日本公認会計士協会が竹達彩奈主演のアニメなんかつくるわけがない!

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日本公認会計士協会が竹達彩奈主演のアニメなんかつくるわけがない!
日本公認会計士協会が竹達彩奈主演のアニメなんかつくるわけがない!
日本公認会計士協会が制作した、職業紹介アニメ「転校生は公認会計士!」。「けいおん!」など数多くのヒット作に出演してきた、あの竹達彩奈さんが主演ということで、ネット上で話題を集めていました。

調べてみると、無料でDVDを貸出している他、アニメのストーリーをマンガ風に描き下ろしたアニメブックまで無料でいただけるということで、早速取り寄せ、視聴してみました!

趣味=会計の転校生!?

竹達彩奈さん演じる転校生の遠藤マイちゃんは、趣味が会計というちょっと変わった女子高生。高校生とは思えないほど会計の知識を持ち、クラスメイトに会計を教える。すると、それをきっかけにみんなが将来を考え始めて……というストーリーの学園アニメ。「中・高生を対象に、公認会計士の社会的役割や監査の仕事の重要性を伝え、魅力ある職業であることを紹介するために制作」されたそうで、会計の知識がない私でも、わかりやすく学ぶことができました。

「遠藤マイです。将来は、公認会計士になりたいと思っています!」

クラスメイトに会計を教えるマイちゃん。

※画像は、公式配信されているダイジェスト映像のキャプチャです。

どうやら、ただの職業アニメではないようだ……

本編が終わった後には、マイちゃん直々に重要ポイントのおさらいをしてくれるなど、とても親切なつくりになっています。「ふむふむ。勉強になるな~」と思いながら、迎えたエンディング。クレジットを見た私は、驚きました。

出演者に『ソードアート・オンライン』で主人公のキリトを演じた松岡禎丞さんがいた他、『妖狐×僕SS』の監督や『ジョジョの奇妙な冒険』のディレクターの津田尚克さんが監督を務めていたのです!

スタッフにもかなり気合を入れて制作されていることがわかりますが、普通の職業紹介アニメであれば、ここまで力をいれないのではないでしょうか? このキャスティングは一体どうやって実現されたのでしょう……。

アニメだけじゃない! 日本公認会計士協会の広報活動

医者・弁護士と並ぶ〝三大国家資格〟のうちの一つということもあり、「公認会計士」に対して何となく固いイメージを持っている方も多いのではないでしょうか? また、医者と弁護士が題材となっている映画やドラマなどはよく見かけますが、公認会計士のものはあまり覚えがありません。一般に他の国家資格よりも印象が薄いように感じるのも、その影響があるのかもしれません。

今回アニメという形でそのイメージを壊してくれた公認会計士ですが、調べてみると、他にもおもしろい宣伝活動をされていました。

それがこの「公認会計士 市松雄大」というゲームアプリです。

ゲーム画面のスクリーンショット

公認会計士になって3年目の主人公・市松雄大が、企業の嘘や不正を暴き、真実を見い出していく、というストーリー仕立ての「公認会計士アドベンチャー」アプリ。イメージとしては「逆転裁判」が近いです。

全く会計の勉強をしたことがなくても、何となくゲームを進めるだけで、公認会計士になった気分を味わえるゲームでした。ぜひ、お試し下さい!

女子大生会計士の事件簿

つい先ほど〝公認会計士が題材となったフィクション作品は少ない〟と書きましたが、人気がある作品ももちろんあります。ここでは、山田真哉さんの「女子大生会計士の事件簿」シリーズをご紹介します。

左:「女子大生会計士の事件簿 DX.1 ベンチャーの王子様」表紙|右:TVドラマ「女子大生会計士の事件簿」DVD-BOX

この「女子大生会計士の事件簿」シリーズは、女子大生会計士・萌実と新米会計士補・柿本が監査の先々で奇妙な事件に出くわし、謎を解決していくという超実用的ビジネス・ミステリ小説。2002年に最初の単行本を発売し、瞬く間に話題沸騰。後に文庫化、コミカライズ、ドラマ化などのメディアミックス展開などがされた人気シリーズです。

著者の山田真哉さんは本物の公認会計士。どこかで名前を聞いたことがある方もいるかと思いますが、ミリオンセラーを記録した『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者でもあります。さらに、アニメ雑誌の『Newtype』や、TVアニメ「コードギアス」の公式ファンサイト「ギアス★net」でコラムを連載していたこともある、なかなかコアなアニメファンの一面もお持ちです。なお、現在は俳優・歌手・タレント・文化人・作家の方々に向けた会計知識の普及・支援を行う「芸能文化会計財団」の理事長を務め、会計でエンターテイメント業界を支えています。

さいごに

私ははじめ、会計のかの字も知りませんでした。『転校生は公認会計士!』を観て、会計の仕事はこういうことだ、というレベルには理解できるようになったかと思います。
公認会計士の仕事は、主に監査業務・コンサルティング業務・税務業務の3つに分けられている。中でも監査については、公認会計士のみに与えられた独占業務であり、企業の成績書とも言える決算書が正しく記載されているかどうかを、第3者の立場からチェックする業務である。
簡単にまとめると、こんな具合です。公認会計士は、企業を見守り、共に育てるパートナーだと言えます。実に幅広い業務をこなす、無くてはならない存在です。しかし、公認会計士の受験者数は年々減少しているそう。また、公認会計士の試験に合格しても、実際に就職先が見つかる割合も減っているとか。

もっと公認会計士の知名度や会計についての認識が高まり、業界が活性化することを願うばかりです。みなさんもぜひ、今回ご紹介した作品のどれか1つでもご覧になってみて下さい。会計のイメージが変わりますよ!

文:たかはしさとみ
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