2019年7月にリニューアルし、1号目を1円で発売したことで話題になった雑誌『広告』の最新号が発売された。
特集は「著作」。今回はオリジナル版を2000円(税込)、セルフ海賊版であるコピー版を200円(税込)で発売する。
企画の制作にあたっては、『法のデザイン』(フィルムアート社)などの著者である法律家の水野祐さんを監修に迎えた。
全体のテーマとして「いいものをつくる、とは何か?」を掲げ、雑誌自体を視点のカタログとして始動。リニューアル第1号として「価値」を特集し、様々な視点の記事が並んだ。
第1号はすでに完売してしまっているが、編集部の好意で公式noteにて全文が公開されている(外部リンク)。
同noteでは「なぜ1円で発売することになったのか?」や、発売後に起こった転売とその対応の経緯なども書かれていて、とても興味深い。
今回は著作にまつわる問題提起として、オリジナル版とその10分の1の値段のコピー版が発売されたが、コピーであること以外、内容は同じものになっている。 しかし、一つだけ異なっているものがあるとすれば、記事間に入った美術家・原田裕規さんの作品『One Million Seeings』を再構成した写真だ。
近年「写真の著作物性」に着目した作品を制作している原田さんの写真は、コピーされて白黒になったこと、エフェクトがかかったことで味わいが違うものになっている。
原田さんが「ある出来事について語る言葉が奪われてしまったときにこそ、その出来事をできるだけ長く『ただ見る』ことによって、新しい意味や存在理由を組み立て直すことができるのではないか」(外部リンク)という意図で行ったパフォーマンスを再構成した写真。 その良し悪しを問わずコピーによって味わいを変えたことは、「著作」に対する問題提起として意義深いもののように感じた。
なお、第2号のオリジナル版は装丁も凝っており、表紙はなんと布製に。さらに、編集部と執筆者の協議によって、記事ごとにクリエイティブ・コモンズが設定されている。
今後もどのようなユニークなテーマで問いを投げかけてくれるのか注目したい。
特集は「著作」。今回はオリジナル版を2000円(税込)、セルフ海賊版であるコピー版を200円(税込)で発売する。
企画の制作にあたっては、『法のデザイン』(フィルムアート社)などの著者である法律家の水野祐さんを監修に迎えた。
雑誌『広告』が投げかける、いいものをつくる、とは何か?
クリエイティブディレクターの小野直紀さんが編集長に就任し、リニューアルした雑誌『広告』。発行するのは広告代理店の博報堂だ。全体のテーマとして「いいものをつくる、とは何か?」を掲げ、雑誌自体を視点のカタログとして始動。リニューアル第1号として「価値」を特集し、様々な視点の記事が並んだ。
第1号はすでに完売してしまっているが、編集部の好意で公式noteにて全文が公開されている(外部リンク)。
同noteでは「なぜ1円で発売することになったのか?」や、発売後に起こった転売とその対応の経緯なども書かれていて、とても興味深い。
模造(コピー)によって変わってしまうもの
第2号では「著作」を特集。インターネットの発達とともに、ものづくりを取り巻く環境にも変化が起こってきた今、著作物の保護や利用のあり方など、「著作」について様々な視点を投げかける内容となっている。今回は著作にまつわる問題提起として、オリジナル版とその10分の1の値段のコピー版が発売されたが、コピーであること以外、内容は同じものになっている。 しかし、一つだけ異なっているものがあるとすれば、記事間に入った美術家・原田裕規さんの作品『One Million Seeings』を再構成した写真だ。
近年「写真の著作物性」に着目した作品を制作している原田さんの写真は、コピーされて白黒になったこと、エフェクトがかかったことで味わいが違うものになっている。
原田さんが「ある出来事について語る言葉が奪われてしまったときにこそ、その出来事をできるだけ長く『ただ見る』ことによって、新しい意味や存在理由を組み立て直すことができるのではないか」(外部リンク)という意図で行ったパフォーマンスを再構成した写真。 その良し悪しを問わずコピーによって味わいを変えたことは、「著作」に対する問題提起として意義深いもののように感じた。
なお、第2号のオリジナル版は装丁も凝っており、表紙はなんと布製に。さらに、編集部と執筆者の協議によって、記事ごとにクリエイティブ・コモンズが設定されている。
今後もどのようなユニークなテーマで問いを投げかけてくれるのか注目したい。
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