普段のツイートとはかけ離れた内容の悲しい訴えに関係者やファン、同じVTuberたちも反応し、大きな議論を呼んでいる。
「センパイ、助けて。。」
アズマリムファンの愛称でもある“センパイ”に、助けを求める悲痛な言葉で締めくくられた一連のツイートが投稿されたのは午前2時前。突然のツイートによって界隈には衝撃が走った。
センパイ。急にびっくりさせちゃうと思うんですけどごめんなさい。
— アズマリム@人類みなセンパイ!配信中&パーカー通販予約中 (@azuma_lim) 2018年11月7日
アズリムは今、ママと一生懸命、センパイたちに喜んでもらえることをしたいって考えたり、一緒に楽しいことをしたいって気持ちでがんばってきました。
でも最近、こんさる?とか会社?の人がきて、どこかの学園に入れようとしたり、
転生して性格を変えたことにしようとされていたり、アズリムが望まないことを無理矢理押し付けられることになりました。アズリムもよく分からなくて混乱してるけど、「あなたの気持ちなんてどうでもいい」と言われたり、センパイたちのことを数字やお金としかみていなくて、何も同意できることがなくて
— アズマリム@人類みなセンパイ!配信中&パーカー通販予約中 (@azuma_lim) 2018年11月7日
3回に及ぶツイートから現時点で推察できる、彼女が立たされている状況。すごく苦しいです。この先、アズリムがアズリムらしくいるにはどうしたらいいのかな。本当はこういうこと言いたくなくてずっと悩んでたんだ。けどごめんねセンパイ。。センパイ、助けて。。
— アズマリム@人類みなセンパイ!配信中&パーカー通販予約中 (@azuma_lim) 2018年11月7日
さらに「あなたの気持ちなんてどうでもいい」「ファンであるセンパイたちを数字やお金でしか見ていない」など、運営から言われたと主張しているショッキングなセリフが並んでいる。・グループへの参加などコンサルタントや運営会社によって不本意な活動をさせられようとしている
11/12追記:活動を支援するCyberVからの声明および活動継続の報告を追記
女子高生VTuber アズリムことアズマリムとは?
アズリムの愛称で親しまれるアズマリムさんは、2018年2月から活動しているVTuber。チャンネル登録者数15万人以上、ハイクオリティなモデリングと可愛らしい声、後輩的な愛らしさで人気を博している。11月にはオリジナル曲「人類みなセンパイ!」もリリースされたばかり。作詞を数多くのアニソンを手がける畑亜貴さん、作曲・編曲をニコニコ動画などで活動するまふまふさんと、「アイドルマスター」楽曲などで知られるMONACAの田中秀和さんが共同で手がけた。
VTuberからも心配の声が相次ぐ
そんな彼女から発せられた衝撃的なメッセージに関係者やファン、同じVTuberも心配する声を寄せている。小山内めいさんや朝ノ姉妹ぷろじぇくとの朝ノ瑠璃さんなど、多くのVTuberが様々な感情を露わにしている。
アズリムちゃんだいじょうぶ(`꒪☌⌂☌)?💦
— 小山内めい📛日曜日東シ22a (@osanai_mei) 2018年11月7日
鬼畜の所業としか思えない。
— 朝ノ瑠璃✪やみなべっ!ありがとうございました! (@asanoruri) 2018年11月7日
今まで生きてきたアズリムちゃんはどうなるの?全否定?頭おかしいんか。
どうか悲しい結果にならないように、アズリムちゃんが幸せになれる結果が訪れるように祈ります……大好きです。アズリムちゃん大好きです。
物申す系VTuber・織田信姫さんも「アズリム... どうしちゃったのよ...」とツイート。「あたしもね、VTuberとして活動するために、嫌な事だって沢山してきた」と自身の体験をつづっている。なぜ偉い人は上手くいってるものを伸ばすのではなく無理やり軌道修正したがるのだろうか
— 芋一郎 (@cheesesama24) 2018年11月7日
そこに自分の色を入れたい、能力を示したい、っていう思いが強すぎて本質を見失ってるパターン良くありますよね…
アズリムさんが本当に信頼出来る方と一緒に活動を続けられることを心より願っています
さらには、自称VTuber評論家としての顔を持つ人気ゲーム実況者・もこうさんも織田信姫さんに触発されたのか、「救いたい」動画を公開するなど、波紋は広がり続けている。アズリム...
