宮崎駿『アーヤと魔女』を絶賛 現代は「彼女のような“したたかさ“が足りない」

【宮﨑駿ロングインタビュー】『劇場版 アーヤと魔女』8/27公開記念

POPなポイントを3行で

  • 宮崎駿ロングインタビュー動画
  • 宮崎吾朗監督の『アーヤと魔女』公開記念
  • 「現代人には“したたかさ”が足りない」
宮崎吾朗監督によるスタジオジブリ初の3DCG長編アニメ作品『アーヤと魔女』が、延期を経て8月27日(金)より上映される。

それを記念して、企画を担当した宮崎駿さんへのインタビュー動画がYouTubeの東宝MOVIEチャンネルで公開された。

本作を企画した理由や宮崎吾朗さんが監督となった経緯、完成した作品を観た感想、物語および主人公・アーヤの魅力などが語られている。

宮崎駿「本当に手放しで褒めたい」

インタビューで宮崎駿さんは、「今回CGを使うということで、どういう風にやるんだろうと思っていたけど、出来上がったものを見て、不満がなかったです。鉛筆で描かなくて、CGであることによって、解放されています」と、制作手法に言及。

「映画は面白かった。とても良いスタッフがそろって、作品が持っているエネルギーをちゃんと伝えていて、面白いんです。本当に手放しで褒めたい。単純に面白いと言えるのは、良いことなんです」と面白さに太鼓判を押している。

その魅力を語る中、宮崎さんは、アーヤのようにどんな逆境でも柔軟に生き抜いていくような“したたかさ”が、現代人に失われてしまったのではないか、と持論を展開。

以前は、場面に応じて顔を使い分けられていたとしながら、現在は「不器用な無愛想な顔でいるのが正直なことだと思ってる」と指摘。その状態は「(人を)生きにくくするだけ」とコメントした。

人を利用する“ずるさ”と“したたかさ”は異なると前置きしつつも、最後は今の子どもたちについて「ずるいこともウソもいろいろ駆使して生き延びなきゃいけない そういうチャンスがない」とし、そうすると「本当に純粋にまっとうなか細い青年や少年になってしまう」と結んだ。

宮崎駿が企画、宮崎吾朗が監督『アーヤと魔女』

『劇場版 アーヤと魔女』予告【8月27日(金)公開】
『アーヤと魔女』の原作は、『ハウルの動く城』のダイアナ・ウィン・ジョーンズさんが刊行した同名の児童向け小説。

作品の舞台は1990年代のイギリス。自分が魔女の娘とは知らずに育った少女・アーヤが、奇妙な家に引き取られ、意地悪な魔女と暮らすことからはじまる物語だ。

本作を読んだ宮崎駿さんが企画し、息子であり『ゲド戦記』『コクリコ坂から』の宮崎吾朗さんが監督として映画制作の指揮をとった。

2020年6月のカンヌ国際映画祭では、公式セレクションとして精鋭アニメ映画4作品のうちの1つに選出され、同年12月にNHK総合テレビで放送。

2021年4月29日に劇場公開が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の状況を鑑みて延期されていた。

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