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ゲームは人生に役立つ? MC型教師と高校生起業家がゲーミフィケーションを語る

MC型教師と元引きこもり少年が語る「人生を救うゲーム体験」とは?/左からイシイジロウ、小幡和輝、沼田晶弘

PlayStation 4にX box One、Wii Uにニンテンドー3DS、PlayStation Vita 、さらに前にはスーパーファミコンにPlayStationなど、ここ数十年でさまざまなゲームハードが登場し、多くの人が触れたことのあるコンピューターゲーム。

1人で遊ぶものから、みんなで遊ぶもの。実際に会わずともオンライン上で世界中の人と遊んだりと、ゲームの遊び方は年々多様化している。

今回は、そんなゲームの世界で『3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!』『428 ~封鎖された渋谷で~』をはじめとした、数々のゲームを生み出してきたゲームクリエイターのイシイジロウさんをファシリテーターに、8年間の引きこもり生活の中で「ゲームに救われた」と語る、高校生時代に企業したイベント制作会社・和ーなごみの社長をつとめる小幡和輝さんと、ゲームで得た経験などを教育に取り入れ、テレビ番組のMCのような革新的な授業を繰り広げる小学校教師・沼田晶弘さんという、特異な経歴を持つ2人と、「大人ゲーム論」をテーマに、彼らのゲームに対する向き合い方や、ゲームの経験が今の仕事に活きているというゲーミフィケーションについて語ってもらった。

「『ドラクエのパーティーを組む感覚でクラスをつくる」「3万時間のゲーム体験が今の仕事に活きている」など、独特のゲーム論が多数飛び出した座談会。KAI-YOU.netでは、12月14日(月)と21日(月)の22時30分からTOKYO MXで放送予定の番組『QREATOR'S calendar』に先駆けて、特別座談会の模様をお伝えしていく。

構成/園田菜々
撮影協力/森弘克彦

シミュレーションゲームと教師の仕事は似てる?

イシイジロウ×沼田晶弘×小幡和輝  座談会 イシイ まずは、コンピューターゲームやアナログゲーム、どんなゲームに出会って影響を受けてきたのか教えてもらいますか?

沼田 僕は、小学校の頃にファミリーコンピューターが発売されて、最初は買ってもらえなかったので、放課後に持ってる人の家に集まって遊んだのが出会いでしたね。そのあと、やっぱり自分でもほしくなって家族に買ってもらいました。当時は、水泳とかの習い事が忙しかったので、休憩時間に寸暇を惜しんでやるというか。高校時代は、シミュレーションゲームみたいな、育てるゲームが好きでやってましたね。

イシイ なるほど、シミュレーションゲーム。

沼田 こんなこと言うと本当に楽しんでいたのかと思われるかもしれないですけど、たとえば当時ハマっていた『ベスト競馬・ダービースタリオン』だったら、弱くて牧場が潰れちゃうんじゃないか、みたいな段階は楽しいんだけど、だんだん強くなってくると興味がなくなっちゃう。

イシイ シミュレーションゲームが好きっていうのは、なんだか教師の仕事と関係がありそうですね。

沼田 『シムシティ』とかもそうなんですが、最初は好きなんです。でも、裕福になってできあがってくるとつまらなくなる。学校のクラスって、最初は色々と僕が指導したりすることもあるんですが、大体2〜3ヶ月くらいでできあがるんですよね。あとは生徒たちが自主的に動いてくれるので、僕はただ見守っているだけ。言われてみると、少しシミュレーションゲームに近いところがあるかもしれませんね(笑)。

イシイ その感覚は、すごく教師的だと思います。以前、金八先生のゲームをつくった時に読んでいた本の中に、教師のお仕事って常に生徒次第なところがあって、それに耐えられないとダメだって書いてあったんです。

「見守る」というところに、沼田先生は、ある意味学生時代から教師としての適正があったような気がします。しかも、学校って大人になるまで一緒にいるわけじゃないから、できあがったものは見られないというか。期間限定というところにも、沼田先生のシミュレーションゲームの楽しみ方と通ずる部分がありそうですよね。

沼田 たしかに近い部分はあるかもしれないですね。同じ子供たちと長く関わる仕事ではないので。クラスをもっても2、3年が限度ですね。

とはいえ、シミュレーションゲームは途中で飽きますが、クラスは飽きません。逆に時間が経つにつれて、見てるのがどんどん楽しくなってきちゃう。生徒が賞取ってくると、一緒になって喜んじゃいますね(笑)。
PlayStation 2対応ゲーム『3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!』完全版

PlayStation 2対応ゲーム『3年B組金八先生 伝説の教壇に立て!』完全版

3万時間もゲームをやり続けた元引きこもり少年

小幡和輝

小幡和輝

イシイ つぎに小幡さん。ゲームに出会ってから高校生の時に起業するまでの間、ゲームとどう付き合ってきたんでしょうか?

