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  • 宇木敦哉『センコロール』が再始動
  • 本日TOKYO MXで「センコロール TV edit」放送
  • 個人制作の才能が今日のアニメを支えてきた歴史を振り返る

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宇木敦哉『センコロール』再始動! 今日のアニメを支える個人制作の才能たち

『センコロール』(C)UKI ATSUYA/ANIPLEX

宇木敦哉(うきあつや)さんの個人制作アニメ『センコロール』の公開10周年を記念して、新たなプロジェクトが“再”始動する。

まず、本日1月15日(火)24時からTOKYO MXで「センコロール TV edit」の放送が決定。センコロールプロジェクトのTwitterを期間限定で開設し、放送にあわせてツイート企画を展開する。

公開当時、監督・脚本・作画と制作工程のほぼすべてを宇木さん個人が制作したことで、アニメファンに大きな衝撃を与えた『センコロール』。続編『センコロール2』の公開も発表されたものの続報がなかっただけに、新作への期待も高まりそうだ。

なお、放送当日である本日、宇木敦哉さん描き下ろしイラストによるLINEスタンプが120円(税込)で配信スタート。しかも、『センコロール2』から新キャラも登場している。
『センコロール』LINEスタンプ

『センコロール』LINEスタンプ

“宇木敦哉”を知らしめた『センコロール』

2009年に公開された『センコロール』は、漫画家・イラストレーター・アニメ監督として活躍する宇木敦哉さんによる個人制作アニメーション。
センコロール(トレーラー)/動画革命東京
制作のほぼすべてを宇木さんが手がけ、音楽はEGOISTやsupercellを手がけるコンポーザー・ryoさんが担当。花澤香菜さん、下野紘さん、森谷里美さん、木村良平さんらがキャストとして参加している。

突如出現した巨大モンスターに町が騒然とする中で、モンスターに似た奇妙な生物・センコを飼っている少年・テツと、同じ学校に通う少女・ユキが戦いに巻き込まれていくという物語と、宇木さんが1人でつくりあげた強烈な世界観は大きなインパクトを残した。

宇木さんはその後、アニメ『つり球』や「デジモンアドベンチャー tri.」シリーズのキャラクターデザイン、ライトノベル作家・入間人間さん作品の表紙などを手がけるなど、活動の幅を広げていった。

『センコロール』、当時の反響

『センコロール』自体は、東京都が支援したアニメクリエイターの発掘・育成事業「動画革命東京」の一環として制作された作品。

この事業には当時、実写映画『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』のOPプロデュースやアニメ映画『機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』のCGを担当した糸曽賢志さんらも参加していた。

『センコロール』は公開当初からアニメファンの間で話題を呼び、満員御礼・パンフレットは完売の大反響。

2014年のAnimeJapanにて、同年夏に『センコロール2』の公開が決まったものの、その後延期が発表され、続報がないまま現在に至っている。

公式サイトは現在も『2』が制作中と表示された状態。実に延期から5年ぶりとなるプロジェクト再始動、当時を知るファンの多くは驚いている。

個人から商業へ 宇木敦哉『センコロール』が注目される理由

2000年代に入って以降、技術の進歩に伴い、様々なクリエイティブにおいて個人が制作できる範囲が飛躍的に拡大した。

多くの人や工程が必要とされてきたアニメにおいては、2002年に公開された新海誠監督の『ほしのこえ』がもっとも象徴的な作品として語られることが多い。
ほしのこえ 予告編(The Voices of a Distant Star)
その3年後、2005年には吉浦康裕監督の個人制作『ペイル・コクーン』を上映。監督、脚本、制作を個人で手がけている。
『ペイル・コクーン』予告編 / "PALE COCOON" Trailer
そのさらに4年後に公開された『センコロール』によって、個人制作アニメの可能性は一層広がったのは間違いないだろう。

同時にそれらの監督は、個人制作をきっかけとして、長編映画やテレビアニメに携わるようになった。

吉浦監督は2008年にWeb公開された『イヴの時間』でさらに知名度をあげ、反響をうけて2010年には劇場版を公開。その後、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』や『パトレイバーREBOOT』、『龍の歯医者』などに携わっている(インタビュー記事)。

新海監督は、もはや説明するまでもないが、2016年に公開された『君の名は。』で大ブレイク(インタビュー記事)。国内外で大きな記録を樹立、一躍時の人となり、2019年7月には新作『天気の子』の公開も控えている。

『センコロール』と同年の2009年にWeb上で発表した自主制作アニメーション『フミコの告白』で注目を集め、現在は新進のスタジオコロリドを率いる石田祐康監督の存在も忘れてはならない。
フミコの告白
石田監督の手がける、ベストセラー作家・森見登美彦さん原作のアニメ映画『ペンギン・ハイウェイ』は、本日発表された日本アカデミー賞の優秀アニメーション作品賞に選出された(関連記事)。

また、少し変わった動きとして、イラストレーターとして活躍するloundraw(ラウンドロー)さんがアニメーションスタジオ「FLAT STUDIO」を設立するという異例の試みをこの1月に発表したばかり(関連記事)。

こうして振り返ってみると明らかだが、技術の発達が個人の想像力と創造性を最大限後押しし、その結晶としての作品が正当に評価され、予算的にも規模的にも大きな商業での活躍のチャンスを掴んでいくことができる時代になった。

スタッフの増員によって強化される部分もあれば希釈される部分もあるため、個人制作/商業制作というだけで作品の良し悪しは決まらない。

ただ、個人制作が可能な環境は、アニメスタジオで磨かれたクリエイターとも異なる才能が現れる土壌を用意した。その結果、今日の日本のアニメーションに厚みをもたらしたことは紛れもない事実だ。

作品の評価はもちろんだが、宇木敦哉の『センコロール』は、そうしたアニメ史を語る上で外せない作品でもある。そのため、作品公開としては10年ぶりとなる再始動には注目が集まっている。

そもそも未視聴という方は、本日のテレビ放送と共に、再始動の幕開けを目撃してほしい。

アニメーションの夜明け

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作品情報

センコロール

監督・脚本・作画 宇木敦哉(うき あつや)
音楽 ryo(supercell)
主題歌 supercell「LOVE & ROLL」
出演 花澤香菜、下野紘、森谷里美、木村良平

【Story】
平凡な街のビルのてっぺんに突如出現した巨大モンスター。 自衛隊が出動し、 町中が騒然とする中、 少女<ユキ>は同じ学校に通う少年<テツ>の秘密を偶然知ってしまう。 彼はそのモンスターと良く似た奇妙な生物<センコ>をペットのように飼っていたのだ。
持ち前の度胸と好奇心で、 テツとセンコの関係に興味を抱くユキ。 そこへ巨大モンスターを操る謎の少年が現れ、 いきなり戦いが勃発する。 彼らは、 何のために戦うのか?彼らの正体は?そして戦いに巻き込まれるユキの運命は?

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この記事へのコメント(1)

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匿名のユーザー

匿名のユーザー

『センコロール2』ってまだ生きてたの・・・・!

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