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東京都港区の閑静な住宅街に居を構えるタトゥースタジオ「墨篝 SUMI KAGARI」。静かな街に似合う落ち着いた雰囲気のスタジオで迎えてくれたのは、彫師・恵華さん。 スタジオの至る所に、恵華さんが手掛けたイラストの数々が飾られている。 さながらギャラリーのようでついつい見入ってしまう。
目次
弟子入りするまで、彫ったことも彫られたこともなかった
タトゥー好きが高じて、彫られる側から彫る側になる。これが、彫師になるまでの一般的なルートだと前置きしつつ、恵華さんは自身の経歴を振り返る。デザイン会社に勤めていた恵華さんは、日々の仕事に「なんか違う」と感じて半年で退職。
それでも絵の仕事がしたくて選んだのが彫師だった。
それまで、タトゥーを彫ったことも入れたこともなかったというのだから驚きだ。
絵の仕事と言っても、様々な選択肢がある。彼女があえて彫師を選んだ理由は何なのか。
「デザインと違って一生残るじゃないですか」。
唯一無二、文字通り一点物の絵を彫るデザイナーを、彼女は目指していたのだ。 心機一転、横浜のタトゥースタジオに弟子入りし、研鑽を積んだのちに独立。
ファーストタトゥーは、自分の脚で練習した青い薔薇。
マシンのセッティングもおぼつかず、緊張で手が震えてふにゃふにゃの線になってしまった。
「これが一生残るのか」とショックを受けたが、師匠は「思っていたよりも上手くできている」と優しく背中を押してくれた。
まさに変幻自在
「やったことがないからやらないだと、できるモノしかできない」。得意ジャンルで勝負する彫師もいるが、恵華さんはジャンルを限定せず、オーダーがあれば応えるスタイルだ。 あらゆる刺青のジャンルを横断しながら表現を追求する。
「このジャンルを私が彫ったらどうなるのか楽しみ」。そう語る彼女にとって、彫師はまさに天職だ。
モネの睡蓮を刺青に
取材当日に入っていたオーダーは、クロード・モネの名画「睡蓮」。後に「パズルみたい」と語るそのタトゥーは、施術中に終始カメラを構えていた筆者にも、どのような手順を踏んで完成に至るのか到底理解が及ばなかった。 モネの睡蓮をどうやって刺青に落とし込んでいくのかは、ぜひ動画本編をご覧になっていただきたい。
【Full】 「モネの睡蓮」 パズルのような製作工程
タトゥー文化を牽引する職人たち
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