小幡 いとこがゲーム好きの家庭だったこともあって、2〜3歳の頃にいとこが『ドラゴンクエスト(以下、ドラクエ)』とかをやっているのを見て、いつも「おもしろそうだなあ」と思いながら見ていたのが最初の出会いですね。

小学校低学年の頃にゲームボーイの『ポケットモンスター(以下、ポケモン)』の青を買ってもらったのが、一番最初に遊んだゲームだと思います。

イシイ ポケモン世代ですか!

小幡 そこからゲームにのめりこみました(笑)。当時は小学2年生くらいだったんですが、学校が面白くなくて、対人関係がうまくいかなかったり、いじめられたりとかもして、全然行ってなかったんですね。だから学校には行かずに、ひたすら家でゲームばかりしていました

本当にめちゃめちゃやりまくっていて、高校3年生の15歳くらいの時に起業するまでの8年間はずっとゲームをやっていたので、ソフトに記録されているプレイ時間だけでも3万時間は超えています(笑)。

PlayStationからPlayStation 2、PlayStation Portable、ゲームキューブ、ニンテンドーDS、Wiiとか、当時のほとんどのゲームハードは持っていました。

イシイ どんなゲームをやってたんですか?

小幡 『ドラゴンクエスト』と『ファイナルファンタジー』は全シリーズやっていたし、当時1番好きだったのは『真・三國無双』に代表される無双シリーズと『モンスターハンター』シリーズですね。

イシイ 『モンスターハンター』って、すごくやり込めるので、あっという間に時間が経ってしまいますよね(笑)。

小幡 当時の僕が1日にゲームをやる時間って本当に半端なくて、10時間以上とかは当たり前。普通にプレイしてると、1週間とかでクリアしちゃうんですね。

でも、お金持ちでもないので、新しいゲームは年間2〜3本しか買ってもらえない。だから、1つのゲームに100日くらい時間をかけないといけなくて、いかに同じゲームを長く続けるか、ということを考えていました。

『モンハン』だったら、武器も防具も初期装備の状態で、一番難しいクエストに挑戦するとか、『ドラクエ』だったら、全滅したらデータを消すとか、そういう「縛り」をつけて遊んでました(笑)。

イシイ それはもう理想的なゲーマーですよ(笑)。

『遊☆戯☆王』カードは株式取引に近い

小幡 コンピューターゲームではないんですが、中学生の時にカードゲームの『遊☆戯☆王』にハマって、和歌山県で一番強くて、全国大会に出場するくらいには没頭してました。

トレーディングカードって、時間が経ってから価値が上がったりすることが頻繁にあって、そのタイミングを見計らって売る、みたいなことを繰り返しながら交通費を稼いで、1人で大阪のカードゲームショップまで行ってたりしてましたね。

イシイ 中学生でその発想はすごいですね……。まさか、『遊☆戯☆王』カードの取引で起業の資本金をつくったりとかはしてないですよね?(笑)

小幡 いや、それはないです(笑)。

イシイ カードゲームは、お金持ちの人がお金でカードを買ったり、トレーディングを通して自分を強くしていく2つの種類があって、株式取引に近い部分がありますよね。だから自然と金銭感覚みたいなのが身についてくる。小幡さんは中学生の頃から経営者的な視点を持っていたかもしれないですね(笑)。

引きこもり時代のゲームやカードゲームでの経験って、今の仕事にも影響してたりしますか?

小幡 僕の仕事はイベントを企画したり、アイディアを企業に提供することなんですが、特にアイディアを練る時なんかは、やっぱり影響を受けていますね。

たとえば『遊☆戯☆王』カードは、いろんな種類のカードを組み合わせて40枚のデッキをつくるんですね。そのカードの能力はほとんど覚えていて、対戦することで、強いカードの組み合わせを研究して、最強のデッキを目指していく。そうやって研究を重ねてきたデッキで優勝するのがすごく楽しいんですよ。

そうやって、いろんなリソースから最適だと思う組み合わせをつくって他人に評価してもらう、という流れは、今の仕事のやり方にも影響していると思います。

イシイ 数少ないゲームという限られたリソースを、いかにコントロールしながら長く遊ぶか、ということを考えていたからこそ、3万時間もゲームができていたかもしれないですね。

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