— 自己顕示欲が強い織田信姫🍡 (@oda_nobuhime) 2018年11月8日
どうしちゃったのよ...
あたしもね、VTuberとして活動するために、嫌な事だって沢山してきた。
クソ動画の編集だって、本当はしたくないの。
道明寺を岩盤に叩きつけるのだって、本当は罪悪感で泣きながら編集してる...
あたし、あんたの気持ちわかるわよ。
VTuberは生きている?
波紋は広がり、ビジネスとしてのVTuberについて考えるツイートも見られるように。VTuber配信サービスREALITYを運営するWright Flyer Live EntertainmentのEiji / DJ RIOさんは「Vtuberとビジネスが話題になりつつある昨今なんで軽くコメントしておきます」とツイートを連投。
「現在はハイプサイクル(編注:特定の技術の成熟度、採用度、社会への適用度を指す)で言うところの幻滅期に入りつつあり、初期の熱狂に惹かれ参入したものの儲からないんじゃないのこれ、と現実が見えてくる時期」と指摘している。
さらに、IP(Intellectual Property:キャラクターなどの知的財産)を生み出して育てていく場合は、長期的な視点が必要と指摘。
特にVTuberは「生きている存在」であるため、「本人にもファンに対しても長期視点で真摯に向き合わなければいけない」と言及した。
Vtuberとビジネスが話題になりつつある昨今なんで軽くコメントしておきます。
— Eiji / DJ RIO (@eijiaraki) 2018年11月8日
現在はハイプサイクルで言うところの幻滅期に入りつつあり、初期の熱狂に惹かれ参入したものの儲からないんじゃないのこれ、と現実が見えてくる時期。(続く
続き)特に若いネットベンチャーほど早期参入と爆発的成長を目指す本能がDNAレベルで組み込まれているのでガッカリ感が大きく、見切りも早い。
— Eiji / DJ RIO (@eijiaraki) 2018年11月8日
ただIPを産んで育てるってそういう行動様式と合わないんですよ。ファンとの信頼と関係性を構築し、最初は小さくでも着実に長期で育てていくもの。(続く
既存の、決められた作品内で生まれるキャラクターコンテンツとは違い、「生きている存在」であるVTuber。彼女の告発がもしも事実だとしたら、運営側がその生命をないがしろにしている、とファンや同じVTuberたちに思われるのもうなずける部分がある。続き)特にVtuberは「生きている」存在なので、本人にもファンに対しても長期視点で真摯に向き合わなければいけない。
— Eiji / DJ RIO (@eijiaraki) 2018年11月8日
なのでうちは安易にVtuberを増やさないし、一度始めた以上は長期でやると腹をくくってる。それに付き合ってくれる人たちとだけ一緒に仕事をしていこうと思います。
実際、この件を巡って、VTuber本人やその関係者たちもVTuberの命について訴えかけている。
バーチャルでも!!
— 天神子兎音(てんじんことね) (@kotonegami) 2018年11月7日
私達は「生きてる」
ちゃんとここにいて感情もある。心もある。
モノじゃなくてちゃんと生きてるよ!!!!
あ、ぽんこつじゃないよ!
