KADOKAWAグループへの大規模なサイバー攻撃の影響で、6月8日早朝からサービスを停止しているニコニコについて、運営するドワンゴのニコニコ運営チームが6月10日、公式サイトで続報を発表した。
発表によると、6月10日18時時点で復旧はしておらず、被害状況を把握するための調査を継続中。
調査と並行して、サイバー攻撃の影響を受けずに、ニコニコのシステムを再構築をするための対応を進めているという。
KADOKAWAグループのアニメの公式サイトが閲覧できないなど、被害の全貌が明らかになりつつあるが、復旧までは時間がかかりそうだ。
ニコニコ復旧に向け前進も「新規でお話しできることは残念ながらありません」
ニコニコ運営チームは発表で、ユーザーから「ニコニコ動画」サービス停止期間中の有料会員費の有無や、生放送のタイムシフト期限について問い合わせがあると報告。
攻撃の影響を調査中の現時点では回答できないとしつつ、「誠実に対応させていただきますので続報をお待ちください」と説明している。
加えて、今週中に、ドワンゴCOOでニコニコ代表の栗田穣崇さんとCTO・鈴木圭一さんが、「復旧までの見込みおよびその時点までの調査で分かった情報をご説明する」予定。
栗田穣崇さんは今回の発表に合わせて、自身のXで謝罪しつつ「前進はしていますが、今日現在で新規でお話しできることは残念ながらありません」と現状を明かしている。
6月10日18時時点で「ニコニコ動画」「ニコニコ生放送」などが停止中
6月10日18時時点で、停止中のニコニコのサービスは以下の通り。
発表によれば、6月10日〜16日(日)に配信予定だった番組については、中止または延期を予定しているという。
【停止中のサービス】
・ニコニコ動画、ニコニコ生放送、ニコニコチャンネル等のニコニコファミリーサービス
・外部サービスでのニコニコアカウントログイン
・各種企画におけるプレゼント発送(関連システムを停止しているため)
【中止、延期予定の番組】
・6月10日~6月16日の番組
なお、6月11日(火)20時に予定している公式番組「月刊ニコニコインフォ」は、規模を縮小してYouTubeとXで放送。
番組内では、ニコニコの現状を口頭でわかりやすく伝えるとしている。復旧日時など情報が明らかになる予定はない。
KADOKAWAグループへの大規模サイバー攻撃、関連サイトに障害発生
ニコニコのサービスが停止したのは、KADOKAWAグループへのサイバー攻撃だったことが、6月9日の同社の発表で明らかになっている。
リリースによると6月8日未明、KADOKAWAグループが利用している複数のサーバーにアクセスできない障害が発生。
データ保全のためサーバーをシャットダウンし、同日中に調査を行った結果、「サイバー攻撃を受けた可能性が高い」と結論づけた。
サーバーをシャットダウンした影響で、「ニコニコ動画」などのニコニコのサービス全般や、KADOKAWA公式サイトにアクセスできなくなり、それが6月10日現在も続いている。
KADOKAWA関連のアニメ公式サイト、N高、書店発注と被害は甚大
KADOKAWAグループの関連サイトとなると、その影響範囲は広い。
同グループが関わったTVアニメの公式サイトもサイバー攻撃の影響を受け、『NEW GAME!』や『きんいろモザイク』、放送中の作品では『終末トレインどこへいく?』などのWebサイトも閲覧できない状態だ。
また、6月10日にはKADOKAWA系列の角川ドワンゴ学園が運営する通信制高等学校のN高等学校が、学習アプリ「N予備校」が利用できないことを明らかにした。
同日中に、N高等学校とS高等学校の生徒に限り利用の再開を発表したが、完全復旧には至っていない。
ほかにも、「書店からの発注ができない」「6月18日(火)に控える株主総会はどうなるのか」など、SNS上には様々な影響を指摘する声が上がっている。
と同時に、KADOKAWAグループを応援するコメントも多数寄せられており、早期の復旧が待ち望まれている。
この記事どう思う?
関連リンク
0件のコメント