の楽しさを感じながら、すごく充実した日々だったなって。
本宮 私も『けものフレンズ』が初めてのアニメのお仕事でした。初めてのことばかりで毎日が楽しくて、「こんなに贅沢していいのかな」って(笑)。
右も左もわからない状態から、みんなにサポートしてもらいつつ、歌もダンスも演技も互いに支え合って成長できたと思います。 尾崎 作品を通じて成長できた1年なので、これからは第2段階。さらにいいパフォーマンスを見せられたらなと思います。
──新人のような状態から、大きなステージを経験してきたわけですが、声優という職業に対してここまで表に出るというイメージはありましたか?
尾崎 私は声優を目指したきっかけが『ラブライブ!』から生まれたμ’sさんなんです。ああやってステージに立って歌っていたからこそ、声優という職業を知って、自分も「そういう存在になりたい」と思って。
もちろん声のお仕事が一番大事なんですけど、その魅力を表に出ながらいろいろな人に届けたい。声優としての可能性を広げる、声優/アーティストとしても活動を広げていきたいと思っています。
本宮 声優は何にでもなれる職業だよね。声優/アーティストとか、他のジャンルとつながったり、役者として声だけだからこそ、見た目は関係なかったり。
自分の出せる声に制限はあるけど、そこは磨き方次第。本当に素晴らしい職業だと思うので、これからもいろいろな役と人生を一緒に歩んでいきたいですね。
小野 オーディション要項に、「歌える人」「踊れる人」と書いてあったので、ある程度考えられていたんだと思います。最初は「キャラクターソングを歌うのかな」っていうくらいでしたけど。
──「ようこそジャパリパークへ」は主題歌ですもんね。
小野 本当に「私たちがOPを歌っていいんだ!?」って。アーティストの方がOPを担当して、声優ユニットはEDを歌うことが多いので、すごくうれしかったです。やらせていただいて、よろしいんでしょうかと(笑)。
尾崎 私もすごくうれしくて、ワクワクしました! 歌を録ること自体初めてだったので余計にです。動物として、サーバルとして元気いっぱいに歌いたいと思いました。
本宮 楽曲を手がけた大石昌良(オーイシマサヨシ)さんのことが、以前から好きだったんです。だから仮歌を聞いたときに、「大石さんの声じゃん! この曲、大石さんがつくったの!?」って……。 尾崎 耳の中がね(笑)。
本宮 いやぁ、興奮しました! 仮歌の段階から「あぁ、神曲……」って思いながら聞いてました。
小野 すごく歌いやすかったよね。全部がサビというか、どこから聞いても覚えやすいから、一度聞いただけですんなり入ってきた。
尾崎 私たちって、アニメよりも歌の収録が先だったんです。だから、この曲からそれぞれのキャラクターをつかんで、歌うごとに自分の役としての意識も強くなっていったんです。
──「ようこそジャパリパークへ」は音楽番組「関ジャム 完全燃SHOW」でも取り上げられたり、平井堅さんがべた褒めしたりしていましたね。作品が広がっていくのはどう感じていましたか?
小野 いろいろな奇跡のようなものが重なった結果なのかなって思います。
曲に対しても、著名な方々が聞いてくださって、話題にしてくださったからこそ、「この人が評価してるなら聞いてみよう、見てみよう」と広がったという実感はあります。きっかけという意味で、OPの力は大きかったですね。 小野 それにアニメ放送終了のすぐ後に「東武動物公園」さんとのコラボがあって、フルルのパネルにグレープくんが寄り添って。それが世界で報道されたことも奇跡の1つだと思います。
正直、アニメが放送された当初は、Twitterをやっている人たちの数人が、たくさん「良い」という評価を書き込んでいるんじゃないかなって(笑)。
尾崎 ちょうど、出演の連絡を受けたのが家に帰る途中で、「Mステ? しかも来週!?」って。最初は何かの間違いだと思いました。
小野 私たちが知ったのも、発表の1日前。ほぼ同じタイミングだったんです。 尾崎 夢のようで、何回も自分の顔つねったりして……ニヤニヤしながら家までスキップして帰りました。あふれる気持ちをどう表現していいかわからなくて(笑)。
小野 多くのアーティストさんが目指してる場所だと思うんです。だから「(自分たちのパフォーマンスが)今の段階では見せられるクオリティではない」って、最初はすごくプレッシャーを感じました。
「あと何回みんなで集まれる?」「深夜にも練習しなきゃ」とか、そういうことを一気に考えてました。 本宮 そっかぁ。私はどんな感じだったかな。純粋にうれしかったのと、アニメが好きな人以外にも知ってくださった方がいるのかなと思ったのと……うーん、あんまり覚えてないですね(笑)。
尾崎 本音出ちゃったか。
本宮 とにかく頑張ろうという気持ちでした!
小野 半々ですね。トークのときはスッと自分に戻るんですけど、歌うときはキャラクターの声で曲のニュアンスを伝えたり、踊りでもアライさんらしさを表現するために大きく動いたり。
「ようこそジャパリパークへ」のイントロを聞いた段階で、無意識のうちに切り替えているような気がします。 ──舞台版もありましたが、その時はいかがでしたか?
