『五ツ星プリンス』声優 蒼井翔太×作曲家 堀江晶太 インタビュー 意外と地味な○○?

意外と地味…?

──本作はホテルが舞台になっていますが、もし自分が実際にホテルで働くことになったら、どういう役職に挑戦してみたいですか?

蒼井 受付

堀江 無難なところにいきましたね(笑)。

蒼井 龍臣みたいに料理もうまくないし、聖也のようにお片付けとかシーツを換えたりとかもできないし、涼みたいにバーで働けないし。それに男だけど力がないから、那央みたいに重いものを運べないし……。だけど入口の受付なら完璧かなと、笑顔だけはバッチリなんで!

堀江 僕は駐車場の案内をする人がやりたいです。

──何かお2人とも結構、裏方といいますか……(笑)。

蒼井 僕より入口じゃないですか(笑)。

堀江 車を見るのが好きだから、駐車場の担当なら一番見ていられるかなと。

蒼井 それってバイトじゃないですか?

堀江 かもしれないです(笑)。

──お2人は接客の経験は何かございますか?

蒼井 ありますよ。お寿司屋さんでバイトしたり、水道局のコールセンターでバイトしたり。あと、一応バーテンとしてお酒つくっていたこともありました。

事務系のバイトもやってたんですが、そっちは向いてないなと思って。寿司も握る方じゃなくて、ホールやレジみたいな接客をやったりとか、苦手だけど頑張ってやっていましたね。

──そういったお仕事の経験が、今の活動に生きている部分もあるのでしょうか?

蒼井 やっぱり接客で笑顔は鍛えられたというか、人の温かさを感じ取って、自然と笑顔になれるようになったのはよかったですね。

堀江 僕も何個かやってたんですけど、上京してまだ仕事がない頃は、昼間に曲を書いたり応募したり、バンドやったりして、深夜勤でカラオケの店員をやったりしていましたね。

そこで何していたかというと、酔っぱらったおじさんの「落とし物」を積極的に処理していた覚えがあります……(笑)。

逆にそっちの方がほかの仕事よりも楽で、それを処理している間はそれ以外何もしなくていいんですよね。何かあると「俺行きます、行きます」って(笑)。処理している間はもう自分のペースなんで、ゆっくりやって戻ってくるっていう。

あと、僕はあまり普段は自分から曲を聴かない方だったんですが、カラオケでは有線でヒットソングチャートとか流れてるんですよね。

そこでぼーっと作業してる間に、無意識に当時の流行の曲だったり、J-POPの色だったりをインプットできていたので、そういう意味ではあれも今の活動に生きているのかもしれませんね、強いて言えば(笑)。

──朝から晩までずっと音楽漬けだったんですね。

堀江 結果そうなっていましたね。

衝撃的なホテルにまつわるエピソード

「episode2:桐野龍臣は魔法をかける」より

──お2人ともお仕事などでホテルに泊まられることも多いと思いますが、ホテルでの印象的なエピソードなどはございますか?

蒼井 僕、今年初めて国外、香港に行ったんですよ。そこで泊まったホテルで、部屋に入った何分後かに従業員が「ウェルカムフルーツ」っていうのを持ってきてくれて。フルーツを切らずにそのままお皿に載せて、ナイフとフォークを渡されたんですね。

ちょっと感動しちゃったんですけど、このパンケーキを切るようなナイフでリンゴを切るの? ってなって(笑)。驚きましたね。

堀江 結局どうしたんですか?

蒼井 いや、食べ方がわからなかったので食べれなかったです。ウェルカムされたけど、ウェルカムされてやらなかった(笑)。

堀江 僕は、出張でビジネスホテルに泊まったことがあったんですけど、お風呂に入ってたらノックされたんですよ。それでドアを開けたら、酔っぱらった中年のおじさんが部屋になだれ込んできて。

蒼井 なんか縁があるんですかね、酔っぱらったおじさんに。

堀江 いや、縁なのか(笑)。そのままなし崩しで部屋で1時間ほど、「仕事をクビになる」とかそういう話を聞きながら。

それで「じゃ、俺もう部屋戻るわ」って言って、結局よくわからないまま酔っぱらったおじさんの相手をしたということはありましたね。1番それが印象的といえば印象的かな、あまりホテルのエピソードっぽくないけど(笑)。

