本作品は東京藝術大学でsyo5さんが自主制作し、独立系アニメ企画プロデュース会社であるARCHと共同で、エンタメ系スタートアップ・BlockPunkから動画の視聴権が紐づいたブロックチェーントークンとして配信される。
BlockPunkを共同運営するパンクメディアによると、ブロックチェーントークンの形で配信されるアニメ映画は世界初だという。
自主制作アニメーション「微睡みのヴェヴァラ 」を公開しました。https://t.co/O5SfN5SpfP
— syo5 (@syo5_) 2019年7月10日
キャラクターに命を吹き込んでくださった沼倉愛美さん榎木淳弥さん、物語の音を紡いでくださったwhooさん増田義基さんを始め、様々な方に改めて感謝致します。
沢山の方に見ていただけたら嬉しいです。 pic.twitter.com/K2VGLgvnb1
絵コンテから完成まで3ヶ月で制作
syo5さんは、東京藝術大学出身の気鋭イラストレーター。書籍の装画やアニメのイメージボードを中心に手がけながら、現在は同大学院アニメーション専攻に在籍。個人作品をつくり続けている。
『微睡みのヴェヴァラ』は東京藝術大学でsyo5が自主制作した卒業制作作品で、絵コンテから完成まで3ヶ月足らずで制作されたという。
本作では、サナ役に沼倉愛美さん、ヴェヴァラ役に榎木淳弥さんと声優が参加。また音楽は、音楽家のwhooさんが手がけている。
syo5さんは公開に際し、「アニメエクスポで作品を発表し、世界中のファンの方と会えるのをとても楽しみにしています。映像を楽しんで頂き、それと合わせて提供される特典物を通してその映像がどのように作られたかも感じてもらえればと願っています」とコメントを寄せている。
新たなアニメの未来
ブロックチェーンを使ってクリエイターがデジタル作品の権利をコントロールしやすくする仕組みをつくるエンタメ系スタートアップ・BlockPunkは、自社サービス上で動画の視聴権が紐づいたブロックチェーントークンの販売を開始。ビデオトークンの所有者は動画をストリーミング視聴できるだけでなく、監督によるオーディオコメンタリーや中間制作物であるアートワークやデザイン素材といったスペシャルコンテンツといった特典が得られる。
販売は500トークン限定で、価格は15USD(日本円で約1600円)。トークン所有者限定1名に、抽選で監督描き下ろしの独占イラストが贈られる特典も。
ARCHの平澤直さんは、「syo5とBlockPunkと一緒にこの面白いコラボレーションに取り組めることを光栄に思います。今後、ブロックチェーンがどのように世界中のクリエイターとファンを繋ぐ新しい架け橋を作っていくのか、とても興味があります」とコメントしている。
クリエイターの正当な評価につながるか
BlockPunk CEOのジュリアン・ライハンさんは、ブロックチェーントークン型アニメの未来についてこのように語っている。アニメーターの低賃金での労働などが取り沙汰される昨今、このようなサービスの利用によってクリエイターへの正当な分配がなされ、アニメの可能性が広がっていくことに期待したい。アニメファンはお気に入りのクリエイターを支援するためにブルーレイボックスを購入することもありますが、実際にクリエイターに還元されるのはそのごく一部です。この仕組みを使えば、ファンはお気に入りのクリエイターから直接動画を購入し、その大部分が制作元に還元されるのを確認できます。さらに限定特典を利用できたり、ブロックチェーンに記録されたデジタルコンテンツという形で再販することもできます。
我々の目標は、日本のアニメ業界でクリエイターを発掘し世界に発信していくことです。この素晴らしいデビュー作品を配信しsyo5とARCHをサポートできることにとてもワクワクしています。
知られざる自主制作アニメの魅力
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