お初にお目にかかります。今後ともお見知りおきを。
さて、1996年2月27日に『ポケットモンスター赤・緑』が発売されてから20年がたつということで、いろいろなところからポケモンの話題を聞きますね。
個人的には「Pokémon GO」について初めて聞いたときは「かがくのちからってすげー!」と素直に思いました。
もうすぐ20周年を迎えるポケモンですが、みなさんが最初に思い浮かべるのは、世界中で大きな知名度を誇るネズミ、ではなくポケモンの「ピカチュウ」ではないでしょうか?
アニメでも主人公・サトシと共に各地を飛び回り、まさにポケモン界のレジェンドとして名を馳せています。
『赤・緑』、そして『青』を象徴するフシギダネ・ヒトカゲ・ゼニガメ(通称:御三家)は、オーキド博士の「ここに3つのモンスターボールがあるじゃろ?」という紹介で、最初にもらえるポケモンとして登場しますが、ピカチュウは野生のポケモンとしてトキワの森に出てくるだけです。
御三家やミュウツーをはじめとした伝説のポケモンのように特別な扱いではなかったピカチュウ。そんな一般枠とも呼べるピカチュウが今やポケモンを代表する存在になったのはなぜでしょうか?
むしろ、最初にピカチュウをプッシュしたのは誰だったんでしょうか?
文:だーま
ピカチュウを見出した穴久保幸作
ピカチュウにスポットライトを当てたのは、「ギエピー」の悲鳴でおなじみの漫画家・穴久保幸作さんでした。穴久保さんとは、現在も『月刊コロコロコミック』で連載中のピッピを主役に据えた漫画「ポケットモンスター」の作者です。
今ではポケモン=ピカチュウですが、発売当初、ゲームフリークがプッシュしていたのは実はピッピでした。
そのため、当然『コロコロコミック』にもピッピを主役にした販促漫画を出してほしいと依頼。その時期はゲーム『赤・緑』の発売前だったそうです。
今のようなポケモンのイメージがない中で描かれた穴久保さんが描くポケモンは、とても自由奔放でギャグ要素満載、さらには下ネタが出てきたりと、割とやりたい放題です。
そんなギャグ漫画に一介のネズミだったピカチュウを見出し、主人公・ピッピの従兄弟という設定でレギュラーメンバーとして登場させたのです。
だからでしょうか? 1・2巻の頃は確かにひどい。よくピッピがカオスすぎる点に注目されがちですが、ピカチュウも最初はひどいもので、普通にう●こしてました。
穴久保さんのポケモンには、任天堂からのチェックもなく、ぶっちゃけポケモン自体が会社から期待されてなかったこともあり許されていたという背景があるみたいです。
ポケモンを開発したゲームフリークさんからの指示は「ピッピを主役にしろ」、つまりピカチュウに関しては一切の指示がない。そんな中、ピカチュウをレギュラーに据えた采配はすごいですよね。
穴久保さんは、「ギエピー」や「ミュウスリーだっピ」だとか、頭に残る独特のフレーズのセンス、1996年からいまだに連載を続けてることもすごいですが、ピカチュウを最初にフィーチャーした先見の明がすごすぎます。
アニメ版『ポケットモンスター』のサトシの相棒として抜擢された理由には諸説ありますが、間違いなく穴久保さんがピカチュウをメインに起用したことが後に続く作品に影響を与えているのではないでしょうか。
その後、ピカチュウは破竹の勢いで躍進。
10年以上にわたって現在もアニメ版のメインレギュラーとして登場し続け、漫画『ポケットモンスターSPECIAL』でもメインに据えてヒットしたり、ゲームでは『ピカチュウ』バージョンが発売されたことを考えるとすごいですよね。
1996年2月『ポケットモンスター赤・緑』発売
1996年4月号『ふしぎポケモン ピッピ』(穴久保さんの漫画『ポケットモンスター』の初期タイトル)掲載
1997年4月号『ポケットモンスターSPECIAL』掲載
1997年4月号『電撃!ピカチュウ』
1997年4月 TVアニメ『ポケットモンスター』放送開始
1998年9月『ポケットモンスターピカチュウ』発売 参考
芸大生にピカチュウを描いてもらうとこうなる
こうして、今やポケモンを代表する存在となったピカチュウ。ピカチュウって本当にポケモンをやったことない人でも知らない人がいないんですよね。
ここで、この記事のタイトルにもある本題に入りますが、昨年の10月に僕のブログで「芸大生にピカチュウを描いてもらうとこうなる」という、多摩美術大学のいろんな学生さんに即興でピカチュウを描いてもらう企画をやったんですけど、「ポケモンなんて小学生以来触ってないわぁ……」という人でもピカチュウをサラサラ描いていくんですよね。しかも自分の色を出しながら。 やっぱりピカチュウって特徴がわかりやすいんですかね?
