イラストレーター/VTuberのしぐれういさんが、9月2日に「お返事まだカナ💦❓おじさん構文😁❗️」のカバーを自身のYouTubeチャンネルで発表した。
この曲は、音声合成エンジン・VoiSonaのライブラリ「雨衣」を用いた楽曲。しぐれういさんの声がベースとなった音声合成エンジンの楽曲を、本人がカバーした形だ。
カバー曲側には、本家側のコーラスやおじさんの声も使用。オリジナルのリスペクトも込められたカバーに仕上がっている。
おじさんの空回りメッセージがテーマ ショート動画で流行した「おじさん構文」
「お返事まだカナ💦❓おじさん構文😁❗️」の楽曲・動画の制作者は吉本おじさん。中年がメッセージアプリなどで送信する際にありがちな文体をテーマにした、ポップだけどシニカルな楽曲だ。
5月末にYouTube/ニコニコ動画上でMVが公開後、再生回数はYouTubeで2500万回、ニコニコ動画で65万回を突破。
Billboard Japan発表の「ニコニコ VOCALOID SONGS TOP20」では3週連続で首位を獲得するなど、記録的ヒットを挙げている。
また、ショート動画にも数多く採用されており、TikTokなどでは曲に合わせてダンスをする動画が急増。ミームとして広がりつつある。
花譜&可不に「ゼンゼロ」イメージ曲……意外と多い「本家カバー」
「音声合成エンジンが歌った曲を、音声ベースとなった本人が歌う」という、テクニカルなセルフカバーとも言えるこのカバー。
先例は決して少なくはなく、しぐれういさんと同じく、CeVIO AIソングボイス・可不の音声ベースとなったバーチャルシンガー・花譜さんも、可不を使用した楽曲「フォニイ」をカバー。可不ともにデュエットした動画を公開している。
さらにさかのぼれば、ボーカロイドの鏡音リン・レンのキャラクターボイスを担当した声優・下田麻美さんが、自ら鏡音リン・レン楽曲をカバーしたアルバム『Prism』が2009年に発表されている。
また、よりテクニカルな例として、シンガーソングライター・弌誠さんの楽曲「モエチャッカファイア」が挙げられる。
この楽曲は、アクションRPG『ゼンレスゾーンゼロ』の登場キャラクター、エレン・ジョーのイメージソングとして制作。その後、『ゼンレスゾーンゼロ』の1周年を記念して、エレン・ジョー(CV:若山詩音さん)本人がカバーした動画が公式から発表されている。
あえて名付けるなら「本家カバー」ともいえるこの事象は、コンテンツやタレントとファンの関係性を示す、ユニークな動きだ。

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