イラストレーター/アニメーターのmebaeさんと美術家のJNTHEDさんの二人による美術展「mebae&JNTHED Exhibition」 が1月21日(木)から31日(日)にかけて開催されています。場所は京都カイカイキキポップアップギャラリー。
「mebae&JNTHED Exhibition」は村上隆さん率いるカイカイキキが若手アーティストの発掘と育成を目的として企画している「GEISAI」の新プロジェクト「GEISAI∞infinity in Kyoto」の一環として開催される展示会です。mebae&JNTHED Exhibition : Live Drawing Sessions
今回、KAI-YOU編集部ではこの展示のレセプションパーティーに潜入。膨大な数の作品がところ狭しと展示される中、mebaeさん、JNTHEDさんも在廊し、デジタルライブドローイングが行われました。
対してJNTHEDさんはインターネット黎明期より「お絵描き掲示板」でその頭角を現し、後にゲーム会社でグラフィック/デザインを担当するものの退社。一からアナログでの作画を身につけ、カイカイキキから美術家としてデビュー。デジアナ画家を自称し、唯一無二の作品で多くのイラストレーターに影響を与え続けています。
しかしながら、都市開発による新風館の建て替え工事のため、カイカイキキポップアップギャラリーも施設ごと3月末に閉館となってしまうという。そんな中行われた今回の展示はどのような位置づけにあるのだろうか。mebaeさんとJNTHEDさんにライブペインティングの合間に聞いてみました。
JNTHED 今回の展示は、とにかく京都の人にカイカイキキの活動を知ってほしいという意味合いで。だからまあ、ぶっちゃけ宣伝ですね!
mebae 身も蓋もないことを言う(笑)。宣伝っていっても何のために宣伝するのかっていうのが大事だよ。京都の若い作家たちとアニメーションをつくりたいと思っているんですよ。いま、僕のキャラクターデザインと、JNTHEDさんのメカや世界観で「6HP」というアニメーション作品も動いているし、その雰囲気も見せることができるんじゃないかと。まだスタッフはいないんですが、今回のポップアップギャラリーのほかにも、京都にオフィス兼スタジオも構えるんですよ。 ──たしかに京都といえば、芸術系の学校も多いですし、ギャラリーも盛んな印象があります。アニメーター志望の人も一定数いそうですよね。
mebae そう。今回、JNTHEDさんと一緒の展示会になったのもあって、アニメをつくりたい人に届けばいいな、という思いがある。
JNTHED ここに展示してある僕の絵は3~4年前の絵で、カイカイキキの映像関係のお手伝いさせて頂く前に描いたものなんですけど、実際仕事で描いている絵は全然違います。JNTHEDの絵を見て「こーいうの描けばいいんだ!」って勘違いはしないように(笑)。設定画も紹介できればいいんですけど、どの設定を見せても「えーっそうなるの?!」っていうネタバレだらけで……見せられない。 JNTHED それにしても(自身のドローイングを指して)これ、何考えて描いてんのかさっぱり分かんないですねぇ。もう何年も経ったからすっかり他人事って感じだし。
mebae (笑)。JNTHEDさんはそう言うけど、今回展示している作品って、JNTHEDさんがレイプ目の時代に描いてた絵じゃないですかこれ(笑)。アーティスト修行の一環として「とにかくたくさん描け!」って言われて描きまくっていた時期のもので。心が死んでても、とにかく手を動かしてできた作品。だから心と絵の距離がすごく良い感じで出てる。
──だからJNTHEDさんの作品数が膨大になっているんですね。mebaeさんは最近はどういった活動をされていますか?
mebae 僕も基本的には絵だけを描いて生活していたい人間なんだけど、1クールとか2クールという長いアニメーション作品をつくりたいという野望がある。だから、そのためには全国各地を飛び回ってクリエイターを探したり、絵を描く以外のこともしないといけないですよね。Twitterで僕の絵を知っているアニメーターとおぼしき人にDMを送って原画やりませんか?って声をかけたりもしましたよ。良いクリエイターが集まってきてくれています。
「6HP」で、JNTHEDさんは社長(村上隆さん)とほぼマンツーマンでメカデザインを進めているんですけど、彼を納得させるメカのしずる感を出せるのはJNTHEDさんだけなんですよ。代わりがいない。
JNTHED そうですかねー。むしろ代わりがいないと困っちゃいます(笑)。そういう意味でも、興味ある人は是非展示に遊びに来てください。そんで、見たこともない作品を一緒に作りましょう!
