松田聖子「青い珊瑚礁」海外でヒットする日本楽曲TOP10入り 再発見される“旧譜”

松田聖子「青い珊瑚礁」海外でヒットする日本楽曲TOP10入り 再発見される“旧譜”
松田聖子「青い珊瑚礁」海外でヒットする日本楽曲TOP10入り 再発見される“旧譜”

青い珊瑚礁/画像はSpotifyより

歌手・松田聖子さんが1980年にリリースした楽曲「青い珊瑚礁」が、Billboard JAPAN発表のチャート「Global Japan Songs excl. Japan(7月18日付)」の9位にランクインした。

「Global Japan Songs excl. Japan」は、海外でヒットしている日本の楽曲のランキング。「青い珊瑚礁」は、前週7月11日付の同チャートで8位を記録。TOP10圏内をキープした。

国別チャートで見ると、韓国(South Korea)で2週連続2位にランクインしている。

NewJeansのカバー効果か? 韓国で「青い珊瑚礁」が急上昇

「青い珊瑚礁」が韓国で急上昇するキッカケとして考えられるのは、6月26・27日に東京ドームで開催された、K-POPグループ・NewJeansのファンミーティングイベント。

同イベント内のソロステージで、メンバーのHANNI(ハニ)さんが、「青い珊瑚礁」のカバーを披露。

NewJeans(一番左がHANNIさん)

その効果もあってか、韓国の音楽サブスクリプションサービス・Melonのチャート(外部リンク)やカラオケチャート(外部リンク)でランクイン。

なお、HANNIさんは7月6日に放送された日本テレビ系の大型音楽特番「THE MUSIC DAY 2024」でも「青い珊瑚礁」のカバーを披露している。

経済産業省が分析──海外展開における日本の音楽産業の強み

7月18日付の「Global Japan Songs excl. Japan」のチャートを見ると、「青い珊瑚礁」(1980年発表)だけではなくTERIYAKI BOYZの「TOKYO DRIFT(FAST & FURIOUS)」(2006年)や松原みきさんの「真夜中のドア〜stay with me」(1979年)など、いわゆる旧譜のランクインも目立つ。

経済産業省は「音楽産業の新たな時代に即したビジネスモデルの在り方に関する報告書」を7月17日に公表している。

これによると、海外展開に向けた「日本の音楽を含むコンテンツの強みは、創作活動の『多様性』と『蓄積』である」と提言。

「日本では、戦後多くの楽曲がリリースされ、今ではそれらの多くを聴くことができる環境にある。これが日本楽曲の『多様性』と『蓄積』の礎となっており、この『多様性』と『蓄積』は、海外展開における強みであると考える」と分析している。

その上で、経済産業省は「SNSによるバズ/バイラルも、楽曲の新しさによらず(古い楽曲でも)起きている。この強みは、配信プラットフォームを通じて、旧譜が聴かれる機会が急増したというトレンドに合致している」と述べている。

まさに今回の松田聖子さんの楽曲「青い珊瑚礁」のヒットは、過去の音楽産業による蓄積と、配信プラットフォームを通じた“バズ”が生んだ事象といえるだろう。

(※)なお余談ではあるが、HANNIさんが「青い珊瑚礁」のカバーを披露したファンミーティングイベントで、NewJeansのメンバー・HYEIN(ヘイン)さんは、竹内まりやさんの「プラスティック・ラブ」をカバーした。「プラスティック・ラブ」や「真夜中のドア〜stay with me」などの1970年〜1980年代の楽曲は、近年“シティ・ポップ”として海外で再発見されている。

この記事どう思う?

世界進出を目指す音楽業界、その最前線

経済産業省、音楽ビジネスの実態調査を公表「音楽は十分なシェアを世界で獲得できていない」

経済産業省、音楽ビジネスの実態調査を公表「音楽は十分なシェアを世界で獲得できていない」

経済産業省が7月17日、「音楽産業の新たな時代に即したビジネスモデルの在り方に関する報告書」を発表した。国内外の音楽産業に関して、経済産業省がデスクトップ調査(※)や関連事業者へのヒアリング調査、有識者による研究会を実施。その調査結果と、浮き彫りになった...

kai-you.net
Billboard JAPANが目指す、圧力や忖度からの脱却 海外チャート新設に込められた願い.jpg

Billboard JAPANが目指す、圧力や忖度からの脱却 海外チャート新設に込められた願い

楽曲の“社会的浸透度”を表すヒットチャートを運営するBillboard JAPAN(ビルボード・ジャパン)。 CDセールスやダウンロード数、ストリーミングの再生回数のみならず、動画の再生回数やカラオケで歌われた回数など、複数の指標にそれぞれ比重をつけて合算。総合ソングチャートとして算出する「JAPAN Hot 10…

kai-you.net
なぜ椎名もた「少女A」は世界的ボカロ曲になったのか? 発端は海外発の二次創作.png

なぜ椎名もた「少女A」は世界的ボカロ曲になったのか? 発端は海外発の二次創作

『平成のヒット曲』(新潮社)、『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)、『初音ミクはなぜ世界を変えたのか』(太田出版)などの著書で知られる音楽ジャーナリスト・柴那典さんによる寄稿。 “ぽわぽわP”ことボカロP・椎名もたさんの楽曲「少女A」が、海外で異例のヒットを記録している。 「少女A」は…

kai-you.net

関連キーフレーズ

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。