近年、開発の進展からにわかに注目を集めるようになった人工知能(AI)分野。囲碁AIの「AlphaGo」がプロ棋士を破り、「AIが人間の仕事を奪う」などと話題を振りまく一方、この10月にはAIスピーカー「Google Home」が発売されるなど、着実に実用化が進んでいる。
そんな中、10月23日に「ソニー・ミュージックエンタテインメント presents AI MEETUP 『AI×キャラクター・ビジネスの展望』が開催された。
著書『なぜ人工知能は人と会話ができるのか』(マイナビ新書)で知られるAI開発者・三宅陽一郎氏を招き、AIの活用によってキャラクタービジネスが今後どのように展開されていくのかが、活発な議論が行われた。
ユーザーはAIに何を求めるのか? そして、なぜ日本はAIビジネスが普及する可能性を秘めているのか? 議論のための仮説やデータを示された2部構成のイベントの様子をお伝えする。
この『PROJECT Samantha』は、イラストレーター・mebae氏によるキャラクター・素子に話しかけるとひたすら罵倒される(たまにデレる)サービス『罵倒少女:素子』や、アニメ映画『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』にて、AI化された主人公の司波達也と司波深雪と会話ができるプロモーション企画などで実績を積み重ねている。 「第1回アニものづくりアワード」にてオリジナルコンテンツ部門の金賞を受賞した『罵倒少女:素子』などで得た知見が、イベントでは惜しみなく披露された。
この背景にあるのは、西欧的知能観と東洋的知能観の違いだと指摘する。神の似姿としての人間と、その模倣である人工知能…というような西欧の考え方に対し、「八百万の神」といった言葉で表されるように、日本ではさまざまなものに神(知能)が宿るという考えが根付いている。
三宅氏いわく、「バレンタインになると、ゲーム会社にキャラクター宛でチョコレートがたくさん送られてくる」ように、特に日本ではゲームやアニメのキャラクターに強い実在感や愛着を持っているというのだ。
こうした傾向は、FPSといったファースト・パーソン・ビュー(一人称視点)が主流となっている洋ゲーと、RPGなどキャラクターの後ろからカメラがついていく三人称視点のゲームが目立つ日本のゲームでも見受けられる。これを三宅氏は「(日本人は)キャラクター越しに世界を見たい」と評する。
そもそもAIと会話をすることができれば、それはサービスのインターフェースとして機能する。わかりやすい例として、iPhoneの音声認識アシスタントの「Siri」や前出の「Google Home」などが挙げられるだろう。 これらの例を見るに、西洋では聖書にあるように「はじめに言葉ありき」として、言葉を話すことができればその存在を知能として認める文化があると言える。一方で、日本では言葉に加えて、キャラクターをつけることでその人格を立ち上げようとする発想があるという。実例としては、音声合成ソフトウェア「初音ミク」がわかりやすい。
こうしたキャラクター文化と人工知能技術(会話ができる)が重なり合う領域を「キャラクターエージェント指向」とし、三宅氏はこの価値観をユーザーが広く受け入れる土壌がある日本にビジネスの鉱脈があるとする。ここに、日本においてAIによってキャラクタービジネスが発展をとげる理由を見出すのだった。
登壇者は三宅氏、言語理解研究所およびIMAY代表の結束雅雪氏、ソニー・ミュージックエンタテインメントの井上敦史氏、ソニー・ミュージックコミュニケーションズの松平恒幸氏の計4名。
最初に、それぞれが手がけるプロジェクトの簡単なイントロダクションが行われる。
結束氏は『PROJECT Samantha』のほか、日本経済新聞社のAI記者や高精度日本語解析エンジン「なずき」などを開発。同社では、人工対話エンジン「K-laei(ケーレイ)」の開発も行っている。 井上氏は『PROJECT Samantha』開発・運営であり、前出の『罵倒少女:素子』や『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』プロモーション企画の仕掛け人だ。
松平氏は、人気アニメ『ソードアート・オンライン』のヒロインと話ができるアプリ『めざましマネージャー アスナ』の開発・運営を行っているほか、アプリ『一択彼女 加藤恵』、アバターエージェントサービス『ニュースマネージャー沢村碧』も手がけている。 登壇者の紹介が終わったところで、第1のトークテーマは「AIと人はどこまで対話できるのか?」。