小野 舞台は最初から最後まで役のままだったので、千秋楽が終わって、挨拶終わったあたりでようやく素に戻ったくらいで。その期間中は舞台から降りてもずっとテンション高い状態でした。
本宮 私(フェネック)はアライさんきっかけで言葉を発する機会が多かったから、そこは引っ張ってもらってたかなぁ。
フェネックはどちらかというと頑張らないので、むしろテンションを上げないように頑張っていました。今となってはいい思い出ですね。
尾崎 まだこれからもあるから。
本宮 そうだね。新しい思い出もつくっていきます!
※記事初出時、一部に敬称がございませんでした。お詫びして訂正いたします。
TVアニメが放送されると、その優しくも謎に包まれた世界観から徐々に人気が伝播。さらに同ユニットが歌うOP主題歌「ようこそジャパリパークへ」は、著名な音楽家からも絶賛され、作品は急速に認知されていった。
お茶の間への広がりを象徴するのが、テレビ朝日系の音楽バラエティ「ミュージックステーション」への出演だ。結成からわずか3カ月、かつメンバーのほとんどが新人声優のユニットとしては異例の大抜擢だった。
KAI-YOU.netではその中でも、作品を象徴するどうぶつビスケッツのメンバー、サーバル役・尾崎由香さん、フェネック役・本宮佳奈さん、アライグマ役・小野早稀さんにインタビューする機会を得た。
ちょうど「ニコニコ超パーティー2017」に出演する直前だった彼女たち。そこで、ユニット結成時のエピソードや主題歌の印象、TV出演時の心境を聞くとともに、声優/アーティストとしての1年間を振り返ってもらった。
「けものフレンズプロジェクト」において重要な役割を担う彼女たちは、作品と周囲を取り巻く環境の変化をどのように捉えていたのだろうか。
文:おんだゆうた 編集・写真:ふじきりょうすけ
3人が考える声優/アーティストとは?
──TVアニメへの出演、ユニットを結成しての音源リリース、さらには「ミュージックステーション」への出演など、この1年を振り返ったときの率直な印象を教えてください。小野 時間が立つのはこんなに早いんだって思いました。「アニサマ」(アニメロサマーライブ2017)に向けて準備して、それが終わったと思ったらすぐに「ミュージックステーション」。光の速さで駆け抜けていって……。
尾崎 1年間で経験できることじゃないよね。私やPPPも含めて、ユニットメンバーの多くが『けものフレンズ』がデビュー作なので、歌や芝居の楽しさを感じながら、すごく充実した日々だったなって。
本宮 私も『けものフレンズ』が初めてのアニメのお仕事でした。初めてのことばかりで毎日が楽しくて、「こんなに贅沢していいのかな」って(笑)。
右も左もわからない状態から、みんなにサポートしてもらいつつ、歌もダンスも演技も互いに支え合って成長できたと思います。 尾崎 作品を通じて成長できた1年なので、これからは第2段階。さらにいいパフォーマンスを見せられたらなと思います。
──新人のような状態から、大きなステージを経験してきたわけですが、声優という職業に対してここまで表に出るというイメージはありましたか?
尾崎 私は声優を目指したきっかけが『ラブライブ!』から生まれたμ’sさんなんです。ああやってステージに立って歌っていたからこそ、声優という職業を知って、自分も「そういう存在になりたい」と思って。
もちろん声のお仕事が一番大事なんですけど、その魅力を表に出ながらいろいろな人に届けたい。声優としての可能性を広げる、声優/アーティストとしても活動を広げていきたいと思っています。
本宮 声優は何にでもなれる職業だよね。声優/アーティストとか、他のジャンルとつながったり、役者として声だけだからこそ、見た目は関係なかったり。
自分の出せる声に制限はあるけど、そこは磨き方次第。本当に素晴らしい職業だと思うので、これからもいろいろな役と人生を一緒に歩んでいきたいですね。
「動物として、サーバルとして元気いっぱい歌いたい」
──表舞台に出るきっかけの1つが、どうぶつビスケッツ×PPPというユニットの結成です。ユニットデビューは最初から決まっていたんでしょうか?小野 オーディション要項に、「歌える人」「踊れる人」と書いてあったので、ある程度考えられていたんだと思います。最初は「キャラクターソングを歌うのかな」っていうくらいでしたけど。
──「ようこそジャパリパークへ」は主題歌ですもんね。
小野 本当に「私たちがOPを歌っていいんだ!?」って。アーティストの方がOPを担当して、声優ユニットはEDを歌うことが多いので、すごくうれしかったです。やらせていただいて、よろしいんでしょうかと(笑)。
尾崎 私もすごくうれしくて、ワクワクしました! 歌を録ること自体初めてだったので余計にです。動物として、サーバルとして元気いっぱいに歌いたいと思いました。
本宮 楽曲を手がけた大石昌良(オーイシマサヨシ)さんのことが、以前から好きだったんです。だから仮歌を聞いたときに、「大石さんの声じゃん! この曲、大石さんがつくったの!?」って……。 尾崎 耳の中がね(笑)。
本宮 いやぁ、興奮しました! 仮歌の段階から「あぁ、神曲……」って思いながら聞いてました。
小野 すごく歌いやすかったよね。全部がサビというか、どこから聞いても覚えやすいから、一度聞いただけですんなり入ってきた。
尾崎 私たちって、アニメよりも歌の収録が先だったんです。だから、この曲からそれぞれのキャラクターをつかんで、歌うごとに自分の役としての意識も強くなっていったんです。
──「ようこそジャパリパークへ」は音楽番組「関ジャム 完全燃SHOW」でも取り上げられたり、平井堅さんがべた褒めしたりしていましたね。作品が広がっていくのはどう感じていましたか?
