チャットアプリ・Discord(ディスコード)が10月9日、ロシアからアクセスできない状態であることが明らかになった。ロシアの国営通信社・TASS通信が報じている(外部リンク)。
報道によれば、ロシア連邦通信・情報技術・マスコミ分野監督庁(ロスコムナゾール)は、ロシアにおける法律違反を理由にDiscordをブロック。
この法律は「テロや過激派の活動への利用、テロや過激派の活動への市民の勧誘、麻薬の販売、違法な情報投稿などを防ぐために遵守する必要がある」ものだと説明している。
Discordを巡っては同日、ロシアと結びつきが強い中東の国・トルコでもアクセスを制限されたことが、現地メディアによって報じられている。
ゲーマーを中心に様々な文化を形成する「Discord」
Discordは、アメリカ・サンフランシスコのDiscord社が運営するチャットアプリ。低遅延のボイスチャット機能がゲーマーを中心に重宝されている。
近年では、Discordユーザーがアプリ内でつくれるサーバー機能によって様々なコミュニティが形成。
ゲーマーや友人間によるもの、ゲーム開発者とプレイヤーとが交流するもの、ゲーム以外にも読書会や研究者同士の情報交換など、幅広く利用されている。
プラットフォームへの規制を強めるロシアの動き
ロシアは数年前から、外国のプラットフォーム企業に対し、違法とみなすコンテンツを削除するように命令。企業が従わなかった場合は、定期的に少額の罰金を科してきた。
10月1日にも、ロシア連邦通信・情報技術・マスコミ分野監督庁がDiscordに対して、「児童ポルノ、過激主義の呼びかけ、未成年者の違法行為への関与、自殺の呼びかけ、LGBTの宣伝、麻薬推奨」など、違法とみなす約1000件の投稿を削除するよう命じたと報道されていた(外部リンク)。
ロシアでは2023年、ウラジーミル・プーチン大統領が伝統的価値観を推進するため「LGBTプロパガンダ」への規制を拡大。
2022年にもTwitter(現X)やFacebookとInstagramへのアクセスを、同年2月24日のウクライナ侵攻直後に禁止している。
今回のDiscordへの禁止措置も、こうした規制の流れを受けてのものと考えられる。
Discordはトルコでも制限、ブラジルではXの制限が解除へ
一方、トルコではDiscordで特定のグループが児童をターゲットに、誘惑、脅迫を行っているとの報告が浮上。
また、女性2人を殺害した男性を称賛するメッセージが表面化。Xで閉鎖を求める声が「#DiscordKapatılsın(Discordを閉鎖せよ)」というハッシュタグと共に広がっていた(外部リンク)。
大型SNSプラットフォームの規制といえば、ブラジルで8月、司法当局が極右勢力などによる偽情報の拡散防止のために、特定のアカウントを制限するようXに要求。
これをXのCEOであるイーロン・マスクさんが検閲として拒否したため、ブラジルからのXへのアクセスが制限されていた。
こちらはXが司法当局の求めに従い、特定のアカウントの削除したため、ブラジル最高裁は10月9日にXの再開を許可している。
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