振り返れば常にギャルがいた平成から令和を迎え、その元年が終わろうとするいま。2020年という新たな10年間を前に、1990年代/2000年代/2010年代と時代を彩ってきたギャルを、写真とテキストで振り返る。 モデルは、ギャル女優として活躍するセクシー女優のAIKAさんと今井夏帆さん。ギャル文化をリアルタイムで経験してきた2人が、各年代のJKギャルを演じる。
最終回となる連載第4回は、AIKAさんと今井夏帆さんのオフショットとともに、2人のギャルの原体験にフォーカス。さぞギャルとして青春時代を満喫していたのかと思いきや、ともに「ギャルではなかった…」と意外な回答。
彼女たちが経験してきたギャルがいた時代とはどんなものだったのか。ギャルならではの衣装・メイクで撮影を終えたばかりの2人が語るギャル像で、2020年に向けた連載を締め括りたい。
撮影:宇佐美亮 スタイリスト:細谷文乃
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今井夏帆「ギャルである自分に影響されてる」
──ご自身の学生時代と比べて、撮影で着た衣装(2000年代/2010年代)はいかがでしたか?今井 やっぱり「ギャルだな〜」って。当時の私はギャルじゃなかったので新鮮でした。でもギャルは可愛くて好きだったので、『egg』や『小悪魔ageha』、『Happie nuts』に『JELLY』と、ギャル雑誌といわれるものは一通り読んでたと思います。
──ギャルも好き、雑誌も読む、それでもギャルではなかったのはなぜですか?
今井 つけまつげをつけたり、二重にしたり、ネイルをしたり、挑戦していた時期もあったんですけど「大変だな」「面倒臭いな」って(笑)。ちょうどギャルと聞いてイメージするようなギャルギャルしいギャルが少なくなってきた時代でした。
ルーズソックスを履いている先輩もいましたけど、地元は地方で東京の流行が遅れて訪れるので「2〜3年前のギャルだな」と思ったこともあります。当時、私の世代はもうくるぶし丈のソックスが主流だったんですよね。
──周囲のギャルはどんな人たちでしたか? また当時のギャルが憧れていた著名人はいましたか?
今井 ヤンキーみたいな人しかいなかったですね。だからかもしれないですけど、ある日私が間違えて眉毛を全部剃り落としちゃったら、それが学校で流行ったなんてこともありました。と言っても周りにいた2〜3人ですけど(笑)。
憧れという意味では、私たちの世代だとくみっきー(舟山久美子)さんとかギリギリ益若つばささん、それから今井華さんですね。
──これまでギャルメイクを意識したことはないんですか?
今井 昔からナチュラル系ですね。ギャルらしいメイクは高校入ってからほとんどなかったんじゃないかな。 ──「可愛い」とは思いつつもご自身はギャルではなかった。そんな今井さんは現在、ギャル女優としてお仕事されています。ギャルではなかった自分とのギャップはあるんですか?
今井 実は楽しいんですよね。「顔変わるな」「盛れてるな」って。普段は自分で盛ったりしないんですけど、さっきもメイク中に「もっと盛ってほしい」って言いました。
その影響なのか、最近は普段自分でメイクするときもちょっと濃いめになったり、爪を長くしてみたり、ギャルに影響されている部分はあるのかもしれません。
──今井さんが感じるギャルの魅力を教えてください。
今井 元気で、そしてやっぱり可愛い。自分でもやるようになってより感じるんですけど、爪を伸ばして派手なネイルにしてみたりメイクしたりすると、ちょっとだけ自分に自信がつく気がするんです。そういうギャルは歩いているだけでも“最強感”を放っているんですよ。
私自身はわりとマイペースなのでそこまで最強にはならないんですけど、それこそギャルが持つパワーだし、何か気合を入れるスイッチなのかなって最近思います。
──学生時代はギャルではなかったけど、いまギャルとして活躍する今井さんは、次の時代のギャルに何を伝えたいですか?
今井 難しいですね……でも、写真はいっぱい撮っておいたほうがいいと思います。私も……ってギャルではなかったんですけど、結構当時から写真撮ってたんですけど、なぜだか消したり捨てたりしちゃってて(笑)。
データでもいいんですけど、今回みたいな企画にも使えるのでかたちに残しておくといいと思います。
AIKA「好きを突き詰めた結果、ギャルと呼ばれた」
──AIKAさんにとっては、当時リアルタイムで経験した衣装もあったかもしれません。撮影を振り返っ……AIKA (遮って)もう楽しすぎました! どうせやるならもっと長い時間かけてやりたいって思ったくらい。爪とかアクセサリーとかも一緒に見に行くところから始めて、再現度をもっと高めたかったです!
──ということは、学生時代のAIKAさんは今回のようなテイストでしたか?
AIKA いえ、時代ではあったんですけど、経験はしてないです。だから今日も撮影が終わる前に、(ギャルだった)知り合いにいろいろ教えてもらいました。
──ギャルだったのはいつ頃なんでしょうか?
