昨対比143%を達成しており、デジタル事業への構造転換やコロナ禍による巣ごもり需要などを増加の理由にあげている。
コロナ禍で需要の高まったオンライン事業
マンガやアニメ、同人誌、キャラクターグッズなどの流通販売および店舗運営事業を行っている「とらのあな」。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の蔓延により同人誌系のイベント中止や延期が相次いでいた中、書籍・アニメ雑貨・同人誌・CD・BD等の販売プラットフォーム「とらのあな通信販売」サイトは、オンラインサービスの強みを活かした販売施策を展開。
これが功を奏して、同人誌の流通冊数が減少した一方、流通総額は前年比119%と堅調に推移した。
また、クリエイター支援プラットフォームのクラウドファンディング事業「Fantia」も好調で、 流通総額が61億円(前年比265%)を記録。登録ファンクラブ数19.1万件(前年比420%)など、好調となっている。【事業別データ】
○通信販売事業
売上高: 140億円(前年比119%)
年間購入者数: 470万人(前年比132%)
年間PV数: 7.7億PV(前年比123%)
年平均流通同人誌数: 1,800万冊(前年比81%)
○クラウドファンディングFantia事業
流通総額: 61億円(前年比265%)
累計登録会員数: 438万人(前年比207%)
登録ファンクラブ数: 19.1万件(前年比420%)
累計コンテンツ数: 116万件(前年比206%)
物販取引数: 530万件(前年比248%)
年間PV数: 9億PV(前年比248%)
2021年6月期末には以下を達成する見込み
○通信販売事業 145億円(前期比118%)
○クラウドファンティングFantia事業 71億円(前期比258%)
⇒オンラインサービス事業流通総額計 215億(前期比142%)
迅速なコロナ禍への対応「事業構造改革とDX戦略の推進」
オンラインサービス事業総額200億円を突破した要因として、事業構造改革とDX戦略の推進についても述べている。事業構造の面では、主力事業として展開していた店舗事業を短期間で急速に縮小し、店舗事業リソースをオンライン事業へと転換。
DX戦略では、事業横断型のオンラインサービス開発組織「虎の穴ラボ」を設立。これにより、組織の目標達成の度合いを測るための指標「KPI」の可視化や開発スピードの促進と柔軟化が実現。
また、女性向け流通支援の強化として、仕入価格の改善やオンラインイベントの開催支援により、女性顧客数が前年比で141%増加となった。
今後の成長戦略については、店舗事業の集結のために一旦の縮小を実施。その上で「クリエイター創作と支援の表現の場」として基幹店を活用していくとのこと。
オンライン事業の今後は、創作・出版・アクセス・購入・流通の全ての工程を自動化・省力化・スピード化を推進。また、「創作デジタル支援No.1カンパニー」を目指し、クリエイターと顧客双方にとって最適な「同人・創作体験」を提供していくとしている。
25周年記念イヤーに新型コロナウイルスが直撃
1994年に東京・秋葉原に1号店をオープンしたとらのあなは、2019年で25周年。2020年もアニバーサリーイヤーにあたる。2020年の3月以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響を受け、利用客が大きく減少。
仙台店・横浜店・町田店・京都店・静岡店・三宮店・新潟店・福岡店など大規模店舗が続々と閉店。6月9日には、札幌店と広島店の閉店も明らかになっている。【虎の穴 とらのあな札幌店】閉店のお知らせ https://t.co/OUqHnCdqu5
— とらのあな札幌店 (@tora_sapporo) June 9, 2021
「とらのあな 札幌店」は、2021年6月30日(水)をもちまして閉店させていただくこととなりました。
ご予約商品、店頭受取品の最終のお引き渡しは2021年7月11日(日)19時00分とさせて頂きます。
四半世紀にわたって同人文化の発展に貢献しているとらのあなの相次ぐ閉店は、新型コロナウイルス感染症の文化への影響をより色濃く表している。
©️とらのあな
コロナ禍による各業界への被害と対応
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