KAI-YOU.netでは、R-指定 vs DOTAMA戦の裏側をお届けする。
2016年のフリースタイルムーヴメントを締めくくるオールスター戦
師走の喧騒に包まれる12月19日。「新木場STUDIOCOAST」では、テレビ朝日で放送中のTV番組『フリースタイルダンジョン』の特別編「AbemaTV presents フリースタイルダンジョン東西!口迫歌合戦」の収録が行われた。2016年のフリースタイルラップブームの火付け役である『フリースタイルダンジョン』が、2016年のブームの盛り上がりを自ら体現するかのような特別番組で大晦日の夜を賑やかす。 出演するラッパーは東西のチームに分かれ、R-指定さん、DOTAMAさんらおなじみの人気モンスターたちをはじめ、呂布カルマさん、SIMON JAPさん、Lick-Gさんなど、バトルシーンを追いかける人にとってうれしい面々も出揃った。
その中でも、会場、そしておそらく放送でも最も期待され、最も大きな盛り上がりを見せた試合が、東軍DOTAMA vs 西軍R-指定だ。
なぜここまで期待されているのか? バトルファンからすれば周知の事実ではあるが、ここで簡単におさらいしておく。
R-指定とDOTAMAの因縁とは?
2人の因縁は2011年の「ULTIMATE MC BATTLE」(以下、UMB)まで遡る。当時から圧倒的なスキルで大阪を無双していた20歳のR-指定さんと、地元・栃木から東京予選代表になり、そのおとなしそうな見た目とは裏腹に強烈なディスで相手を叩きのめしていた当時27歳のDOTAMAさんが、2011年の「UMB」1回戦ではじめて戦った。この時の勝者は、DOTAMAさんだった。
続く2013年の「UMB」決勝戦。2度の延長にもつれこんだ末に戦いを制したのは、「UMB」2連覇がかかっていたR-指定さん。さらに翌年2014年の「UMB」2回戦でも2人は戦い、R-指定さんの勝利でおわった。 以降、「UMB」3連覇を果たしたR-指定さんはフリースタイルラップバトルの大会から距離を置いていたが、2015年9月、テレビ朝日にてはじまった『フリースタイルダンジョン』で久しぶりにバトル復帰、そして今年2月に放送された『フリースタイルダンジョン』でチャレンジャーとして登場したDOTAMAさんと4度目の激闘を繰り広げ、勝者はふたたびR-指定さんとなった。
このダンジョンでの4度目の戦いは、YouTubeで公式配信されていた時期。DOTAMAさんは絶対王者として君臨していたR-指定さんと互角に渡り合った凄腕のラッパーとして、全国的に大きな人気を獲得することになった。
元から決まっていたのか、その人気からかはわからないが、後にDOTAMAさんはモンスターとして同番組にレギュラー出演するようになる。
そして5度目の対決となったのは、今年7月にAbemaTVで放送された『フリースタイルダンジョン特別編 Monsters War』だ。3人1組のチーム戦ではあるが、決勝戦で2人のチームが戦い、DOTAMAさんのチームが制することとなった。
「DOTAMAさんが目も合わしてくれなくて」
『Monsters War』で見事勝利したDOTAMAさんだが、総合的な戦績で見ると、まだR-指定さんに劣っている。何としてでも雪辱を晴らしたいであろう今回の『東西!口迫歌合戦』では、2人がステージに現れると、会場の至るところから「アール!」「ドタマ!」という歓声が巻き起こった。
その歓声は次第に大きくなり、バトルがはじまる直前まで止まることなく続いた。ともにこの1年でバトルだけでなく、アーティストとしても大きなプロップスを得ており、2016年の顔と言ってもいい。 DOTAMAさんが「調教済みの豚どもは声あげろ」と、Creepy Nutsの代表曲「合法的トビ方ノススメ」のサビを引用して、R-指定さんが太ったことを揶揄。すかさずR-指定さんが少し間を空けて、「DOTAMAごめん代表曲がなかった何にも思い出されへん、お前ヒット曲がない」と突き返す。 2人のバトルは、1人のアーティスト同士が互いのプライドをかけて戦っているようだった。もちろんこれはほんの一部分の抜粋であり、いとうせいこうさんが「細かいことを言うと長い論文が書けるぐらいの試合だった」と語るほど、非常に内容の濃いバトルであったことは言うまでもない。
結果は最初にお伝えしたとおり、R-指定さんの勝利で終わった。R-指定さんは、バトル前の心境についてインタビューでこう答えている。 「何回もやりすぎてお互い言うこともないと思ってたんで、(試合の)前日くらいまではDOTAMAさんに電話して『何にも言うことないよな?』ってコントを繰り広げようかなって相談しようと思ってたくらいでした。マジで事前に打ち合わせして、お客さんとかスタッフ側に『何回やってんねんこれ!』ってキレるっていうのはどうかな? と(笑)」
これまでに5回も戦い、そのうちR-指定さんが3勝。『Monsters War』でのチーム戦を除くと、1対1の戦いでは2011年に1度負けたのみ。
