テーブルの上に置かれたドット絵のエフェクター。
まるでゲームボーイから飛び出してきたかのようです。
一瞬、ドット絵をあしらったデザインにも思えます。しかし、カメラの動きに合わせて影を表現するドット絵が変化する様子は、どうもあとからエフェクトが掛けられているようです。
この動画はどんな技術でつくられているのか、作者のHiyameshiさんにインタビューを実施しました。
ドット絵や8bit音源を制作するマルチクリエイター・Hiyameshi
動画を制作したのは、マルチクリエイターとして活躍するHiyameshiさん。
前述の実写をドット絵に変換する動画はもちろん、楽曲を8bitアレンジした音源、画像や動画をドット絵に変換するソフトやWebアプリを公開しています。
TikTokでは、どのような考え方のもと、ドット絵への変換が行われているのか解説。
今回話題になったドット絵動画のつくり方についても動画が公開されています。また動画の技術について、現在ゲーム会社からも問い合わせを受けていると明かされています。
目新しいものでなく、既存の技術の組み合わせが魅力を生む
──Xに投稿された動画では、どのような技術でエフェクターをドット絵に変換しているのでしょうか?
Hiyameshi 特に目新しい技術ではなく、(手法としては)基本的にクロマキー合成と同じです。
Adobe After Effectsで被写体をトラックして抜き、自分のソフトでのドット変換に加え、完璧に色を抜くために新しいプログラムを書きました。それらを組み合わせて制作しています。
──動画を制作しようと思いついたきっかけは何でしたか?
Hiyameshi TikTokでAdobe After Effectsのロトブラシという機能を目にして、「これができるならこういうこともできるだろうなぁ」と思い制作しました。
──ドット絵にする際、色調やパターンなど、意識していることや工夫していることはありますか?
Hiyameshi 画像処理のプログラムで作っているので、意識していることと言われると特にありません。
ただ、動画のドット変換で「チラツキ」を発生させないためにつくったのが、今のドット変換のアルゴリズムになります。
制限が多いドット絵や8bit音源は、基礎を学ぶのに最適
──ドット絵や8bit音源を制作するきっかけはなんだったのでしょうか?
Hiyameshi 音楽が苦手だったので、苦手なものを長くやろうと選んだのが8bit音楽でした。
8bit音楽をやるうちに自然とドット絵が必要になり、ドット絵を簡単に作ろうとソフトウェアの開発もするようになりました。
──Hiyameshiさんが考える、ドット絵や8bit音源制作の魅力を教えてください。
Hiyameshi 8bit音楽は制限が多いので、限られた音数で楽曲を表現する必要があります。
そうなると自ずと音楽への理解度や基本的な原理などの理解度が向上するので、初心者にもオススメのコンテンツです。
ドット絵もまた然りで、色への理解度や画像がどのように構成されているかなど、これもまた基礎的な知識が身につきます。
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連載
日夜生み出されるポップな動画たちを短く紹介する人気連載。 ソーシャルメディアやまとめブログ、バイラルメディアなど、 動画系コンテンツへの注目は常に集まっていますが、 KAI-YOUでは「POP」を軸に、話題の動画を紹介していきます。
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