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いただきます、インターネット Vol.2 アイドルの「握手会」に1年通ってわかったこと
こんにちは。「インターネットもぐもぐ」というブログを書いている、もぐもぐと申します。AKBにジャニーズに宝塚にテニミュに……なんだかショービズとインターネットが大好きです。世界楽しい!

前回のお芝居やコンサートの「レポ」文化の比較に続き、今回はもう少し「アイドル」、もっというとAKBに寄せた話をしたいと思います。
連載:いただきます、インターネット
Vol.1 「レポ」がつくるファンとステージの距離

で、握手会って何が楽しいの?

ラブラドール・レトリバー

AKB48 36thシングル『ラブラドール・レトリバー』Type-A

さて、今年も総選挙が終わりました。AKB48選抜総選挙。毎年1度の(狂気じみた)お祭りです。渡辺麻友さん、1位おめでとうございます。麻友さんはいつだって今が一番きれいで、まっすぐ前を見てて、本当に素敵だ。かっこいい。

今回のテーマは「握手会」。

「AKBといえば?」を街頭で聞いたら、結構な確率でこの言葉が返ってくるんじゃないでしょうか。「AKB商法」という言葉とともに揶揄されることも多いですよね。なんとなくみなさんの頭の中にどんなイベントなのかイメージがあると思います、同時に「あれ、結局何なの?」って感覚も、きっと。

もちろん、アイドルあるいはAKBを好きな人が必ずしも握手会を最重要として考えているわけではありません。というか、何を隠そう自分もずっとそうだった。AKBのファンになってから3年近く、握手会には1度も行かずに日々を過ごしていたし、それで満足だったわけです。

理由は簡単で、何が楽しいのかさっぱりわからなかったのでした。CD1枚で10秒話せるって言われても……。いやいやそんな話したいことないし! っていうかテレビで見てるだけで満足だし! 会いたいとかじゃなくてアイドルとして愛でたいだけだし! ステージの上でキラキラしてくれてたら満足だし!

……なんて、まだまだいくらでも続けられる。その一瞬にどんな意味があるのか、何ができるのか、想像がつきませんでした。

でも、その外から見たらサッパリわからない行為をたくさんの人が楽しんでるのも事実。女の子だって小さい子だってたくさんいるし、必ずしも短絡的な「疑似恋愛」でもないと思う。うーん、そう思うと知りたくなってきた。近そうに見えてブラックボックスだ。やってみなきゃ何も言えないな……。

そんな興味が、わたしが握手会に通い始めたきっかけでした。とにかく訳がわからないけど、1年限定でいろいろ行ってみよう。あたふたしたままやってみよう。

結局、AKB系列を中心に、CDショップでのリリースイベント、ライブが終わったあとの物販で、1年ちょっとで30回くらい、いろんなアイドルと“握手してみた”でしょうか。

結論から言うと、想像よりずっと楽しかった。幸せになれた。好きなあの子のことをもっと好きになった。

「握手会、何してるの、何が楽しいの?」

昔のわたしが抱いてた疑問を、今も聞かれてもいつもうまく答えられない問いを、1年間の成果を踏まえて、今から振り返ってみたいと思います。

「そうか、わたしこの子のこと好きなんだな……」

初めて握手した時は、とにかく会場に向かうまでのあいだですでに緊張しまくってました。並んでる時も周りの人がみんな慣れてる人に見える。1人だけ挙動不審なんじゃないかって思えてくる。刻一刻と近づいてくるのにびくびく。

1人ずつ仕切られたレーンに並んで、ブースの前でうつむいて待ちます。どうしようどうしよう。もう次だ。前の人が去って、係のお姉さんから「どうぞ」と合図が出る。1歩、2歩、3歩。顔をあげると目の前に彼女がいる。全然言葉が出てこない。わー、ホンモノだ。

黙ってるわけにもいかないので「……初めて来ましたえっと大好きですがんばってください」って早口でなんとか言う。にこっと笑って「ありがとう」って手を握ってくれる。他にも言いたいことあったんだけどすべてぶっ飛んでしまう。

フリーズ! もうだめだ!! 時間は余ってるけどしどろもどろになりながら飛び出す。心臓がバクバクしてる。

……なにこれ楽しくないじゃん! 緊張の方がすごいじゃん!!