最終試合、そして2016年を締めくくるにふさわしすぎるほどの白熱した試合を見せてくれた後では少し拍子抜けではあるが、R-指定さん本人とっては、下手なプレッシャーや意気込みはなかったのかもしれない。逆にあそこまでのバトルを繰り広げたR-指定さんの、お客さん、そして番組を盛り上げようとしていたラッパーとしてのプロ魂を感じた。 一方のDOTAMAさんの状況について、「本番をむかえて、現場に入ったらDOTAMAさんがまったく目も合わしてくれなくて、一言もDOTAMAさんとしゃべれなかったから、『あ、もう(スイッチ)入ってんな』って」と、緊迫した雰囲気を漂っていたことがわかる。
そのままR-指定さんはバトルについて続ける。「でも実際やってみたら、やっぱし俺はあんまり言うことなくて、お互い絞りだしながらやったみたいな感じはありましたね。俺的にはあんまりフル回転できへんみたいな感じでした」。
バトル終了後、DOTAMAさんは「悔しいです……」と言葉通り悔しさをにじませながらとても小さな声でつぶやいた。しかし、すぐさま「リベンジしたいです!」と力強く再戦を誓うと、会場からは大きな拍手が巻き起こる。 試合内容はR-指定さんの完全なる圧勝というわけではなく、非常に拮抗した戦いであり、人によってはDOTAMAさんに票をあげていてもおかしくなかった。
そんなDOTAMAさんの宣言に対して、「いやぁ、来年はちょっともういいっすね……」とやや冗談気味に突き放すR-指定さん。「実際やって楽しかったんですけど、お互い別に言うことない、無理やり絞り出した」と、やはりどこか全力を出しきれなかった一面を見せていた。
とはいえ、審査委員長のいとうせいこうさんが「ほとんど覚えてない、メモる手が止まっちゃって」「審査員ハイみたいにさせられて、自然と(スイッチ)を押しちゃってる」と語るほど、とにかく熱中、夢中になれる最高の試合を繰り広げてくれたR-指定さんとDOTAMAさん。もちろん、彼ら以外のバトルも胸が熱くなる名試合ばかりだったが、2016年の最後に、最高の試合を届けてくれた2人に感謝したい。 最後に、『フリースタイルダンジョン』のオーガナイザーであるZeebraさんに改めて番組の1年を振り返ってもらい、来年の展望について語ってもらった言葉をお届けしよう。
「半年の予定で番組をはじめたなかで、これだけ長く放送できる番組になってきた。俺らも楽しんでもらえる番組としてまだまだ存在させたいし、マイナーチェンジを繰り返して飽きさせないようにずっと考えてきたんで、そういう意味では今はすごく良い状況になってきてる。まだまだこれから手を替え品を替えながらやれたらいいなと思ってるし、我々はせっかくリードできる現場があるんで、来年も期待してもらえたら」
(C)AbemaTV,Photo by Yuki HayashiDOTAMA(東軍) VS R‐指定(西軍) 勝者:R-指定
KEN THE 390(東軍) VS ERONE(西軍) 勝者:ERONE
SIMON JAP(東軍) VS GADORO(西軍) 勝者:GADORO
漢a.k.a.GAMI(東軍) VS 呂布カルマ(西軍) 勝者:呂布カルマ
MC☆ニガリa.k.a.赤い稲妻(東軍) VS じょう(西軍) 勝者:MC☆ニガリa.k.a.赤い稲妻
T-PABLOW(東軍) VS CHICO CARLITO(西軍) 勝者:T-PABLOW
サイプレス上野(東軍) VS 押忍マン(西軍) 勝者:押忍マン
崇勲(東軍) VS HIDADDY(西軍) 勝者:崇勲
輪入道(東軍) VS CIMA(西軍) 勝者:輪入道
Lick-G(東軍) VS KOPERU(西軍) 勝者:Lick-G 『フリースタイルダンジョン東西! 口迫歌合戦』対戦カード 結果
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番組情報
AbemaTV presents フリースタイルダンジョン東西!口迫歌合戦 ※放送終了
- 番組
- AbemaSPECIALチャンネル
- 日時
- 12月31日(土)20時から23時45分
キャスト
Zeebra(ジブラ)
UZI
【東軍】(50音順)
MC☆ニガリa.k.a赤い稲妻
漢 a.k.a. GAMI
KEN THE 390
サイプレス上野
SIMON JAP
崇勲
T-PABLOW
DOTAMA
LICK-G
輪入道
【西軍】(50音順)
R-指定
ERONE
押忍マン
GADORO
KOPERU
CIMA
じょう
CHICO CARLITO
HIDDADY
呂布カルマ
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3件のコメント
netabarekinshi
結果、タイトルに書き込むとか頭おかしいんか!?
netabarekinshi
クソクソクソ
netabarekinshi
ネタバレすんなや!!!!!
楽しみにしてたのにクソが!!!