6巻時点でコウはナズナに恋をしていた説
吸血鬼になるため、ナズナに恋をするために最後まで悩む主人公のコウですが、51話「俺の東京に関する思い出」までに、恋に落ちていたのではないか。
以下の台詞が非常に印象深い場面での出来事です。この時にコウは“半吸血鬼”(便宜上こう呼称します)に成り、人間を卒業していた、と筆者は考えています。
「ナズナちゃん 僕はきっとナズナちゃんが嬉しいと僕も嬉しい。きっと生まれて初めて自分以外の誰かを大切だと思った。またすぐに会いたくなる。これが この感情が恋じゃないならじゃあなんなんだよ」出典:コトヤマ『よふかしのうた』6巻収録 51話「俺の東京に関する思い出」(36〜38ページ)
人間と吸血鬼の特徴を併せ持った半吸血鬼という線
で、半吸血鬼ってなんやねんについて。
人間と吸血鬼との間に生まれたナズナは、完全な吸血鬼ではありません(言うなれば混血)。だからコウ(人間)を吸血鬼にすることはできず、半吸血鬼にしかできないのではないか。
だからコウは犬歯が生え変わらず(人間を眷属にすることができない?)、脈もあり、鏡に映り、ナズナに血を吸われても相変わらず美味。ここまでが人間としての特徴。
一方、寒さに強く(吸血鬼は寒さに強い。コウは51話以降、定期的に寒さに強いところが描写されている)、身体がとても頑強(190話でハルカに、地上から建物の屋上まで投げ飛ばされ身体を打ち付けても「痛ッ」で済んでいる)。こうした吸血鬼の特徴も持っている。
また、痛みを伴う出血をトリガーにすることで、吸血鬼が持つ驚異的な身体能力を発揮できるが、長くは続かない(作中では半吸血鬼化と呼ばれる)。
コウはこのような、人間と吸血鬼の特徴を併せ持った、なんとも特殊な状態=半吸血鬼になったのではないか。
少なくとも人間ではないので、コウに恋をしているナズナが彼の血を吸ったとしても、2人が死ぬことはなく、何も起こらないのではないか、という“憶測”です。
最終話以降、コウがあまり老化しないとか、いつまで経っても半吸血鬼化できるとか、そういう違和感からいつか2人はこのことに気づき、死ぬまでいろんな場所を旅しながら、退屈せずに、楽しく一緒に添い遂げるのでは……。
以上、これが筆者なりの、それからの物語でした。皆さんなりのそれからの物語も、よければ教えて下さい。
「吸血鬼にはまだ誰も知らないルールがあるとしたらありえないことではないのかもしれません」出典:コトヤマ『よふかしのうた』15巻収録 145話「お前の目的のためだろ」(109ページ)
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テーマは「漫画を通して社会を知る」。 国内外の情勢、突発的なバズ、アニメ化・ドラマ化、周年記念……。 年間で数百タイトルの漫画を読む筆者が、時事とリンクする作品を新作・旧作問わず取り上げ、"いま読むべき漫画"や"いま改めて読むと面白い漫画"を紹介します。
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