とりあえず生メンバーが生きて存在しているということを確認できて、ひとしきり感動して泣いて、(コンサートは本当にキラキラしすぎてて夢みたいで、夢なんじゃないかって思ってしまうから実感がなかった)、毎日生きる力を与えてくれているメンバーに感謝を伝えられたことが、何よりよかったなと思い、隣に並んでいたりほりほヲタの女の子と「可愛かったですねえ!可愛かったですねえ!本当に可愛かったですねえ!!!」と言いあいながら駅に向かい、帰宅した。 大森靖子さんの5月26日のブログより(http://blog.livedoor.jp/omorimorimori/archives/52153603.html

本当に好きな子が現実に居て、手が温かくて、私の好きな声で「ありがとうございます」だけでも自分に言葉を投げかけてくれるっていうことが夢なんじゃないかと思った。 赤穂さんの5月26日のブログより(http://xacoux.hateblo.jp/entry/20140526/1401084631

最初の握手会はもう頭が真っ白でした。でもとにかく、好きな子に目の前で会えるのは、目を見て大好きですって言えるのは、ものすごく幸せで夢みたいだった。何度繰り返したって同じように思います、すごいことですね。

ああ生身の人間なんだなぁ、1人の女の子なんだ、現実にちゃんといるんだ、って当たり前の感想を抱きました。どんどんかわいくなってく姿、少し化粧や服が違うと別人のように見えるの、それ全部彼女のリアルなんだ……。

映像や画像見ながら、「めっちゃかわいい!」「えーこれはかわいくない!」って言葉を投げるのと全然違う。そんな一瞬の点の話じゃなくて、「アイドルやっててくれてありがとう!!」って気持ちで、もっと大きなレベルで幸せになります。

どんなにテレビで長くアップで映っているより、今目の前にいるその情報量の方が全然多い。これは実際に会ってみて初めて分かりました。分かったぞ、「好きです!」って伝えに行くというより、「好きだな~!」って気持ちを改めて確信しに行くものなんですね。

10秒の公演

“握手会は10秒の公演”──そんな言葉を残したのは泣く子もだまる24時間アイドル・柏木由紀さんですが、あながち言い過ぎでもないなぁと思います。10秒って、案外起承転結が付けられる。

AKBの握手会はCDを購入すれば誰でも入れる「全国握手会」と、事前に会いたいメンバーを決めて予約する「個別握手会」があります。

全国握手会はファンイベント的な意味合いが強くて、ミニライブや企画があるものの、その日に来るメンバーに必ずしも自分の推しメンがいるとは限らないですし、握手自体も流れ作業に近くて一言二言声をかけるのが精一杯です。

「個別」の方は握手する時間(というより、話す時間ですね)が約10秒間与えられるので、AKBファンが「握手会」というと多くはこちらのことを指します。かなりシステマチック。

10秒、と簡単に言いますけど、意識して計ってみると結構長いです。あいさつ程度じゃ終わらない。会話で言えば、数往復はできるくらいの尺ってことになります。準備すれば困らないけど、ノープランで行くと若干気まずくなる感じ。

最初はただただあたふたしてて絶句するしかなかったわたしも、だんだん慣れてきて余裕が出てくると楽しみ方が分かってきました。だってせっかくなら好きな女の子に笑ってもらいたいじゃん? 楽しそうにしてもらいたいじゃん? ここでしか聞けない話聞きたいじゃん!!

……というわけで、ふつうに想像できる「好きな子に愛を伝える」以外の遊び方を、わたしの例で書きたいと思います。きっと人によっていろんなやり方があると思う。

とにかく握手会を貫く意義は「雑誌でもテレビでも聞けないことが聞ける」こと。自分1人だけへのチャンネル。

【次のページ】もぐもぐ式・握手会の楽しみ方
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