一般的に想像されるAIとの会話では、ある単語や文章に対応してAIが返答をしてくれるものだが、こうした「固定対話」では言葉の裏側に潜む意図を汲み取るのは難しい。実際、AIに話しかけみても、自分の意図したことが伝わらず、言葉の一部分だけを拾われてチグハグな返答をされた経験のある人も多いだろう。なぜなら、「実際に使われる言葉は例外と矛盾だらけだから」と結束氏は言う。
AIとコミュニケーションをするには、言葉の裏にある文意を汲み取り、それに合った結果を返す「自由対話」を成立させなければならない。この高度な自然言語理解を可能にしたのが「K-laei」で、このエンジンは『PROJECT Samantha』にも採用されているという。
『罵倒少女:素子』のデモと共に、今後は『PROJECT Samantha』を使って自由対話が可能なAIキャラクターにしゃべってもらいたいと説明していた。
また、司会者より「AI化しやすいキャラクターは?」との問いが投げかけられると、井上氏は「罵倒したり、ずっと褒めてくれたりと、キャラクターが強ければAI化しやすい」と答える。特にキャラクターに決め台詞があるとやりやすいとのことで、『魔法科高校の劣等生』の司波深雪などは、「さすおに」というフレーズで定着した「さすがはお兄様です!」といった決め台詞があったため、AI化しやすかったそうだ。
さらにキャラクターをAI化する上での注意点では、「キャラクターがしゃべりそうにないことは言わない」といった点が挙げられた。運営・運用の仕組みに加え、なによりも「(開発・運営者は)キャラクターに対しての愛が必要だ」と井上氏は言う。
『罵倒少女:素子』についても、最初は原作者であるmebae氏に素子と話してもらい、齟齬がないことを確認したという。mebae氏もその出来に納得していたそうだ。
三宅氏は「自分からAIに話しかけるのが苦手な人でも、AIにキャラクターが載ることによって話しかけやすくなるのでは」という観点から、普段の会話からユーザーのプロファイル(内面)を抽出して出力するコンテンツを提案。将来的には、会話によってユーザーの嗜好を読み取り、動的にコンテンツを生成するAIの可能性にまで言及していた。 そして、トークディスカッションの最後は「キャラクターAIのビジネスが普及するために必要なこと」について、登壇者それぞれが語ってくれた。
「マンガをアニメ化する時にはアニメ化権があるが、現在はキャラクターのAI化権というものはない。今後、キャラクターをAI化していくとなった時に備えて、権利の話をしていかなくてはいけない」(井上氏)
「『AIで人間の仕事がなくなる』と言われているが、そんなことはない。AI記者によって、人間の記者はさらに複雑なコンテンツをつくる方にシフトできるようになった。重要なのは、人間にしかできないプロデュースやクリエイティブの能力です」(結束氏)
「SNSやネットで公開されている情報はAIの学習データとして使っていいのだけれど、個人情報をAIが出力してはいけないので、固有名詞を抜く作業を行っている。ただし、まったく固有名詞が出てこないとキャラクターの個性もなくなってしまう。こうしたAIの学習データはビジネスをしていく上でも重要になってくるので、今後整備が必要だと思います」(三宅氏)
「技術が進化する中で、キャラクターAIはあくまでもインターフェースです。そのため、どのように相槌を打つかなど、快適でクオリティの高いインターフェースをつくり上げていくには、長い道のりが必要だと思います。今後は自由対話と合成音声(の技術進歩)が重要になってくるでしょう」(松平氏)
「グループディスカッションの盛り上げ役をAIは担えるのか? あるいは、無駄な会議をピシャっと止めてくれたり(笑)」といった質問には、「(多人数の会話における運用は)実験レベルでやっています。盛り上げることもできますが、どういったキャラクターの人が発言するかによって変わってくる」(井上氏)。
ほかにも、「『亡くなった前社長のAIをつくってくれ』という話は本当に多いです(笑)。データ収集をしないといけないんですけど…」(結束氏)という驚きのエピソード混じりの回答が飛び出す場面も。
そのほか、「キャラクター付け」の方法論や、今回の議論における「キャラクター」という言葉の意味合いについてなど、AI×キャラクタービジネスを発展させていく上で、重要な視点に関する話が広く展開されていた。
