連載 | #2 ギャルが生きた30年史

今井夏帆が魅せる2000年代ギャル ハードボイルド化した彼女たち

  • タイアップ
  • 0
今井夏帆が魅せる2000年代ギャル ハードボイルド化した彼女たち
今井夏帆が魅せる2000年代ギャル ハードボイルド化した彼女たち

速水健朗「ギャルが生きた30年史」第2回2000年代/モデル:今井夏帆

  • 25 images

POPなポイントを3行で

  • ギャルが生きた30年間を速水健朗が総括
  • セクシー女優・今井夏帆が2000年代ギャル演じる
  • 闇と盛りを経てハードボイルド化したギャル
女性における日本特異の文化として、時代の流行とも絡みながら平成の30年間に独自の変遷をたどってきた「ギャル」。

振り返れば常にギャルがいた平成から令和を迎え、その元年が終わろうとするいま。2020年という新たな10年間を前に、1990年代/2000年代/2010年代と時代を彩ってきたギャルを、写真とテキストで振り返る。 書き手は『ケータイ小説的。』(2008年)で、浜崎あゆみさんらギャル文化の象徴とケータイ小説との密接な関係に切り込んだライター・速水健朗さん。

モデルは、ギャル女優として活躍するセクシー女優のAIKAさんと今井夏帆さん。ギャル文化をリアルタイムで経験してきた2人が、各年代のJKギャルを演じる。

前回1990年代に続く第2回目は、今井夏帆さんが2000年代のギャルを表現。浜崎あゆみさんやケータイ小説、闇(病み)と“盛り”など、当時を解説する速水さんの文章とともに、ギャル文化の記憶をたどっていきたい。

文:速水健朗 モデル:今井夏帆 撮影:宇佐美亮 スタイリスト:細谷文乃 編集:恩田雄多

【画像】今井夏帆さんによる00年代ギャルをもっと見る

浜崎あゆみプロデュース携帯で幕を開ける2000年代

WILLCOM同士なら電話代無料。彼氏とともに色違いのWILLCOM「HONEY BEE」を持っていた人も多いのでは?

高校生が当たり前に携帯電話を持つ時代は、2000年頃に始まっている。この年にサービスを開始したauがいち早く学割をスタート。親がどのタイミングで子供にケータイを持たせるか。高校入学時というのがこの頃に定着した(現在の35歳前後)。

まだまだガラケー時代ではあるものの、カメラ付き携帯の登場(シャープ製のJフォン向け携帯端末J-SH04)も2000年。現在の通信メディアのインフラの基本はこの頃に整ったと言える。

当時のギャルを象徴する浜崎あゆみがプロデュースした豹柄の携帯端末が発売されたのが2000年12月のこと。これは、日本のケータイ・メディア史の隠れた転機だったのではないか。
浜崎あゆみ / SURREAL
あの当時のギャルたちは携帯電話をデコって(デコレーションの略語。ラメやシールを貼りまくっていた)自分仕様に仕上げていた。ギャル文化の特徴として、過剰さという要素がある。やりすぎていることに面白さを見出す。それだけではない。彼女たちにとって携帯電話は、子供の頃に遊んでいた着せかえ人形の代用だったのだ。

ともかく携帯端末メーカーがあゆ仕様の携帯に目をつけたのは大正解だった。当時の女子高生たちが自分に重ねて見ていたであろう浜崎あゆみと携帯端末。その2つをくっつけてしまったのだから。当然、あゆプロデュースの携帯は大ヒットした。

豹柄ケータイの例でも明らかなように、2000年代のギャルを語る上で、最も重要な存在が浜崎あゆみである。どんな時代もアイドルや女優、ミュージシャン、モデルといった“ミューズ”のトップが、女の子たちの“なりたい”という願望を一身に集めてきた。松田聖子広末涼子もそうだった。だが2000年当時の浜崎あゆみほど、誰かの“なりたい”というポジションに強く君臨した存在もいないはず。 当時のあゆは「ギャルの教祖」だったが、ツーカーグループのイメージキャラクターをつとめたように「携帯電話普及時代のミューズ」でもあった。といってもツーカーは2008年に休止、今では存在しない携帯電話キャリアだ。最近は5Gケータイ時代への移行が話題だが、ツーカーの当時は、まだ第二世代「2G」だった。彼女の代表曲である「M」は2000年のツーカーのCMソングだった。

さて、スマホ時代になって消えてしまったものの1つがケータイストラップである。ギャルたちは、とにかくたくさんジャラジャラと付けていた。ストラップは本来落下防止のためのツールだが複数付けるのは逆効果だろう(かさばるし邪魔だ)。

実際、当時のギャルのケータイは重量が増していた。これを落とすのはかなり危険な行為のはずだが、ギャルはみなよく転んでいた。まだ厚底ブーツの時代だったからだ。当時のガラケーは、最近のスマホよりも丈夫だったのかもしれない。ディスプレーも小さかったし。

1
2
3

SHARE

この記事をシェアする

Post
Share
Bookmark
LINE

連載

ギャルが生きた30年史

女性における日本特異の文化として、時代の流行とも絡みながら平成の30年間に独自の変遷をたどってきた「ギャル」。 振り返れば常にギャルがいた平成から令和を迎え、その元年が終わろうとするいま。2020年という新たな10年間を前に、1990年代/2000年代/2010年代と時代を彩ってきたギャルを振り返る。 書き手は1973年に生まれ『ケータイ小説的。』(2008年)で浜崎あゆみらギャル文化の象徴とケータイ小説との密接な関係に切り込んだライターの速水健朗。 象徴的なアイテム・制服をまとい各年代のギャルを演じるモデルは、ギャル女優として活躍するセクシー女優のAIKAと今井夏帆というギャル文化をリアルタイムで経験してきた2人。 当時のギャルを取り巻く環境とその中で彼女たちが武装化、部族化、ハードボイルド化していったのか。それぞれが経験してきた(または未体験の)ギャル文化に思いを馳せてほしい。

0件のコメント

※非ログインユーザーのコメントは編集部の承認を経て掲載されます。

※コメントの投稿前には利用規約の確認をお願いします。

コメントを削除します。
よろしいですか?

コメントを受け付けました

コメントは現在承認待ちです。

コメントは、編集部の承認を経て掲載されます。

※掲載可否の基準につきましては利用規約の確認をお願いします。

POP UP !

もっと見る

もっと見る

よく読まれている記事

KAI-YOU Premium

もっと見る

もっと見る

情報化社会の週間ランキング

最新のPOPをお届け!

もっと見る

もっと見る

このページは、株式会社カイユウに所属するKAI-YOU編集部が、独自に定めたコンテンツポリシーに基づき制作・配信しています。 KAI-YOU.netでは、文芸、アニメや漫画、YouTuberやVTuber、音楽や映像、イラストやアート、ゲーム、ヒップホップ、テクノロジーなどに関する最新ニュースを毎日更新しています。様々なジャンルを横断するポップカルチャーに関するインタビューやコラム、レポートといったコンテンツをお届けします。

ページトップへ