新世代が恐れる最強ラッパーは? MCバトルの登竜門「U-22」緊急座談会

新世代が恐れる最強ラッパーは? MCバトルの登竜門「U-22」緊急座談会
新世代が恐れる最強ラッパーは? MCバトルの登竜門「U-22」緊急座談会

左からMC☆ニガリa.k.a赤い稲妻さん、言xTHEANSWER‎さん、9forさん、Amaterasさん

BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権」や「フリースタイルダンジョン」などのテレビ番組の放送もあり、お茶の間まで人気を広げたMCバトル。

現場では「UMB」「KING OF KINGS」「戦極MCBATTLE」などの歴史ある大会も白熱していますが、新世代たちがぶつかり合うフレッシュなMCバトルが見たいというヘッズも多いはず。

そんな中、2016年誕生したのが22歳以下のMCバトルの頂点を決める大会「U-22MCBATTLE2017 FINAL」(U-22)です。
U-22 MCBATTLE 2016 TOKYO Trailer
2回目の開催となる今回。8月25日(金)に東京・TSUTAYA O-EASTで決勝大会の開催が決まっており、全国の予選を勝ち抜いてきた実力者、そしてゲストとして選ばれたラッパーたちを含めた全48人のMCがぶつかり合い、トーナメントで頂点が決まります。

そこでKAI-YOUは「U-22」に出場するMCの中でも、直近大会でのタイトル奪取や「フリースタイルダンジョン」への出演経験もあり、参戦の反響が特に大きい4名のMCに集まっていただき、座談会を行いました。

バトルシーンから産声をあげたとも言える面々だけに、トークは白熱。人気ラッパーならではの私生活での悩みから、大会で当たりたくないMCといったぶっちゃけ話まで、たっぷりと語っていただきました。

登場人物紹介

言xTHEANSWER‎(以下、アンサー)

1998年生まれの満19歳。北海道・芽室町出身。
「BAZOOKA!!! 第7回高校生RAP選手権」では決勝戦でMC☆ニガリa.k.a赤い稲妻に敗れ準優勝となった。イケメンのルックス、お洒落なファッションも注目を集めるラッパーでCMにも多数出演中。「U-22MCBATTLE2017」はゲスト枠で本戦に出場する。

MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻‎(以下、ニガリ)

1996年生まれの満21歳。長野県・手良出身。
第6回・7回「BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権」で2連覇した実力者。地味なルックスとは裏腹にスキルフルなラップが魅力で多くの人から愛されるラッパー。「U-22MCBATTLE2017」はゲスト枠で本戦に出場する。

9for‎

1998年生まれの満19歳。神奈川県・横浜市出身。
2017年、3月に開催された「BAZOOKA!!! 第11回高校生RAP選手権」を優勝し、今最も勢いに乗るラッパー。負けず嫌いな性格を前面に出した熱いスタイルには定評がある。「U-22MCBATTLE2017」は第1次予選で優勝し本戦出場を決めた。

Amateras‎

1996年生まれの満21歳。東京都・白金台出身。
2016年「超ライブ×戦極 U-22 MC BATTLE」で準優勝し、一気に名を広げた。裕福な家庭環境と高学歴を武器にするスタイルはユーモアにも溢れ、唯一無二な存在感を放つラッパー。「U-22MCBATTLE2017」は第5次予選を優勝し出場を決めた。

取材、文:山下智也 編集:ふじきりょうすけ 撮影:布村喜和

MCバトルには、その人にしか言えない言葉がある

──この4人はそれぞれ面識はありますか?

言xTHEANSWER‎ 僕とAmaterasくんははじめて会いました。イベントで同じ会場にいたことはあるんですけど。

ニガリくんと僕は「ラップ選手権」(※1)でのバトルのせいか、世間的にギクシャクしてると思われがちですけど、東京出てきてからご飯誘ってもらったりして、よく遊んでますね。高価な焼肉をご馳走になったこともあって……。

Amateras みんな会ったら普通に話しますよね。僕もニガリくんのバイト先に遊びに行って、サービスして貰ったことありますよ。

※1…言xTHEANSWER‎とMC ニガリa.k.a赤い稲妻は「ラップ選手権」第6、7回大会で2度激突。いずれもニガリが勝利しており、視聴者の多くに因縁の相手という印象を与えた。 ──ニガリさんは羽振りがいいんですか?

MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻 そんな、本当にお金持ちのAmaterasくんの前で言えるわけないじゃないですか(笑)。

──(笑)。皆さんはラップやMCバトルを始めるきっかけとなったラッパーはいるんでしょうか?

MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻 今だから言うんですけど、僕が「高校生ラップ選手権」に応募した理由はノリに近いんです。そしたら優勝できちゃった、という感じなんですよね。

言xTHEANSWER‎ ニガリくんが学校の黒板の前で学生服の仲間たちとラップしてる動画がありましたよね。黒板にめっちゃ汚くMCニガリって書いてあって、制服に帽子かぶったチャラそうな子が2人ニガリくんの横にいて「こいつは間違いねぇ!」って。 MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻 あの動画もノリですね(笑)。

──「ラップ選手権」といえば、Amaterasさんは予選でダース(DARTHREIDER)さんに勧められて、最終選考まで行ったものの、結局、プロデューサーさんから電話で断られてしまったという話を過去のインタビューで語っていただきました。 Amateras 僕がバトルへ興味をもったきっかけは、「B BOY PARK」でのKREVAさんのラップなんです。PONYさんが優勝した横でフリースタイルを振られて「(優勝賞金の)200万なんていらねーよ」って言ったんですけど、そんなこと優勝した人の横で言っちゃう!? って。

でもKREVAさんは確かに「200万ならいらないだろうな」という説得力もあって。MCバトルには、その人にしか言えない言葉があるんだ、という衝撃が走ったんです。 Amateras だから、「幼稚舎から慶応」とか「実家が白金台にある」とかをラップするようになったんですけど、そんなやつが高校生として前に出ちゃうと、おかしな人がたくさん出てきちゃうと思うんですよ(笑)。やっぱり、ダースさんの見る目がありますね。

──確かにそうかもしれませんね(笑)。9forさんはいかがですか?

9for 僕のきっかけはニガリくんなんですよ。第6回の「ラップ選手権」が凄かったんです。

お洒落でクールなラッパーのSLEAZYくんと1回戦で当たって、一般的にバトルで不利と言われている先行を取って。ただでさえ、ニガリくんは見た目で負けてたのに(笑) 9for 正直、僕は「ニガリくん、自殺やん」って思ってしまったんですね。でも、1小節目からぶちかまして勝っちゃって。それがもうカッコよかったんですよね。

そこから色んなバトルを見るようになったので……ニガリくんがいる前で話すの緊張してます(笑)。

MCバトルを包む独特な緊張感

──皆さん「フリースタイルダンジョン」にも出場されましたが、あの場には特別な緊張感があったりするものなのでしょうか?

言xTHEANSWER‎ はじめて「ラップ選手権」に出た時はすごく緊張したんですけど、それ以降は全然。1千人も1万人も変わらないっていうか。リキッドルームだろうが、武道館だろうが、ある程度お客さんが多くなったら全部「多いな!」って印象で変わらないんですよね。

なので、「フリースタイルダンジョン」だからといって緊張することはなかったんですが、多くの人に見られるものほど、ラップの矛盾点をあら探しする人もいるので、そういったところは気にしちゃいます。 MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻 そうそう。どちらかというと、僕は地元のライブの方が緊張しますね。先輩が見てたりとか、ダボダボの服を着た偉そうな後輩が見てるとやり辛い。

バトルって騒ぎたいお客さんが多いから盛り上がるんです。でも、ライブはそうじゃなくて、電波が通じてないような空気感がある時もあって。たまにプレッシャーをかけてきたりするんですよ。そういう時は手強いです。

──品定めされてるようですね……。9forさんとAmaterasさんはLuizさんを加えた3人のチームで「フリースタイルダンジョン」に参戦していましたよね。

9for 今だから言うんですけど、最初に挑んだAmaterasくんが負けてしまった時は、僕がラップする機会もなくなるので、正直「うわ、まじかよ!」と思いました。

右がLuizさん

9for でも、一緒に待機してたLuizが負けるのを知ってたかのように「ほらね」って僕に小さく言ったんですよ!