観客に見守られる中、しっかりと作品を描ききる姿勢を生に観ることのできる貴重な場になっています。会期最終日の1月31日(日)もmebaeさんとJNTHEDさんの二人によるライブドローイングが行われますので、絶対に目に焼きつけてほしいです。 カイカイキキはこれまで麻布と中野のギャラリーを中心としつつ、埼玉県三芳市、それにニューヨークにもそのオフィスやスタジオを構えています。また、京都以外に中野にも「PONCOTAN KaikaiKiki Nakano Anime Studio」を新設したとのこと。
京都、中野ともにアニメーションに携わるスタッフを募集しているので、是非とも腕に自信にある人はチェックしてみてください。
今後、京都からはどのような作品や作家が生み出されていくか。その足がかりとなる熱量の一端を垣間見ることのことができる展示になっています。日本各地から世界に向けて作品をつくり続けるカイカイキキにさらに注目が集まります。
(C)JNTHED/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
(C)mebae/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
「mebae&JNTHED Exhibition」は村上隆さん率いるカイカイキキが若手アーティストの発掘と育成を目的として企画している「GEISAI」の新プロジェクト「GEISAI∞infinity in Kyoto」の一環として開催される展示会です。
【フォトレポート】mebae&JNTHED Exhibition
mebaeさんはカイカイキキが運営する札幌にあるアニメスタジオ・PONCOTAN(ポンコタン)の看板クリエイターとして活躍。伸びやかな線から描かれる女の子のイラストは有名で、現在制作中のTVアニメ作品『6HP Six Hearts Princess』では作画監督及びキャラクターデザインをつとめ、作品の根幹を担う人気作家です。対してJNTHEDさんはインターネット黎明期より「お絵描き掲示板」でその頭角を現し、後にゲーム会社でグラフィック/デザインを担当するものの退社。一からアナログでの作画を身につけ、カイカイキキから美術家としてデビュー。デジアナ画家を自称し、唯一無二の作品で多くのイラストレーターに影響を与え続けています。
mebae
JNTHED
会場の様子
京都に進出するカイカイキキ
今回のエキシビジョンが行われたのは、京都・烏丸御池にある有名な複合商業施設・新風館の中にある京都 カイカイキキポップアップギャラリー。しかしながら、都市開発による新風館の建て替え工事のため、カイカイキキポップアップギャラリーも施設ごと3月末に閉館となってしまうという。そんな中行われた今回の展示はどのような位置づけにあるのだろうか。mebaeさんとJNTHEDさんにライブペインティングの合間に聞いてみました。
JNTHED 今回の展示は、とにかく京都の人にカイカイキキの活動を知ってほしいという意味合いで。だからまあ、ぶっちゃけ宣伝ですね!