今回紹介された事例からもわかるように、AI×キャラクタービジネスはその一歩を踏み出したばかり。会場に詰めかけた人々の熱量からも、これから発展していくであろうこの分野にかける大きな期待をうかうことができた。
果たして、AIによってどのようなキャラクターが立ち現われていくのか? はたまた、どのようなまだ見ぬビジネスの地平を切り開いていくのか? 今後の動向に注目だ。
そんな中、10月23日に「ソニー・ミュージックエンタテインメント presents AI MEETUP 『AI×キャラクター・ビジネスの展望』が開催された。
著書『なぜ人工知能は人と会話ができるのか』(マイナビ新書)で知られるAI開発者・三宅陽一郎氏を招き、AIの活用によってキャラクタービジネスが今後どのように展開されていくのかが、活発な議論が行われた。
ユーザーはAIに何を求めるのか? そして、なぜ日本はAIビジネスが普及する可能性を秘めているのか? 議論のための仮説やデータを示された2部構成のイベントの様子をお伝えする。
『罵倒少女:素子』や『魔法科高校の劣等生』AIを下敷きに
本イベントは、音楽やアニメを中心にエンタテインメントビジネスを展開するソニー・ミュージックエンタテインメントが、Intelligent Machines Amaze You株式会社(以下IMAY)との共同事業として、対話型AIサービス『PROJECT Samantha』を展開していることに端を発している。この『PROJECT Samantha』は、イラストレーター・mebae氏によるキャラクター・素子に話しかけるとひたすら罵倒される(たまにデレる)サービス『罵倒少女:素子』や、アニメ映画『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』にて、AI化された主人公の司波達也と司波深雪と会話ができるプロモーション企画などで実績を積み重ねている。 「第1回アニものづくりアワード」にてオリジナルコンテンツ部門の金賞を受賞した『罵倒少女:素子』などで得た知見が、イベントでは惜しみなく披露された。
「日本人はキャラクター越しに世界を見たい」と三宅氏
第1部は、AI開発者として活躍する三宅氏による講演で、テーマは著書と同じく「なぜ人工知能は人と会話ができるのか」。 ソシュールらの言語学の概念を用いながら、人工知能が会話をできるようになるために必要なことやその構造などを簡易的に説明しつつ、「AIとキャラクターは相性が良い」と掲げる三宅氏。特にAI×キャラクタービジネスという分野においては、キャラクター文化が社会に広く根付いている日本に一日の長があると語る。この背景にあるのは、西欧的知能観と東洋的知能観の違いだと指摘する。神の似姿としての人間と、その模倣である人工知能…というような西欧の考え方に対し、「八百万の神」といった言葉で表されるように、日本ではさまざまなものに神(知能)が宿るという考えが根付いている。
三宅氏いわく、「バレンタインになると、ゲーム会社にキャラクター宛でチョコレートがたくさん送られてくる」ように、特に日本ではゲームやアニメのキャラクターに強い実在感や愛着を持っているというのだ。
こうした傾向は、FPSといったファースト・パーソン・ビュー(一人称視点)が主流となっている洋ゲーと、RPGなどキャラクターの後ろからカメラがついていく三人称視点のゲームが目立つ日本のゲームでも見受けられる。これを三宅氏は「(日本人は)キャラクター越しに世界を見たい」と評する。
そもそもAIと会話をすることができれば、それはサービスのインターフェースとして機能する。わかりやすい例として、iPhoneの音声認識アシスタントの「Siri」や前出の「Google Home」などが挙げられるだろう。 これらの例を見るに、西洋では聖書にあるように「はじめに言葉ありき」として、言葉を話すことができればその存在を知能として認める文化があると言える。一方で、日本では言葉に加えて、キャラクターをつけることでその人格を立ち上げようとする発想があるという。実例としては、音声合成ソフトウェア「初音ミク」がわかりやすい。
こうしたキャラクター文化と人工知能技術(会話ができる)が重なり合う領域を「キャラクターエージェント指向」とし、三宅氏はこの価値観をユーザーが広く受け入れる土壌がある日本にビジネスの鉱脈があるとする。ここに、日本においてAIによってキャラクタービジネスが発展をとげる理由を見出すのだった。
AIは、行間を読むことができる?
