Twitch配信者がBAN対策で「ADHD」タグを乱用 背景に真偽不明の“抜け道”

xQcの『HUNTER×HUNTER』違法視聴で拡散

Pokimane Gets Banned On Twitch
この抜け道とされる情報が広まったきっかけといわれているのが、カナダの人気ストリーマー・xQcさんの配信。

2022年1月8日、xQcさんは『HUNTER×HUNTER』のアニメを配信上で視聴。

この行為は著作権法の違反により明確なBAN対象であり(外部リンク)、海外の有名ストリーマー・PokimaneさんやHasanAbiさんも同様の理由でチャンネルをBANされている。

しかし、9万人の同時視聴者がいたのにもかかわらず、xQcさんはBAN処分を逃れた。すると「xQcさんは配信時に付けていた『ADHD』タグによってBANを免れたのでは?」という風説が独り歩きしはじめる。

Twitchの運営サイドが、意図的に「ADHD」タグを付けた配信者に対して配慮しているという事実は定かではない。

しかしながら、配信者がBANされないための予防線として、「ADHD」タグを付けるムーブメントが爆発的に広まった。

タグ濫用の背景、Twitchの“厳しすぎる”BAN基準

Hanjou Channel - TwitchがBANされたから少しだけやらせてください【APEX】
この「ADHD」タグ蔓延の背景には、Twitchの少々厳しすぎるBAN基準がある。その例として挙げられるのが、冒頭でも触れたはんじょうさんのTwitchチャンネルがBANされたことだ。

きっかけとなったのは2022年1月4日の配信。はんじょうさんの顔がニキビ治療の影響で普段より黒かったことに対してリスナーがコメント。これに対し「履歴書と顔が違ったら就職できない」と自虐的に反応したことに端を発する。

決して差別的な文脈ではなかったものの、一部の発言があたかも差別的であるかのように受け止められたのか、結果としてはんじょうさんのチャンネルはBAN処分を受けた。

このBANは後に解除されたものの、これにより「TwitchのBAN基準が過剰すぎるのではないか?」という声が上がった。

Photo by Axville on Unsplash

こうしたTwitch運営側の誤解から生じるBANに対して、自衛策を講じる配信者の意識は理解できる。しかしながら、当該タグは本来障がいをもった人々のために用意されたものであり、そうではない配信者が乱用するべきではない。

繰り返しになるが、「ADHD」タグを用いることでBAN処分が軽減されるという情報の真偽は不明だ。このような悪用のされ方は、実際にADHDに苦しんでいる人にとって迷惑でしかない。

そうした状況の中で、自身の配信とは無関係なタグを不用意に付ける行為は、配信者のモラルが問われる問題と言えるだろう。

配信・実況をめぐって

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2件のコメント

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匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:5127)

そもそもADHDタグをつける条件は配信者の症状に限定されてるの?

匿名ハッコウくん

匿名ハッコウくん(ID:5096)

はんじょうがタグつけるのを毎回忘れる話が皮肉効いてて好き