mebae 身も蓋もないことを言う(笑)。宣伝っていっても何のために宣伝するのかっていうのが大事だよ。京都の若い作家たちとアニメーションをつくりたいと思っているんですよ。いま、僕のキャラクターデザインと、JNTHEDさんのメカや世界観で「6HP」というアニメーション作品も動いているし、その雰囲気も見せることができるんじゃないかと。まだスタッフはいないんですが、今回のポップアップギャラリーのほかにも、京都にオフィス兼スタジオも構えるんですよ。 ──たしかに京都といえば、芸術系の学校も多いですし、ギャラリーも盛んな印象があります。アニメーター志望の人も一定数いそうですよね。
mebae そう。今回、JNTHEDさんと一緒の展示会になったのもあって、アニメをつくりたい人に届けばいいな、という思いがある。
JNTHED ここに展示してある僕の絵は3~4年前の絵で、カイカイキキの映像関係のお手伝いさせて頂く前に描いたものなんですけど、実際仕事で描いている絵は全然違います。JNTHEDの絵を見て「こーいうの描けばいいんだ!」って勘違いはしないように(笑)。設定画も紹介できればいいんですけど、どの設定を見せても「えーっそうなるの?!」っていうネタバレだらけで……見せられない。 JNTHED それにしても(自身のドローイングを指して)これ、何考えて描いてんのかさっぱり分かんないですねぇ。もう何年も経ったからすっかり他人事って感じだし。
mebae (笑)。JNTHEDさんはそう言うけど、今回展示している作品って、JNTHEDさんがレイプ目の時代に描いてた絵じゃないですかこれ(笑)。アーティスト修行の一環として「とにかくたくさん描け!」って言われて描きまくっていた時期のもので。心が死んでても、とにかく手を動かしてできた作品。だから心と絵の距離がすごく良い感じで出てる。
──だからJNTHEDさんの作品数が膨大になっているんですね。mebaeさんは最近はどういった活動をされていますか?
mebae 僕も基本的には絵だけを描いて生活していたい人間なんだけど、1クールとか2クールという長いアニメーション作品をつくりたいという野望がある。だから、そのためには全国各地を飛び回ってクリエイターを探したり、絵を描く以外のこともしないといけないですよね。Twitterで僕の絵を知っているアニメーターとおぼしき人にDMを送って原画やりませんか?って声をかけたりもしましたよ。良いクリエイターが集まってきてくれています。
「6HP」で、JNTHEDさんは社長(村上隆さん)とほぼマンツーマンでメカデザインを進めているんですけど、彼を納得させるメカのしずる感を出せるのはJNTHEDさんだけなんですよ。代わりがいない。
JNTHED そうですかねー。むしろ代わりがいないと困っちゃいます(笑)。そういう意味でも、興味ある人は是非展示に遊びに来てください。そんで、見たこともない作品を一緒に作りましょう!
ライブドローイングの様子
コメントをもらっている最中は冗談を飛ばし合いながら、気さくな二人でしたが、ライブドローイングの最中は凄まじい集中力で黙々と制作を進めていきます。観客に見守られる中、しっかりと作品を描ききる姿勢を生に観ることのできる貴重な場になっています。会期最終日の1月31日(日)もmebaeさんとJNTHEDさんの二人によるライブドローイングが行われますので、絶対に目に焼きつけてほしいです。 カイカイキキはこれまで麻布と中野のギャラリーを中心としつつ、埼玉県三芳市、それにニューヨークにもそのオフィスやスタジオを構えています。また、京都以外に中野にも「PONCOTAN KaikaiKiki Nakano Anime Studio」を新設したとのこと。
京都、中野ともにアニメーションに携わるスタッフを募集しているので、是非とも腕に自信にある人はチェックしてみてください。
今後、京都からはどのような作品や作家が生み出されていくか。その足がかりとなる熱量の一端を垣間見ることのことができる展示になっています。日本各地から世界に向けて作品をつくり続けるカイカイキキにさらに注目が集まります。
(C)JNTHED/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
(C)mebae/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
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イベント情報
「mebae&JNTHED Exhibition」
- 会期
- 2016年1月21日(木)〜31日(日) 12:00-19:00 ※水曜定休
会場
京都カイカイキキ ポップアップギャラリー
京都市中京区烏丸通姉小路下ル場之町586-2 新風館1F
ライブドローイング日程
1月21日(木)mebae&JNTHED
1月23日(土)JNTHED
1月24日(日)JNTHED
1月31日(日)mebae&JNTHED
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