そんなスニーカーの文化史を、著・ニコラス・スミスさん、翻訳・中山宥が紐解いた書籍『スニーカーの文化史 いかにスニーカーはポップカルチャーのアイコンとなったか』が4月24日(土)に発売される。
運動靴から現在のアイコンに『スニーカーの文化史』
本作は刊行直後から世界のスニーカーヘッズの間で話題沸騰だった、著・ニコラス・スミスさん『KICKS:The Great American Story of Sneakers』の待望の翻訳版となっている。Keds(ケッズ)、CONVERSE(コンバース)、PUMA(プーマ)、adidas(アディダス)、OnitsukaTiger(オニツカタイガー)、Nike(ナイキ)、New Balance(ニューバランス)、Reebok(リーボック)、VANS(バンズ)など、スニーカーの歴史を築きあげたブランドたちの誕生から現在までをエピソード共に紹介している。 今でこそ、SNSで絶大な影響力を持ち、新作に長蛇の列が並び、ハイブランドとのコラボも当たり前となり、転売でも価値が上がり続けているスニーカーは、誕生当時は運動靴だった。
そこからストリートへと飛び出し、カリフォルニアのスケートボーダーがこぞって使ったバンズや、ニューヨークのヒップホップグループ・Run-D.M.C.が紐なしで愛用したadidasの「SUPERSTAR」も話題に。
さらにはギャングたちにとってのステータスになり暴力や暴動の原因にもなるなど、スニーカーはストリートカルチャーで温め育てられてきた。 そして現在ではSNSで大きな影響力を持ち、いまではポップカルチャーのアイコンに。
急速な経済の発展と生み出されてきたカルチャーはスニーカーにどのような価値を持たせていったのか。
ポップカルチャーの歴史と各ブランドのエピソードを交えて紹介する、スニーカーヘッズ必携の一冊だ。
競技用具、汎用ファッション、記念碑、芸術作品……一世紀半のあいだに、スニーカーは、静かにわたしたちの生活の隅々にまで浸透し、文化的な存在になった。そもそもスニーカーが誕生したのは、産業革命と、その意図しない副産物である余暇の増加とが組み合わさった結果だ。その後、スポーツが体系化されていくにつれて発展した。第二次世界大戦時には米軍兵士の訓練に役立った。ファッションや消費者文化とともに進化し、郊外のティーンエイジャーと都会の不良グループ、両方のイメージを固めた。誕生したてのヒップホップでもさっそく歌詞に登場した。若いパンクロッカーも年配のロックスターも、定番のファッションに採り入れた。有名スポーツ選手の人気に貢献し、グローバル化のシンボルになった。大統領でさえ愛用するのだから、ほかの人々については言わずもがなだ。近年では、ある種の専門分野を生み出し、芸術的な撮影、科学的な分析、社会学的な研究などにつながっている。そうした成果の例として、たとえば、写真やインタビューを集めた書籍『SNEAKERS』(スペースシャワーネットワーク)、熱心なコレクターたちを追ったドキュメンタリー映画『スニーカーヘッズ』、本格的な学術研究に裏打ちされ、写真も豊富な書籍『アウト・オブ・ザ・ボックス:ザ・ライズ・オブ・スニーカー・カルチャー Out of the Box: The Rise of Sneaker Culture』(未邦訳)などがある。本書は、そうした流れの延長として誕生した。
ある意味で、スニーカーの歴史は、米国の現代史ともいえる。
いったいどんな経緯でこうなったのだろう?
――本書「プロローグより」
日本とスニーカーカルチャー
これは『スニーカーの文化史 いかにスニーカーはポップカルチャーのアイコンとなったか』に掲載していないであろう余談なのだが、もちろん日本でもスニーカーとポップカルチャーには深い関わりがある。ASICS(アシックス)やOnitsukaTigerなどは日本の誇るシューズブランドであり、映画『キル・ビル』主人公のザ・ブライドの足元を飾っていたOnitsukaTigerの「Taichi(タイチ)」は世界で人気を呼んだ。
また、90年代に広末涼子さんのポケベルのCMなどで流行ったNIKEの「Air Max95」は、価格の沸騰やコピー品が出回り、カツアゲならぬエアマックス狩りが横行した。
近年では、アスリートやラッパーとのコラボに収まらず、バーチャルYouTuber(VTuber)ユニット・KMNZとReebokのコラボや、『ドラえもん』とGUCCIの高級スニーカーなど、ポップカルチャーコンテンツとのコラボスニーカーも多数登場している。
関連商品
出版社 : フィルムアート社
発売日 : 2021/4/24
言語 : 日本語
単行本 : 384ページ
ISBN-10 : 4845920174
ISBN-13 : 978-4845920174
ポップカルチャーは一日にして成らず
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