えなこ×ZAQ×Tom-H@ck座談会 この夏、あえてパーティーチューンをつくった理由

えなこの声は、種類も幅もまだまだ可能性がある

楽曲が完成して、歌うときはどんなことを意識しましたか?

ZAQさんに仮歌(制作者の歌唱サンプル)を歌っていただいたんですけど、それが完璧すぎて、このままリリースすればいいのにと思ったくらいにクオリティが高くて…!

いやいやいや、そんなそんな……!

いえいえいえ……!

そ、それで……?

それでだいぶプレッシャーを感じていたんですけど、練習するなかでボイトレの先生から「これは、えなこちゃんのためにつくられた曲だからね」と言っていただいてからは、自信を持って歌えるようになりました。

今言ったことが信じられないくらい、本当に最初のテイクからかなり完成されていて。ミニアルバムの時よりも、いろんなことをやるバランス能力がかなり向上してますよね。

レコーディングの際にはどんなディレクションをされたんですか?

僕から言うことはあんまりなかったんです。でも一つだけ、「明るくして」とは言ったな。歌っているうちにえなこちゃんの歌声が、だんだん暗くなっていっちゃうっていう(笑)。

意識していないと、素の自分に戻ってしまうんですよね(笑)。パーティーチューンだから明るく歌わないといけないんですけど。

とは言っても、レコーディングはスピーディーに進みましたね。3テイクずつくらいしか録ってない。

かわいいニュアンスのコーラスとか、仮歌で私が入れていないような声が追加されていて、素敵な追加成分だなあ……という気持ちになりました。

ZAQちゃんの仮歌の入れ方が、「これくらい過剰に入れたら、実際はこれくらいに落とし込まれるな」って計算されているのを感じた。えなこちゃんの声を想像して入れてるなと。

さすがTomさん、そのとおりです。えなこちゃんだったらきっとこう歌うし、このニュアンスはたぶんこう解釈してくれるだろうな、とか考えてました。

だからちょっと過剰だよね。

語尾がキュンってなってたりとか。えなこちゃんは語尾の処理とか、かわいく落とし込むのが上手なので、そういう感じで歌ってほしいなという圧を込めてます(笑)。

それをえなこちゃんは全部歌いこなしていて、声の種類も幅も、ご自身が思っている以上に今後もっと広がると感じましたね。

たとえば、普通は音を高くすればするほど声が細くなってしまいがちなんですけど、えなこちゃんはあんまり細くならない。芯が残った高い声を出せる

Tomさんがつくった曲の音域は、えなこちゃんの声がちょうどよく響くところを使っているので、さすがだなと思います。Tomさん、突拍子もないメロディも書けるけど、ちゃんと合わせてるなって。

何これ、みんなで褒めあってる(笑)。

えなこさんは歌ってみてどうですか?

難しいと感じた箇所はほとんどなかったと思います。

それはすごい! この曲のレベルでそう感じたなら、相当すごいと思う。

私は仮歌入れるのにヒーヒー言ってましたからね(笑)。たとえば最初のサビの「波打つカラダ 水際ランウェイ」の後半「水際」の頭で音が下がるところ、あの音程はなかなかとりづらいんですよ。

そう。音楽理論的にもあそこはちょっと普通じゃないんですよね。「ミクソリディアン」っていう、ジャズとかに使われる音階で、本当は半音下げなんですけどそうはしてない。

音楽理論とかなんにも知らないからこそ歌えたのかもしれないです。歌う前にこの話を聞いていたら、できなかったかもしれない(笑)

ちなみに私が仮歌入れたときは、「アドレナリン」「セロトニン」のところが全然言えなくて、自分で書いたのに20回くらい録り直したんですよ(笑)。

あそこはレコーディングでも苦労した!

そうですね。でも録っていく過程で「ちょっと言えてないくらいのほうが逆にかわいい!」みたいな話になって。

それは一理ある。

ちょっと言えてないくらいのほうがむしろキュンとするって話になった。

この記事を読んでくださった方はぜひ「アドレナリン」「セロトニン」のところ頑張ってみてください。めっちゃ早口なんですけど。

一緒に歌ってほしい!

絶対難しいよ(笑)。

やっぱりライブは想定されてらっしゃるんですよね。

今はちょっと難しいですけど、このプロジェクトが発足したときから目標は掲げてますね。えなこちゃんが田村ゆかりさんのことが大好きで、田村さんのように大きな会場でライブをするようなアーティストになりたいって話をしていて。

僕の計算だと2年後か、3年後くらいになると思うんです。だから今はどんどん規模を大きくしていって、その末にライブをやりたいなと。

これまでは田村ゆかりさんのライブで、みなさんに紛れてピンクのサイリウムを振っていたんですけど、だんだん自分も人前に出るお仕事が増えていくなかで、「私もいつかピンクのサイリウムに囲まれて歌えたらいいな」って思うようになりました。夢のまた夢ではあるんですけど。

コスプレ撮影の舞台裏

コスプレイヤーさんとして長く活動をされていますが、プレッシャーはアーティスト活動と比較してどちらが強いですか?

やっぱりアーティスト活動のほうがプレッシャーは強く感じますね。コスプレは10数年やってきてますけど、アーティストとしてはひよっこなので。それにアーティスト活動は、すごい制作陣の方々に協力していただいているので、そのプレッシャーもあります。もっともっと頑張らないとって。

ライブは緊張されますか?

まだそんなに大きな会場ではやったことがないのでわからないですけど、私、マルチタスクが苦手で……。歌いながら踊るのがすごく苦手だから、頑張らないとって思います。

コスプレイヤーとしてイベントなどで活動されるとき、撮影会で数百人のカメラマンさんがえなこさんをぐるっと囲む「えなこりんぐ」ができるじゃないですか。あれがもう、ライブばりの客数ですよね。

「コミックマーケット96」だよね撮影

たくさんカメラレンズを向けられていて、少しでも隙のある表情を見せると変な写真撮られてネットにあげられちゃうんですよね(笑)。だから、いかにして誰がどこからどう撮ってもきれいな写真として残るかを意識しています。

太陽や光の向きを考えて、どのポーズをとったら一番きれいに見えるか。この光ならこのポーズが合う、とか常に考えています。

そうだよね。360度から撮られるって、相当シビアな環境だよね。僕らはライブのときでも特殊なステージじゃない限りせいぜい180度、前からだけだから。まばたきはするの?

しますね。でも、できるだけ少なくします。撮影タイム1回が2〜3分とかなので、その短い時間になるべくたくさんの人に目線を送りたくて。ポーズも、前からでも後ろからでも撮られていいように考えてます

今の話聞くと、ライブとか余裕だと思うよ。ワーワー言ってればいいから(笑)。

アゲときゃいいんだから! ゴーゴー!って(笑)。

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