AIKA 正直、ギャルになったつもりは一度もない。自分で「私ギャルだな」っていう意識はなくて、ただ好きなメイク、髪色、小物、服装を追い求めていたら、いつの間にかギャルと呼ばれるようになっていたんです。
服装もころころ変えてきたんですけど、それでもギャルと呼ばれたので「みんなから見たら私みたいなのがギャルなのか〜」って。私自身、ギャルの定義はわからないですし、ギャル語とかギャルポーズとか、「ギャルだったらこうする」みたいなこともわからないんですよね。
──そうなんですね。ちなみに高校時代に読んでいた雑誌は何ですか?
AIKA 『egg』は読んでなくて、『Zipper』とか『mina』とか……高校の頃は裏原系でしたね。卒業してからもエスニック系というかヒッピーというか、とにかく派手なのが好きだったんです。
盛りが流行ってたくらいの時期だったんですけど、髪は逆毛を立てて盛りつつ、スーパーロングなエクステつけて髪の毛2トーンにして、さらに違う色のエクステつけまくってレインボーにして……いわゆるギャルとは違いますね(笑)。
──当時のギャルにおいては、浜崎あゆみさんが象徴的な存在でしたが、AIKAさんが「こうなりたい」と思う人はいたんでしょうか?
AIKA 誰かみたいになりたいというのはなかったんですけど、唯一「この人の髪型を真似したい」と思ったのはYOUさんだったんです。あの人が自分で髪切ってるって聞いて「かっけぇ!」って。
ちなみにギャル雑誌を読んだのは20代前半、美容師になってからです。あくまでもお客さん用でしたけど、自分が読んでも「こうなりたい」とは思わなかったですね。 ──そういう意味では一般的なギャルが特別好きだったわけではないんですね。
AIKA そうですね。当時から、ただただ自分が好きなモノを身につけてきただけなので。でも好きを突き詰めていったからこそギャルとして見られたのかもしれない。
やっぱりギャルって誰かの真似するんじゃなくて自分の好きを貫いて、それが流行ったりする存在だと思うから。いま思えば、実はギャルにも種類があったんですよね。端から見ると同じだけど、みんなが人とかぶらないように、いかに目立つかに必死でした。結局かぶっちゃうんだけど(笑)。
むしろ、いまのほうが昔以上にいろいろなギャルがいると思うんですよ。外国人風だったりヒップホップ系だったり、それをギャルと呼ぶのかはわからないけど、私が呼ばれるくらいだからギャルの幅は広がってます。いい時代だよ。なんとなく「ギャル」が女の子の総称になってる気もします。
──好きを突き詰めることでギャルと呼ばれたAIKAさんが思う、ギャルに必要なマインドとは何でしょう?
AIKA 自分がそうだからっていうのもあるけど、本人が充実してないとダメだと思う。メンタルが崩れてるときってどんな服を着ても可愛く見えないし、化粧やダイエットする気にもなれない、してもやつれて見えちゃう。
私生活が充実してる子のほうが可愛いくておしゃれに見えるんですよ。表情に出るし、何をやっても映える。自信につながるから立ち振る舞いにも現れる。
あっそうだ。ギャルの子って元気なイメージありません?
──あります。あとは「強い」。
AIKA うん、それってやっぱりポジティブなオーラがあって、いきいきとしているからだと思うんです。もちろん個々に悩みはあると思うし、一概にみんながそうじゃないけど、自分を充実させてる子はそうでない子と見え方が全然違います。自分の周り(セクシー女優)でもそう感じますもん。
──最後に、これからのギャルがギャルであるために必要なことは何だと思いますか?
AIKA 正直、私が言うのもおこがましいかもしれないですけど、自分が可愛くいられる環境や人との関係性、自己意識を維持できるように、自分のために自分に対して気を抜かない。要は「とにかくリア充してくれ!」ってことなんですけど(笑)。 今井夏帆さんの出演作品をチェックする(FANZA)AIKAさんの出演作品をチェックする(FANZA)【画像】AIKAさんと今井夏帆さんのオフショットをもっと見る
ギャルが生きた30年
妖艶な女優が魅せる、別の顔
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AIKA
セクシー女優
1990年8月25日生まれ。ティーパワーズ所属
Twitter:https://twitter.com/AIKA50
Instagram:https://www.instagram.com/aika_honmono/
今井夏帆
セクシー女優
Twitter:https://twitter.com/imai_arrows
連載
女性における日本特異の文化として、時代の流行とも絡みながら平成の30年間に独自の変遷をたどってきた「ギャル」。 振り返れば常にギャルがいた平成から令和を迎え、その元年が終わろうとするいま。2020年という新たな10年間を前に、1990年代/2000年代/2010年代と時代を彩ってきたギャルを振り返る。 書き手は1973年に生まれ『ケータイ小説的。』(2008年)で浜崎あゆみらギャル文化の象徴とケータイ小説との密接な関係に切り込んだライターの速水健朗。 象徴的なアイテム・制服をまとい各年代のギャルを演じるモデルは、ギャル女優として活躍するセクシー女優のAIKAと今井夏帆というギャル文化をリアルタイムで経験してきた2人。 当時のギャルを取り巻く環境とその中で彼女たちが武装化、部族化、ハードボイルド化していったのか。それぞれが経験してきた(または未体験の)ギャル文化に思いを馳せてほしい。
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