小野 いろいろな奇跡のようなものが重なった結果なのかなって思います。
曲に対しても、著名な方々が聞いてくださって、話題にしてくださったからこそ、「この人が評価してるなら聞いてみよう、見てみよう」と広がったという実感はあります。きっかけという意味で、OPの力は大きかったですね。 小野 それにアニメ放送終了のすぐ後に「東武動物公園」さんとのコラボがあって、フルルのパネルにグレープくんが寄り添って。それが世界で報道されたことも奇跡の1つだと思います。
正直、アニメが放送された当初は、Twitterをやっている人たちの数人が、たくさん「良い」という評価を書き込んでいるんじゃないかなって(笑)。
Mステ決定も「今の段階では見せられるクオリティではない」
──「ミュージックステーション」も広がりの1つだと思いますが、出演が決まったときはどんな気持ちでしたか?尾崎 ちょうど、出演の連絡を受けたのが家に帰る途中で、「Mステ? しかも来週!?」って。最初は何かの間違いだと思いました。
小野 私たちが知ったのも、発表の1日前。ほぼ同じタイミングだったんです。 尾崎 夢のようで、何回も自分の顔つねったりして……ニヤニヤしながら家までスキップして帰りました。あふれる気持ちをどう表現していいかわからなくて(笑)。
小野 多くのアーティストさんが目指してる場所だと思うんです。だから「(自分たちのパフォーマンスが)今の段階では見せられるクオリティではない」って、最初はすごくプレッシャーを感じました。
「あと何回みんなで集まれる?」「深夜にも練習しなきゃ」とか、そういうことを一気に考えてました。 本宮 そっかぁ。私はどんな感じだったかな。純粋にうれしかったのと、アニメが好きな人以外にも知ってくださった方がいるのかなと思ったのと……うーん、あんまり覚えてないですね(笑)。
尾崎 本音出ちゃったか。
本宮 とにかく頑張ろうという気持ちでした!
イントロを聴いた瞬間に役へと気持ちが切り替わる
──「ニコニコ超パーティー」をはじめとしたステージに出演されていますが、ライブ中はキャラクターのステージ衣装を着用していますよね。ステージに立っている時の皆さんは、声優/キャラクター、どちらの気持ちでいらっしゃるんでしょうか?小野 半々ですね。トークのときはスッと自分に戻るんですけど、歌うときはキャラクターの声で曲のニュアンスを伝えたり、踊りでもアライさんらしさを表現するために大きく動いたり。
「ようこそジャパリパークへ」のイントロを聞いた段階で、無意識のうちに切り替えているような気がします。 ──舞台版もありましたが、その時はいかがでしたか?
小野 舞台は最初から最後まで役のままだったので、千秋楽が終わって、挨拶終わったあたりでようやく素に戻ったくらいで。その期間中は舞台から降りてもずっとテンション高い状態でした。
本宮 私(フェネック)はアライさんきっかけで言葉を発する機会が多かったから、そこは引っ張ってもらってたかなぁ。
フェネックはどちらかというと頑張らないので、むしろテンションを上げないように頑張っていました。今となってはいい思い出ですね。
尾崎 まだこれからもあるから。
本宮 そうだね。新しい思い出もつくっていきます!
超パーティーのライブも観れる!
なお、今回インタビューに答えてくれた"どうぶつビスケッツ"の3名が出演した「ニコニコ超パーティー2017」のライブ模様は12月3日(土)23時59分までネットチケット(外部リンク)を購入して視聴することができます。※記事初出時、一部に敬称がございませんでした。お詫びして訂正いたします。
この記事どう思う?
イベント情報
ニコニコ超パーティー2017
- 日 時
- 2017年11月3日(金・祝)
- 会 場
- さいたまスーパーアリーナ
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29件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:1425)
悲しいなぁ
匿名ハッコウくん(ID:1424)
コメ消し必死すぎだろ
言論統制して何がしたいんだこの記事
匿名ハッコウくん(ID:1423)
たつきの一件依頼完全にけもフレそのものが触れちゃいけないもの扱いになってる気がする