本展では、高橋さんが日本のアートと文化を考えるためのキーワードとして提案する「ミラー・ニューロン」をタイトルに冠し、歴史的な視座から、日本現代アートの流れを読み解いていくという。
草間彌生さん、舟越桂さん、名和晃平さん、Chim↑Pomなど、大ベテランから若手まで、そうそうたる顔ぶれの52人の作家の、約140点にも及ぶ作品を展示する。
日本の現代美術家そろいぶみ ミラー・ニューロンとは?
「高橋コレクション」は、1990年代以降の日本のアートシーンを俯瞰するうえで欠かせない存在として、アーティストや批評家、コレクター等から高い評価を得てきた。高橋龍太郎さんは、奈良美智さん、村上隆さん、会田誠さん、ヤノベケンジさんといった、日本の現代アートを代表する作家たちにいち早く注目し、コレクターとして名を馳せた人物。
また、近年では日本の現代美術の重要な動向とされる「もの派」をはじめ、ベテラン作家の作品も積極的に収集する姿勢を見せている。前述以外にも、横尾忠則さん、山口晃さん、Mr.さん、束芋さん、町田久美さんなど、多くの有名作家が名を連ねている。
日本現代アートの歴史をなぞりつつ、その重要な部分を凝縮して再確認できる展覧会となりそうだ。本展に寄せて、高橋龍太郎さんは、「ミラーニューロン」について以下のようにコメントしている。
ミラーニューロンはイタリア、パルマ大学のジャコモ・リゾラッティによって、1996年発見された神経細胞である。実験者がエサを拾い上げたときに、それを見ていただけのマカクザルが、エサを取るときと同じ脳の部位が活動したことに由来する。このように他者の行動を自分もやったかのように映すニューロンは、人間にも存在することが確かめられている。
人間はこのミラーニューロンによってもたらされる模倣行動によって、他者の行動を理解し共感する。人間の言語をこのミラーニューロンによって獲得されたものとする学説もある。
しかし人間にとって最大の模倣は自然への模倣だろう。アリストテレスは、芸術は自然を模倣するとして、模倣(ミメーシス)を人間の本質と高く評価した。
1980年代以降現代アートは模倣と引用によるシミュレーショニズムの影響なくしては語れない。しかしシミュレーションといえば、日本には本歌取り、見立て、やつし等、千年の歴史がある。とするなら日本の現代アートシーンは、正面に西欧のアートミラーがあり、背後に千年の伝統ミラーを見据える合わせ鏡の只中にあることになる。
それは世界のアートシーンのなかの稀有な痙攣する美になるのか。はたまた無限に映し返される煉獄に過ぎないのか。 高橋龍太郎さんのコメント
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イベント情報
高橋コレクション展 ミラー・ニューロン
- 会期
- 2015年4月18日(土)〜6月28日(日)
- 会場
- 東京オペラシティ アートギャラリー
- 開館時間
- 11:00–19:00(金・土は20:00まで/最終入場は閉館の30分前まで)
- 休館日
- 月曜日(ただし5月4日は開館)
- 入場料
- 一般1200[1000]円/大・高生800[600]円/中学生以下無料
同時開催「収蔵品展 051 3O+A」「project N 60 富田直樹」の入場料を含みます。
収蔵品展入場券200円(割引は無し)もあり。
( )内は15名以上の団体料金
障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。
Arts友の会会員は無料。(会員証をご呈示ください)
割引の併用および払い戻しはできません。
■出品作家
会田誠、青木陵子、青山悟、淺井裕介、荒木経惟、安藤正子、池田学、伊藤存、井上有一、榎倉康二、大岩オスカール、岡田謙三、小沢剛、小谷元彦、風間サチコ、樫木知子、加藤泉、加藤美佳、金坂健二、草間彌生、鴻池朋子、小林孝亘、小林正人、近藤亜樹、塩保朋子、菅木志雄、須田悦弘、関根伸夫、辰野登恵子、束芋、Chim↑Pom、中村一美、奈良美智、名和晃平、西尾康之、蜷川実花、橋本雅也、舟越桂、町田久美、松井えり菜、丸山直文、Mr.、宮永愛子、村上隆、村瀬恭子、森村泰昌、森山大道、やなぎみわ、ヤノベケンジ、山口晃、横尾忠則、李禹煥
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