第2部では「キャラクターを愛でる行為は日本独自の文化 AI×キャラクタービジネスの可能性を探ります。」というコンセプトで、ディスカッションが行われた。登壇者は三宅氏、言語理解研究所およびIMAY代表の結束雅雪氏、ソニー・ミュージックエンタテインメントの井上敦史氏、ソニー・ミュージックコミュニケーションズの松平恒幸氏の計4名。
最初に、それぞれが手がけるプロジェクトの簡単なイントロダクションが行われる。
結束氏は『PROJECT Samantha』のほか、日本経済新聞社のAI記者や高精度日本語解析エンジン「なずき」などを開発。同社では、人工対話エンジン「K-laei(ケーレイ)」の開発も行っている。 井上氏は『PROJECT Samantha』開発・運営であり、前出の『罵倒少女:素子』や『劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女』プロモーション企画の仕掛け人だ。
松平氏は、人気アニメ『ソードアート・オンライン』のヒロインと話ができるアプリ『めざましマネージャー アスナ』の開発・運営を行っているほか、アプリ『一択彼女 加藤恵』、アバターエージェントサービス『ニュースマネージャー沢村碧』も手がけている。 登壇者の紹介が終わったところで、第1のトークテーマは「AIと人はどこまで対話できるのか?」。
一般的に想像されるAIとの会話では、ある単語や文章に対応してAIが返答をしてくれるものだが、こうした「固定対話」では言葉の裏側に潜む意図を汲み取るのは難しい。実際、AIに話しかけみても、自分の意図したことが伝わらず、言葉の一部分だけを拾われてチグハグな返答をされた経験のある人も多いだろう。なぜなら、「実際に使われる言葉は例外と矛盾だらけだから」と結束氏は言う。
AIとコミュニケーションをするには、言葉の裏にある文意を汲み取り、それに合った結果を返す「自由対話」を成立させなければならない。この高度な自然言語理解を可能にしたのが「K-laei」で、このエンジンは『PROJECT Samantha』にも採用されているという。
『罵倒少女:素子』のデモと共に、今後は『PROJECT Samantha』を使って自由対話が可能なAIキャラクターにしゃべってもらいたいと説明していた。
「人はAIに愛を囁く」驚きの結果
第2のトークテーマである「AIを使ったキャラクターコンテンツの事例」として、『罵倒少女:素子』や『めざましマネージャー アスナ』がより具体的に紹介された。 特に興味深かったのは、これらサービスを使ったユーザーの反応だったと井上氏は話す。『罵倒少女:素子』に入力されたワード上位10位には「愛している」「好きだよ」「可愛い」といった言葉が並ぶ。この結果に、『めざましマネージャー アスナ』を手がける松平氏も同調。ここから導かれる結論として、「人はAIに愛を囁く」のだという。 加えて、松平氏はソニーモバイルが販売する、対話型操作デバイス『Xperia Ear』のキャラクターコラボモデル「劇場版ソードアート・オンライン アスナ」の圧倒的な販売実績を元に、対話型インターフェースにおいても、今後はエージェントとしてキャラクターが求められると熱弁。これは、先の三宅氏の講演での内容、「人はキャラクターと話したいという願望を持っている」ことを証明する一例といえるだろう。また、司会者より「AI化しやすいキャラクターは?」との問いが投げかけられると、井上氏は「罵倒したり、ずっと褒めてくれたりと、キャラクターが強ければAI化しやすい」と答える。特にキャラクターに決め台詞があるとやりやすいとのことで、『魔法科高校の劣等生』の司波深雪などは、「さすおに」というフレーズで定着した「さすがはお兄様です!」といった決め台詞があったため、AI化しやすかったそうだ。
さらにキャラクターをAI化する上での注意点では、「キャラクターがしゃべりそうにないことは言わない」といった点が挙げられた。運営・運用の仕組みに加え、なによりも「(開発・運営者は)キャラクターに対しての愛が必要だ」と井上氏は言う。
