4月2日大阪・南港ATC HALLにて、高校生ラッパーの日本一を決めるフリースタイルMCバトルの甲子園「第9回 BAZOOKA!!!高校生RAP選手権」が開催された。

「高校生RAP選手権」は、2012年7月、BSスカパー！にて放送されているバラエティ番組『BAZOOKA!!!』のコーナーとして生まれた人気企画。

当初は番組スタジオにて実施されていたが、第3回大会以降はからライブハウスに会場を移行し、回を増すごとに会場規模と動員数を拡大。現在のMCバトルブームの立役者的存在としても知られている。

今大会には、過去最多となる800名を超える応募者がオーディションに参加。熾烈を極める予選を勝ち抜き、ヤンキー、いじめられっ子、ギャル、スポーツマンなどあらゆるバックグラウンドを持った16名の凄腕高校生ラッパーたちが全国各地から集結した。

前回大会の覇者であるLEON a.k.a 獅子さんや、若干17歳ながら「KING OF KINGS」「THE 罵倒」「戦極スパーリング」をはじめとしたMCバトルで輝かしい結果を残すLick-Gさんなど人気MCが出場する一方、16名中11人が初出場となり、彼らがどんな番狂わせを起こしていくのかにも注目が集まっていた。

ここでは、そんな数え切れない熱戦が繰り広げられた「第9回高校生RAP選手権」当日の名勝負を振り返る。

※「第9回 BAZOOKA!!!高校生RAP選手権」の試合結果など、ネタバレを含んでいます

写真／（C）areUme？

高校生RAP選手権とは？

「高校生RAP選手権」では、ステージに立った2名のラッパーが8小節2ターン制のフリースタイルでMCバトルを行う。その後、5名の審査員による投票で勝敗が決定するという勝ち抜きトーナメント形式の大会だ。

R-指定さん

審査員には、「ULTIMATE MC BATTLE」（UMB）3連覇を果たした折り紙付きの実力と、バトル初心者に向けたわかりやすく的確な解説が好評のR-指定さん。さらには、韻踏合組合のHIDADDYさんやSIMI LABのMARIAさん、そして鎮座DOPENESSさんが名を連ねる。

漢 a.k.a. GAMIさん

また、これまで審査委員長を務めてきたZeebraさんは今大会では欠場。漢 a.k.a. GAMIさんがその座を引き継いだ。

ニューフェイスたちが巻き起こす大混戦

今大会で準優勝を飾ったLick-Gさんを除き、「第8回大会」出場者が軒並み敗退していくという、多くの観客たちにとって予想外の展開でスタートした第1回戦。

特に前回大会で白熱した決勝戦を繰り広げたLEON a.k.a 獅子さん、そして三日月さんの敗退には、どよめきに近い声が会場中から上がっていた。

Rei（c）hiさん

そんな中、会場の注目を浴びていたのは、総合格闘技を特技とするRei（c）hiさんと、日韓のハーフでゴリゴリのヤンキーだったちゃんみなさんによる同大会初のフィメールラッパー対決。※Rei（c）hiさんの（c）はマルシー表記

Rei（c）hiさんによるビッチ発言などコンプライアンスの限界を突破したドギツイdisの連続に対して、ちゃんみなさんが「そんなんだから馬鹿にされんだフィメールラッパー」と、ドスを効かせた声で力強くアンサー。

スタイルの大きく異なるバトルは延長戦の末、3対2の接戦でちゃんみなさんが勝利した。

ちゃんみなさん

フィメールラッパーであり、審査員のMARIAさんは「女性ラッパーの難しいところは女を武器にしたくないという点。かといって男に負けたくなくても男勝りすぎるとダサくなるんです。そのバランスが最強でした。伝説的な女性ラッパーのリル・キムみたいでした」と両MCを高く評価。

会場もRei（c）hiさんの敗退を惜しむように拍手で讃えていた。