12月28日(土)から30日(火)まで開催される「コミックマーケット87」にて発売されることになった、SF小説『BEATLESS』のベースともなっている、長谷敏司先生によるSF世界設定『アナログハック・オープンリソース』をテーマにしたコンピレーションイラスト集『ANALOGHACK』。
総勢18人のイラストレーターが考えるそれぞれのアンドロイド(hIE)像を描くこの本の表紙イラストを務めるのは、小説版『BEATLESS』のキャラクターデザイン・イラストも担当しているredjuiceさんだ。
今回はredjuiceさんに表紙イラストが完成するまでのメイキング紹介と共に、今回のイラスト集への意気込みをうかがった。
記事の最後には、制作風景を生放送した際の6倍速動画も公開!
『BEATLESS』原作者である長谷敏司さん自身が、作品の世界観を他の創作者も自由に使えるようにする「アナログハック・オープンリソース」という試みを進めています。
それに賛同する形で、各イラストレーターに自由なイメージで思い思いのhIE(Humanoid Interface Elements)と呼ばれるロボットを描いていただこうという企画ですね。
──redjuiceさんはすでに本編である小説などでもhIEのイラストを描かれていますが、今回の企画ではどのようなコンセプトでイラストを描かれたのですか?
今まで本編の中では「戦う女の子」をたくさん描いてきたので、今回は「戦わない女の子」を描いてみたいなと思い、スポーツをするためのスプリンター型hIEという設定で考えました。
現代のGTグランプリのように、市販モデルをベースにした個体を決められたルールの中で改造して争うレースが22世紀でもhIEによって盛んに行われているという設定で、今回の子はその短距離スプリントのクラスで活躍するモデルです。
スポーツ選手ということでは他にも水泳やモータースポーツなど、色んな競技を考えたんですが、表紙を飾る絵として一番わかりやすいのは陸上選手かな、と。
実は、初期の段階では傭兵として描く案もあったのですが、今回の参加者の中で戦闘ロボットをラフで挙げていただいた方がいて、多様性を持たせるためにもこのテーマとなりました。 ──人間ではなくhIEを描くということで特別意識することはありますか?
基本的にhIEは見た目では人間と大差ないという設定なので、特別意識を持って人間とは変えることはないように描いてますね。今回は特に市販モデルと大きく変えないというコンセプトでもありますし。唯一ボディスーツのデザインにこだわったくらいで、表情や体つきは自然体で描いてます。
ちなみに今回のイラストについては普段とすこし進め方が違っていて、キャラクターデザイン先行ではなくイラスト先行だったので、デザインの方が後からついてくる感じなんです。一応ラフはあるんですが、そこではまずおおまかなアウトラインをざっくりと描いておいてイラストを進めつつ、ラフにも描き足したりバランスの調整を加えながら、というスタイルで進めました。
──ラフの段階から全てデジタルで作業されているんですか?
そうですね、すべてデジタルです。仕上げはPhotoshopですが、キャラクターを描くときは基本的にCLIP STUDIO PAINTです。最近はラフの段階から使っていますね。
──この段階で細かいパーツ類もすでに頭のなかでは考えていたりするのでしょうか?
正直なところ機能性というよりは見た目でかっこ良ければいいという、感覚先行で描き始めているので、細かいパーツ分けまでは意識していないです。こういう感じにしていこうという大体の見立ては持ちつつ描いていますね。
──作業をはじめてからラフまで、大体どれくらいかかりましたか?
早ければ描き始めてからラフの完成までは数時間なのですが、今回はちょっと悩んだので1日くらいかかっていますね。
──どのような点で悩まれたんですか?
