ベルモンド・笹木咲・「さんばか」文脈汲む演出が光る
3度目のMCパートでは、「にじさんじ JAPAN TOUR 2020 Shout in the Rainbow!」ツアーで行われていた即興コント企画のコーナーが始まる。アナウンス役を務めるモイラ様がつげたお題は、「1人の男を3人の女が取り合う」というもの。即興劇が終わり、イベントは終盤戦へとさしかかっていく。ベルモンドが歌う「SHAKER」では、彼らしい低くハッキリと聞こえる声色が広がっていく。
彼が営む「カフェ・バー」をモチーフとした「Welcome to Bar Deras」という看板とメニューや、「夢の中の住人」という彼の設定を活かしたドアを何度開いてもドアが出てくる演出、『マインクラフト』でよくダイヤモンドを掘り当てる豪運を表現した演出など、彼にまつわる文脈がこれでもかと詰め込まれている。
続いて笹木咲が披露したのは「煽動海獣ダイパンダ」だ。中止となった東京公演が予定されていた2020年3月5日に公開され、「ヤシロ&ササキのレバガチャダイパン」のエンディングにも起用されるなど、にじさんじリスナーにとっては馴染み深い一曲だが、彼女がソロで披露するのはこれが初めて。
残るは3人、リゼ・アンジュ・戌亥の同期ユニット「さんばか」が登場。いきものがかり「じょいふる」をカバーし、本編最終曲は3人組としてのオリジナル曲「3倍!Sun Shine!カーニバル!」で締めくくられた。
ネットの生配信での勢い任せな一発芸、ノリから生まれる面白さと強度を封じ込めた「本気になってバカをやる」というにじさんじDNAに溢れた1曲は、“いつものにじさんじ”を体現した1曲ともいえる。
この3人から生まれるには納得の選曲で、本編を華々しく締めくくった。
漫画的な表現やスタンプなどを多く使ったメタファー、マンガやアニメらしい表現が多く持ち込まれ、5人の体や感情の動きに合わせて目や眉毛が細やかに動き、感情豊かな表情を見せてくれる。
映像制作に携わったスタッフの力量や仕掛けがしっかりと効き、より良いステージに仕上がっていたのは間違いない。
丁寧に磨かれたバックボーンに支えられたこの日のライブは、「これまで5人それぞれが紡いできたナラティヴ(物語)」がコアにあった。2年近くにわたって配信で培われてきたキャラクター性や関係性が輝いたひと時は、にじさんじライバーならではのオリジナリティあるライブだった。
【写真200枚超】ライバーたちの物語が詰まったライブを振り返る
にじさんじの物語がつくり出す音楽
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