『罵倒少女:素子』についても、最初は原作者であるmebae氏に素子と話してもらい、齟齬がないことを確認したという。mebae氏もその出来に納得していたそうだ。
キャラクターのAI化権についての取り決めや、法整備も
第3のトークテーマは「キャラクターAIを使ったビジネスの展望」。ここでは、2020年のオリンピックを見据えての「多言語で案内をしてくれるエージェント」(松平氏)や好きなキャラクターといつでも会話することができる「ファンクラブビジネス」(井上氏)、取材から執筆までを行う「取材・ライターAI」や高齢者向けの「若い頃の自分と話せるAI」(結束氏)といった案が飛び出した。三宅氏は「自分からAIに話しかけるのが苦手な人でも、AIにキャラクターが載ることによって話しかけやすくなるのでは」という観点から、普段の会話からユーザーのプロファイル(内面)を抽出して出力するコンテンツを提案。将来的には、会話によってユーザーの嗜好を読み取り、動的にコンテンツを生成するAIの可能性にまで言及していた。 そして、トークディスカッションの最後は「キャラクターAIのビジネスが普及するために必要なこと」について、登壇者それぞれが語ってくれた。
「マンガをアニメ化する時にはアニメ化権があるが、現在はキャラクターのAI化権というものはない。今後、キャラクターをAI化していくとなった時に備えて、権利の話をしていかなくてはいけない」(井上氏)
「『AIで人間の仕事がなくなる』と言われているが、そんなことはない。AI記者によって、人間の記者はさらに複雑なコンテンツをつくる方にシフトできるようになった。重要なのは、人間にしかできないプロデュースやクリエイティブの能力です」(結束氏)
「SNSやネットで公開されている情報はAIの学習データとして使っていいのだけれど、個人情報をAIが出力してはいけないので、固有名詞を抜く作業を行っている。ただし、まったく固有名詞が出てこないとキャラクターの個性もなくなってしまう。こうしたAIの学習データはビジネスをしていく上でも重要になってくるので、今後整備が必要だと思います」(三宅氏)
「技術が進化する中で、キャラクターAIはあくまでもインターフェースです。そのため、どのように相槌を打つかなど、快適でクオリティの高いインターフェースをつくり上げていくには、長い道のりが必要だと思います。今後は自由対話と合成音声(の技術進歩)が重要になってくるでしょう」(松平氏)
『亡くなった前社長のAIを』という驚きの依頼も…
こうして、第2部となるトークディスカッションは終了。最後には、会場との質疑応答も行われた。「グループディスカッションの盛り上げ役をAIは担えるのか? あるいは、無駄な会議をピシャっと止めてくれたり(笑)」といった質問には、「(多人数の会話における運用は)実験レベルでやっています。盛り上げることもできますが、どういったキャラクターの人が発言するかによって変わってくる」(井上氏)。
ほかにも、「『亡くなった前社長のAIをつくってくれ』という話は本当に多いです(笑)。データ収集をしないといけないんですけど…」(結束氏)という驚きのエピソード混じりの回答が飛び出す場面も。
そのほか、「キャラクター付け」の方法論や、今回の議論における「キャラクター」という言葉の意味合いについてなど、AI×キャラクタービジネスを発展させていく上で、重要な視点に関する話が広く展開されていた。
今回紹介された事例からもわかるように、AI×キャラクタービジネスはその一歩を踏み出したばかり。会場に詰めかけた人々の熱量からも、これから発展していくであろうこの分野にかける大きな期待をうかうことができた。
果たして、AIによってどのようなキャラクターが立ち現われていくのか? はたまた、どのようなまだ見ぬビジネスの地平を切り開いていくのか? 今後の動向に注目だ。
人工知能とキャラクターの可能性は無限💪💪💪
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