ボカロP・柊マグネタイトさんが2月9日、YouTubeおよびニコニコ動画で公開したばかりの新曲「ざぁこ」のMVを公開停止にした。
その理由について柊マグネタイトさんは、自身のX(外部リンク)で、「歌詞・描写に不適切な表現が含まれているとのご指摘を受け、様々なご意見を頂戴しました」と説明。
そこで本MVを非公開にし、リメイク版「ざぁこリメイク版」として再公開することに決めたという。
歌愛ユキが扇情的/挑発的な言動をとる「ざぁこ」
「ざぁこ」は、楽曲「テトリス」「マーシャル・マキシマイザー」で知られるボカロP・柊マグネタイトさんが2月9日に発表したVOCALOID(ボーカロイド)楽曲。
歌唱は、「ボカロ小学生」「可愛い女の子の歌声を元に制作」と銘打ち、実際の小学生を起用(※)してAHS社が開発した歌愛ユキ。
「VOCALOID™4 ボカロ小学生 歌愛ユキ」/画像はAHS公式サイトより
(※)2009年に発売されたVOCALOID2版の商品説明に記載。2015年に発売された現行モデルのVOCALOID4版は、「『VOCALOID2 歌愛ユキ』に新機能『グロウル』を加えて」制作された。
MVの制作は、「ラビットホール」「メズマライザー」を手がけたCAST(旧・channel)さんが担当した。
歌詞の内容は、歌愛ユキ(非公開になったMVでは、学生服を着た=小学生から成長した姿で登場)が、直接的な性的表現はないものの、扇情的/挑発的な言動をとる、というものだった。
「ざぁこ」に登場する15歳の歌愛ユキ/画像はCASTさんのXより
海外リスナーから「ガイドライン違反」「児童ポルノに該当」と批判
近年、性的に扇情的/挑発的な言動をとる未成年の女性を「メスガキ」などと呼称し、それを題材にしたアダルト作品が2次元コンテンツを中心に流行している。
そういった作品で定型的に使われているフレーズも、「ざぁこ」の歌詞には用いられている。
ざぁこ / 歌愛ユキ
— 柊マグネタイト (@hiiragi_magne) February 8, 2025
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また、歌愛ユキの英語版(※)のキャラクター仕様ガイドライン(外部リンク)には、「公序良俗に反する利用(日本国の適用法におけるわいせつ、性的、冒涜的な定義を含む)」を禁止すると記載されている。
(※)なお日本版のガイドラインでは、「公序良俗に反するような使用」という記述にとどまっている。
そういった文脈や背景があり、「ざぁこ」に対しては海外リスナーから「歌愛ユキに扇情的/挑発的な言動をとらせるのは、ガイドライン違反なのではないか」と指摘。
欧米圏などでは小児性愛に対する法規制が厳しいということもあり、「歌愛ユキのボイスモデルは(当時)小学生なので、児童ポルノに当たるのではないか」といった批判もあがっていた。
MV制作者も「考えが甘く、自分の思慮と腕が足りなかったです」と謝罪
MVの非公開に際し、映像を制作したCASTさんもXを更新(外部リンク)。
「実は『ざぁこ』についての懸念は制作中にも意識していたことで、ユキを成長させたり、婉曲的な表現を使うとかで多少刺激的でも「ラブコメ」程度に認識されないかと思っていたのですが、考えが甘く、自分の思慮と腕が足りなかったです」と謝罪した。
柊マグネタイトさんは、制作予定のリメイク版について、「楽曲とMVの魅力を最大化し、多くの方が提起してくださった問題点をすべて解消できる作品にしたいと考えております」と説明。
「皆さまからのご意見を大切にし、より良い形で作品を公開できるよう努めてまいります。『ざぁこリメイク版』にご期待いただけると幸いです」と声明を結んでいる。
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