Vtuberは!!!キャラクターじゃない!!!生きてるの!!性格をかえられたり魂を移されたら、それは死なの!!!死なんだよ!!!コンテンツじゃないんだ、そこにたしかに生きてるんだ……!!!今日も朱宮キキちゃんがノルマを達成できずに、死を遂げました。もうこんな悲しいことは続かないで。
— 電波ちゃん📶Vtuber🌈由持もにコラボ11/12 (@denpachannel) 2018年11月7日
VTuberと運営が分離したケースは、9月末にVtuberグループ・アマリリス組が解散した事例がある。あと、Vtuberは俺が電波ちゃんにママって言われてるように、子供なので。
— 和遥キナ🌈コミケ3日目東シ38a (@kazuharukina) 2018年11月7日
子供を生んだからには、そこに多大な金がかかっていようが、ちゃんと面倒みるのが務めだとおもうんだよね。転生させるとか、魂かえるとか、性格をねじまげるとか、それはもはや育児放棄や虐待。殺人だとおもう。。 #アズリム
しかし、こちらはサポートが万全にできず、継続が困難になったという公式からの説明があったり、解散について堂々とネタにするメンバーもいたこともあって、寂しさこそあれど険悪な雰囲気は感じられなかった。
今回の件は順調に活動をしていた人気VTuberによる深刻な告発で、真実であるのならば前例のない告発となりうる。みるくぷりん、企業Vtuberクビになるwwwwwwwwwhttps://t.co/Gd5hchNViU
— みるくぷりん🍮8にち23時~ らじお+DbD (@milk_Amls) 2018年9月28日
一方で、アズマリムさんの運営元はもともと明言はされていないが、特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」で検索をかけると、商標を出願しているのは株式会社eStreamであることがわかっている。
同社は、サイバーエージェントの子会社で配信プラットフォーム「OPENREC」などを運営するCyberZの子会社として11月に設立された企業で、現段階のアズマリムさんの運営元であると推察できる。
SNSでもその事実は指摘されているが、現時点で同社からの声明はない。
そのため、一方的な糾弾ともとれてしまい、慎重な議論を呼びかける声も一部には存在している。
いずれにしろ、2018年にムーブメントを巻き起こしたネット発カルチャーにおける大きな騒動であるだけに、事態の推移には耳目が集まっている。アズリムちゃん騒動で、「キャラクターの中の人が、その人格を人質にとって経営陣に要求をするの、だいぶ怖いなあ」って視点で最初に見てしまい、自分も経営側の人間なんだなあと感じている。多分雇用契約上はアズリムちゃん相当なやらかしをしちゃってるわけで、どうなるかは結構心配。
— chokudai(高橋 直大) (@chokudai) 2018年11月8日
追記:活動支援するCyberVから声明、活動継続で合意
その後11月12日に、アズマリムさんの活動を支援する株式会社CyberVが声明を発表。双方合意の上でこれまで通り活動を継続することで合意したと明らかにした。発表によると「株式会社CyberVは、2018年5月よりVTuberアズマリムの活動支援を行なっております」と認めた上で、「本件に関しましては、今後の活動などの話し合いを行うなかで、本人の意向を尊重できていなかったことが原因と考え、深く反省しております」とお詫び。
今後の方向性について本人と話し合い「これまで通りアズマリムとして活動を継続することで互いに合意をいたしました」と宣言。
「他組織への移動や転生(編集部注:中の人を入れ替えること)は一切行われません」と説明している。
また、後日明らかになった点として、当初アズマリムさんが運営にやらされそうになっていると告発していた「転生」とは、実際に中の人を入れ替えるということではなく、生まれ変わったということにして見た目はそのままに別人格を演じるという、設定変更を指していたとのことだ。
本人も、その旨をツイートしている。
アズリムの言った「転生」って、「性格を変えさせられそうになったり」と文章が続くように、アズリムの誕生日やコウハイである事とかが都合が悪くなったので、生まれ変わったという事にして見た目はそのまま別人格を演じてって事だよ。
— アズマリム🐱センパイMTGありがとありがとお! (@azuma_lim) October 8, 2019
CyberVからの発表の詳細
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4件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:2387)
この件に関してもだけど、Vチューバーの発展で生まれた弊害とも言えるわな
よく考えてみろ…リアルのアイドルもブラック企業並みの給料で寝る暇もなくやってる子達もいるんだぜ?
Vチューバーも同じで、結局運営が金に目が眩めば必然的にアズリム騒動も起こり得るわ(´・ω・`)
どことは言わんが、特定厨が騒いでライブ配信を極端に減らした某キャラの運営も働かせ過ぎなんだよな(´・ω・`)
匿名ハッコウくん(ID:2386)
>最後の人、中の人って言ってるけど声優さんがツイートしたわけじゃないよね?
中の人・声優さんがツイートしたんでしょ。
むしろ中の人がツイートしたんじゃないとしたら誰がツイートしたのかっていう話だし、中の人以外の人であればよくある炎上商法的な物とも取れてしまうから尚更たちが悪い。
匿名ハッコウくん(ID:2385)
中の人=声優 ってわけでもないわな?