2013年5月15日から26日まで開催されていたカンヌ国際映画祭に、私がプロデュースを担当した映画が出品されるということになり、先日、初めて会場に足を運んできました! あまりない貴重な機会ということもあり、今回実際に出品した私の目線から、今年のカンヌでは何が起こっていたのかをレポートしてみたいと思います。
そもそも私が仕事として映画に関わるきっかけになったのは、大学時代に映画の宣伝配給をお手伝いするようになったことでした。様々な映画制作者の方と会ううちに、「ああ、もっとこの人たちの頭の中を具体的な形にしたい! 形にできるような環境を作りたい!」と思うようになったのです。そこで大学卒業後に自分でQULTという会社を立ち上げ、プロデューサーという立場から映画制作に関わったり、映画の配給を行うことを始めました。
法人化前から映画プロデューサーとして仕事をしていたことから、様々な方とのご縁があり、QULT創業1年目の今年、経済産業省と公共財団法人ユニジャパンのプロジェクトで短編映画を制作する機会をいただきました。それが、PFFアワード’09において『一秒の温度』でグランプリを獲得した井上真行監督が手がけられ、バンド・黒猫チェルシーでヴォーカルを務めながら、俳優としても活躍されている渡辺大知さん主演の「夢を見た」という作品です。
この作品は、昨年末に井上真行監督と一緒に撮ったもので、私にとってはプロデューサーとして関わる2つめの作品です。主人公の青年の自分自身の苦悩のようなものに共感し、「これは映像化したい!」と思ったのが井上監督と一緒にやることになったきっかけでした。
「夢をみた」の前には、池田千尋監督作品「重なり連なる」にプロデューサーとして参加しました。宅録ミュージシャンのまつきあゆむさんにも出演してもらいました。
しかし海外映画祭に参加するのは初めてで、果たしてどうなることやら……と不安を感じながらギリギリまで準備をしていました。
カンヌ国際映画祭 公式サイトより
今年の審査委員長は、『ジョーズ』や『E.T』などを監督されたスティーブン・スピルバーグさん。また日本からは『萌の朱雀』や『殯の森』を監督された河瀬直美さんが審査委員として来られていました。
さて私はといえば、14日の朝10:35に羽田を出発し、14日の19:00カンヌに到着しました。カンヌの地に降り立つと、すでに空港にはどことなく文化的な空気の漂う映画関係者らしき人が溢れていました。
今回、アンティーブという、カンヌとニースの間に位置する街に泊まっていたので、先に宿までタクシーで向かいます。ちなみに、フランスのタクシーはほとんどがベンツやBMWなどの高級車です。運転手もYシャツにジーンズなどかなりラフでワイルドな方が多く、「さすがフランス! 伊達男!」と感激。日本のタクシーもこんな風にワイルドになるといいのになあ、などと妄想してる間にホテルに到着。移動疲れもあって、すぐに眠ってしまいました。
さて15日初日、映画祭がいよいよ開幕。まず会場に着くとレッドカーペットの準備をしているところに遭遇。
そしてバッジを受け取り完了。事前に登録していた顔写真入りのバッジが発行されます。ああ、これがカンヌバッジか……と感懐深く、始終興奮しっぱなし。
オープニングセレモニーに関わらず、会期中は様々なパーティが行われ連日夜は盛り上がっていました!
初日はこんな感じであっという間に過ぎていきました。次回以降は、カンヌ国際映画祭の内容に踏み込んだレポートをお送りします!
山中羽衣 // UI YAMANAKA
合同会社QULT 代表
1987年生まれ。大学在学中に映画監督の岩井俊二氏のもとで手伝うようになった事が映画との最初の関わり。2011年3月早稲田大学卒業。同じ年の夏、音楽家まつきあゆむ出演、池田千尋監督の短編映画「重なり連なる」を初プロデュ―ス。井上真行監督「夢を見た」が最新作。形にする人と共に作っていきたい、という想いから2012年5月、合同会社QULT設立。絶賛、英語勉強中。