いろんな学生にその場で何も見せずにピカチュウを書いてもらったのですが、アニメ版ポケモンのEDテーマ「ぼくのベストフレンドへ」の歌詞にもある、「赤いほっぺ 黄色いのシャツ ギザギザ模様(のシッポ)」という特徴を忘れている人は1人もいませんでした。
描いてもらってわかったのが、「ピカチュウって愛されてるな」ってこと。
ぶっちゃけピカチュウならみんな知ってるよね……? くらいの気持ちで考えていたのですが、いざ当日を迎えてみると「ピカチュウの下敷き持ってたなぁ」とか「ポケットピカチュウ着けて学校に行ってた」とか……コミュ症な僕でも、ピカチュウエピソードをきっかけにトークが広がる広がる(笑)。
この企画では、知らない人にいきなり話しかける、しかもピカチュウを描いてもらうというコミュ症の僕にとってはまさに地獄絵図のような内容だったのですが、ピカチュウをきっかけに、まさにサッカーを通じて知らない人と仲良くなるような感じでした。
みんな何かしら思い出があるみたいです。みなさんもピカチュウに想いを馳せながら、ぜひ何も見ずに即興でピカチュウを描いてみてください!
僕はこの企画を通じて、いろんなピカチュウを見たことでさらにピカチュウを好きになりました。
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番外編11前編 芸大生にピカチュウを描いてもらうとこうなる【長編】ピカチュウにフラッシュを覚えさせた思い出……
そんな誰からも愛されているピカチュウをメインにした『ピカチュウ』バージョンですが、実は私だーまはプレイしたことがありません。母上に「緑持ってるでしょ?」と言われ、買ってもらえなくて、いつか……と思っているうちに月日が流れてしまっていたものの、きたる2月27日(土)にバーチャルコンソールで配信されるということで、童心に返ってプレイしようと思っています。
27日が土曜日というのも、20年の間に社会人になってしまった僕にとってありがたい話です。 『ピカチュウ』バージョンでは、「ムサシとコジロウが登場する点」「タケシが服を着ている点」「トキワの森でピジョンが登場する」など、『赤・緑・青』バージョンにはなかったアニメの要素が追加されているので、そこに注目しながらプレイしたいですね。
『赤・緑』のピカチュウといえば、トキワの森での出現率はわずか5%! 当時の僕はラッキーなことにすぐに出会えましたが、ピカチュウを探して虫を駆逐しまくった経験をお持ちの方いらっしゃるのでは?
そんなレアなポケモンであるピカチュウは、『ピカチュウ』バージョンではオーキド博士にもらえるようです。ここもアニメ準拠なのはファンにとっては嬉しいところですね。 当時『緑』をやっていた私は、ピカチュウにひでんわざ「フラッシュ」を覚えさせてしまうという痛恨のミスを犯してしまったのですが、今回はそんなミスは犯しません。僕も大人になりました。フラッシュを忘れさせられないってゲーム史に残る最強の初見殺しですよね……。
他に楽しみな点といえばワイヤレス通信で交換ができるという点。当時、通信ケーブルを親に買ってもらえなくて手に入れられなかった、いわば初代幻のポケモンとも呼べるゲンガーやフーディン、ゴローニャにカイリキーをGETできると考えると、感慨深いです……。
さて、今回はピカチュウについていろいろ書いてきましたが、いかがでしたでしょうか? 楽しんでいただけたでしょうか? よかったら僕のブログにも遊びに来てくださいまし。
僕のブログでは、ポケモンを1匹ずつ紹介する本編と、「ポケモン×何か」をテーマにした番外編の2軸で、ポケモンを知っている人も知らない人も楽しめるブログを目指して記事を書いています。
今は「ポケモンの技で覚える徳川15代将軍」や「ピカチュウは計算式でかけるのか!?」などいろいろ企画しているので、これを早く仕上げたいところですね。
とりあえず、今年はポケモン20周年記念の節目の年なので、みんなで楽しんでいきましょう! それでは、また。だーまでした♪
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商品情報
『ポケットモンスター赤・緑・青・ピカチュウ』
- 配信日
- 2016年2月27日(土)予定
- 希望小売価格
- 各1,111円(税別)
- 対応機種
- ニンテンドー3DS バーチャルコンソール
- 通信機能
- ローカルプレイ対応
- プレイ人数
- 1人(対戦・交換など2人)
関連リンク
だーま
ポケモンブロガー
はてなブログ「だーまの ポケモンを図鑑No.1から最後まで!」で、ポケモンを知っている人から知らない人も楽しめるブログ記事を執筆している。2015年11月に更新した記事「芸大生にピカチュウを描いてもらうとこうなる」シリーズは反響を呼んだ。
はてなブログ:http://allpoke.hatenablog.com/
Twitter:(@dharmapoke)
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