──なかなか衝撃のエビソードですね。

堀江 あと、これは泊まったわけではないんですけど、「5プリ」のお話を受けて、HOTEL SHINODAのモデルになった都内のホテルにイメージづくりのために下調べに行ったんですね。

豪華絢爛すぎず昔ながらのホテルで、それこそ「5つ星ホテル」というイメージにぴったりな感じで。「文豪が愛したホテル」という触れこみもあったりして、かっこいいなと。いつか泊まってみたいと思いましたね。

歴史ある業界の未来を担うひとりとして

──お2人は若手声優、若手作曲家として活躍されていますが、それぞれ歴史が長く、大御所の方も多くいらっしゃる業界だと思います。

この「5プリ」も、陽一郎の父親が経営する歴史あるホテルを5人の若者が中心となって支えるというストーリーですが、彼らと自分を重ね合わせて思うことなどはございますか?


蒼井 声優業界は、新しい人が出たと思ったらすぐに下から若い方々が出てきて。ちょっと前までは若い女の子の声優さんがいっぱい出てきたというイメージがありますが、今は男の子がいっぱい出てきてる時期で。

そうやって若い人がどんどん増えていくからこそ、日本の宝とも言われるような声優業界やアニメ業界をみんなで守っていかなきゃなと思います。僕もその中のひとりとしてね。

アニソンやキャラソンも、日本でも海外でも愛されていますよね。だからその1曲1曲をつくり上げていく人間としても、プレッシャーもあるんじゃないですか?

堀江 音楽自体の歴史は、とても長いものですよね。その重みは感じつつも、新しいものに寛容な業界だなという印象もあって。

特にゲーム、アニメ、アイドル、漫画といったジャンルは、新しい層や新しい音、新しいものに対してすごく積極的で寛容な場所になっているなと。

自分自身もそこに身を置かせていただいていますが、プレッシャーというよりは、これまでの先人たちが積み上げてきた素晴らしい曲だったりポップスの理論だったりというのを重んじながらも、自分なりのものを提示していきたいと思っているので、今から楽しみですね。

蒼井翔太 // あおいしょうた

声優・歌手

8月11日、福井県生まれ、株式会社S所属。
出演作に「うたの☆プリンスさまっ♪」シリーズ・美風 藍 役、「ダイヤのA」東条 秀明 役等。
声優のみならず、舞台にも精力的に出演しており、2015年11月28日には主演舞台「PRINCE KAGUYA」が開幕する。
2015年5月に2ndライブ「UNLIMITED」を TOKYO DOME CITY HALL で開催。

堀江晶太 // ほりえしょうた

作曲家

5月31日生まれ/AB型/岐阜県出身
作編曲家として早くより活動。
ゲームミュージックとバンドサウンドとDTMに貴重な青春の全てを捧げた為、
ロックを中心とした派生系ジャンルが得意。
上京後、音楽制作会社に入社、2013年から独立。
近年はアニメ主題歌やアーティスト楽曲等を多く手がける。

【堀江晶太】過去担当楽曲
・アニメ「魔法科高校の劣等生」主題歌 「Rising Hope」 編曲
・アニメ「ソードアートオンライン マザーズロザリオ編」EDテーマ「シルシ」編曲
・アニメ「テラフォーマーズ」主題歌「AMAZING BLEAK」作詞作編曲
・アニメ「テラフォーマーズ」EDテーマ「Lightning」作詞作編曲
・アニメ「ベイビーステップ」EDテーマ 「ベイビーステップ」 作詞作編曲
・茅原実里 Single「危ないくらいに熱くなれ」作編曲
・寿美菜子 Single「Believe x」作曲
・金元寿子 Album「Yellow Sunshine」作詞作編曲
・melost Album 「CaLLing」 作編曲
・LiSA Album「Doctor」「逆光オーケストラ」「蜜」「エレクトリリカル」編曲
・PS3ゲーム 「俺たちに翼はない」主題歌「PRECIOUS」 作編曲
・PSPVitaゲーム「戦場の円舞曲」主題歌、ED、劇伴制作
・パチスロ「戦国乙女」シリーズ 「乙女ハ強ク麗シク」 作詞作編曲
・CM音楽「ZOZOTOWN」「阪急百貨店」など
・キャラクターソング等「プリキュアシリーズ」「魔法戦争」「蒼き鋼のアルペジオ」など

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