それを知らないAmaterasくんが、バトルを終えて帰ってくるし、板挟みになった俺は「いや、え?」って(笑)。 Amateras ……全然教育がなってないので、とりあえずLuizに電話しなきゃ

9for (笑)。

Amateras 僕はむしろ、最近全然緊張しなくなってることにちょっとやばいなっていう危機感を感じてます。

もし緊張する場面があるとしたら2つあって、1つはアンサーくんが言ったように、多くの人に見られるもの、TVとかで発表される時ですね。

勝負に勝つとかよりも、「Amaterasだったらこう言うでしょ?」ってみんなが想像するんですよ。数ヶ月先の視聴者の期待に応えないといけないというプレッシャーは、現場以上に大きいです。もう1つが、一般の人に「ラップして」って言われる時。何を言えばいいのかな? って。

言xTHEANSWER‎ それ、かなりムカつきますよね。じゃあサッカー選手にもリフティングしろって言うのかよ、なんなんだよって(笑)。 MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻 僕はバッティングセンターが超好きなんですけど、そこで「ラップやってよ、俺のことディスってよ」とかよく言われます。なんかもう、世紀末ですよね

一同 世紀末って(笑)。

MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻 俺はできないって思われたら癪だし、喋るのとそんなに変わらないんでパッとラップして「遊びたいんでいいですか? 許してください」って言ってます。

言xTHEANSWER‎ ニガリくん、めっちゃかっこいいなあ。

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イベント情報

超ライブ×戦極 U-22MCBATTLE2017 FINAL

日時
8月25日(金) 開場16:30 / 開演17:30
場所
TSUTAYA O-EAST
チケット
一般発売イープラス、ローチケHMV ※7/8(土)〜
チケットのみ:4,500円(ドリンク代別)
Tシャツつきチケット:6,500円(ドリンク代別)
e+(外部リンク
Lコード 74028

関連キーフレーズ

言xTHEANSWER

ラッパー

1998年生まれ、北海道・芽室町出身。
第7回 BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権 準優勝。
甘いマスクとファッションセンスの高さからも注目を集める。
2017年4月に3rdALBUM「あの雲の上」をリリースした。また、ローソンや飛鳥交通のCMに出演。
Twitter:https://twitter.com/answer_memuro

MC☆ニガリ

ラッパー

1996年生まれ、長野県・手良村出身。
第6回・7回 BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権 優勝。その他、多数のMCバトルでタイトルを獲得。
世間的なラッパーのイメージとかけ離れた地味で謙虚なキャラも人気を呼んでいる。
2015年2月に1stアルバム「MC☆ニガリ a.k.a. 赤い稲妻」をリリース。またブラックサンダー・Galaxy・など多数のCMに出演。
Twitter:https://twitter.com/mcnigari

9for

ラッパー

1998年生まれ。神奈川県・横浜市出身。
第11回 BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権 優勝。
負けず嫌いな性格に加え、高いライミングスキルには定評がある。
現在、SoundCloudにオリジナル曲「Hold up」を公開しており、今後アルバムのリリースが期待される。
Twitter:https://twitter.com/naoking1064

Amateras

ラッパー

1996年生まれ、東京都・白金台出身。
2016年 超ライブ×戦極 U-22 MC BATTLE 準優勝。
音楽チーム「Creape Classics」で活動するほか、映画監督やアパレル展開など多方面で活躍する。
また、自身の冠番組・FRESH!(フレッシュ)AmaTeras Houseを放送中。 
Twitter:https://twitter.com/amateras_iam

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