キャラのポージングをどうするか、いくつかパターンを試しながら悩んでいました。
例えば車の広告を意識したような、走者のスターティングポジションの姿勢を側面から描いた構図もあったんですが、横長の構図では表紙に収めにくいということもあり、最終的には正面から捉えた今の構図になりました。
【次ページ】ラフを元に本格的なイラスト制作へ
総勢18人のイラストレーターが考えるそれぞれのアンドロイド(hIE)像を描くこの本の表紙イラストを務めるのは、小説版『BEATLESS』のキャラクターデザイン・イラストも担当しているredjuiceさんだ。
今回はredjuiceさんに表紙イラストが完成するまでのメイキング紹介と共に、今回のイラスト集への意気込みをうかがった。
記事の最後には、制作風景を生放送した際の6倍速動画も公開!
イラスト集『ANALOGHACK』とは一体どんな本?
──表紙イラストを手掛けられた今回の『ANALOGHACK』ですが、一体どのようなコンセプトの本なのでしょう?『BEATLESS』原作者である長谷敏司さん自身が、作品の世界観を他の創作者も自由に使えるようにする「アナログハック・オープンリソース」という試みを進めています。
それに賛同する形で、各イラストレーターに自由なイメージで思い思いのhIE(Humanoid Interface Elements)と呼ばれるロボットを描いていただこうという企画ですね。
──redjuiceさんはすでに本編である小説などでもhIEのイラストを描かれていますが、今回の企画ではどのようなコンセプトでイラストを描かれたのですか?
今まで本編の中では「戦う女の子」をたくさん描いてきたので、今回は「戦わない女の子」を描いてみたいなと思い、スポーツをするためのスプリンター型hIEという設定で考えました。
現代のGTグランプリのように、市販モデルをベースにした個体を決められたルールの中で改造して争うレースが22世紀でもhIEによって盛んに行われているという設定で、今回の子はその短距離スプリントのクラスで活躍するモデルです。
キャラクターのデザインを考える キャラクター設定〜ラフスケッチ
──今回のスプリンター型hIEという設定に決まるまでにほかの選択肢はありませんでしたか?スポーツ選手ということでは他にも水泳やモータースポーツなど、色んな競技を考えたんですが、表紙を飾る絵として一番わかりやすいのは陸上選手かな、と。
実は、初期の段階では傭兵として描く案もあったのですが、今回の参加者の中で戦闘ロボットをラフで挙げていただいた方がいて、多様性を持たせるためにもこのテーマとなりました。 ──人間ではなくhIEを描くということで特別意識することはありますか?
基本的にhIEは見た目では人間と大差ないという設定なので、特別意識を持って人間とは変えることはないように描いてますね。今回は特に市販モデルと大きく変えないというコンセプトでもありますし。唯一ボディスーツのデザインにこだわったくらいで、表情や体つきは自然体で描いてます。
ちなみに今回のイラストについては普段とすこし進め方が違っていて、キャラクターデザイン先行ではなくイラスト先行だったので、デザインの方が後からついてくる感じなんです。一応ラフはあるんですが、そこではまずおおまかなアウトラインをざっくりと描いておいてイラストを進めつつ、ラフにも描き足したりバランスの調整を加えながら、というスタイルで進めました。
──ラフの段階から全てデジタルで作業されているんですか?
そうですね、すべてデジタルです。仕上げはPhotoshopですが、キャラクターを描くときは基本的にCLIP STUDIO PAINTです。最近はラフの段階から使っていますね。
──この段階で細かいパーツ類もすでに頭のなかでは考えていたりするのでしょうか?
正直なところ機能性というよりは見た目でかっこ良ければいいという、感覚先行で描き始めているので、細かいパーツ分けまでは意識していないです。こういう感じにしていこうという大体の見立ては持ちつつ描いていますね。
──作業をはじめてからラフまで、大体どれくらいかかりましたか?
早ければ描き始めてからラフの完成までは数時間なのですが、今回はちょっと悩んだので1日くらいかかっていますね。
──どのような点で悩まれたんですか?
キャラのポージングをどうするか、いくつかパターンを試しながら悩んでいました。
例えば車の広告を意識したような、走者のスターティングポジションの姿勢を側面から描いた構図もあったんですが、横長の構図では表紙に収めにくいということもあり、最終的には正面から捉えた今の構図になりました。
【次ページ】ラフを元に本格的なイラスト制作へ
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