『パルワールド』ポケモン化MOD、大手共有サイトが公開拒否「リスクに見合わない」

株式会社ポケットペアの開発したゲーム『Palworld / パルワールド』について、ユーザーが独自に改造したデータ“MOD”の大手共有サイト「Nexus mods」が声明を発表。

『Palworld / パルワールド』に登場するモンスターであるパルを「ポケットモンスター」シリーズに登場するポケモンに変更できるMODとして注目を集めていた「Palworld Nintendo Mods」について、同サイトでの共有を認めない考えを明らかにしました。

「Palworld Nintendo Mods」を制作したToastedShoesさんは、当初は有料でのリリースを検討していましたが、任天堂からのデジタルミレニアム著作権法（DMCA）による削除申請の申し立てを受けて中止を発表。無料リリースの方法を検討していたところでした。

『パルワールド』のパルをポケモンにするMOD、コミュニティでも共有禁止に

Nexus modsは『Skyrim』や『Fallout 4』などのPCゲームのMODを取り扱う大手共有サイト。

キャラクターのモデルやUIの変更、バランス調整やグラフィックの改善など、様々なMODが共有されています。

MODは英語圏を中心にゲーマー文化の一つとして捉えられており、あるゲームのMODからスタートした名作ゲームも数多く存在しています。

「Palworld Nintendo Mods」についてNexus modsは、海外のゲームメディア・PCGamesNの取材に対して、「このコンテンツをコミュニティで共有することを許可するリスクを冒す価値があるとは考えていない」と回答（外部リンク）。

『Palworld / パルワールド』がポケモンに類似していることや、ファンメイドのコンテンツに対してのこれまでの任天堂の姿勢を踏まえて、「ほぼ確実に法的措置のリスクにさらされることになります」との見解を披露しました。

渦中のMODである「Palworld Nintendo Mods」はリリースの速度や、ポケモンの3Dモデルの再現度から、「ポケモン」からのリッピング（3Dモデルのデータを取り出すこと）の疑惑も浮上。

Discordの「Palworld Modding Community」などでも共有禁止の対応が取られています。

MODだけでなく議論を呼んでいる『Palworld / パルワールド』

『Palworld / パルワールド』は、1月19日にアーリーアクセス版がリリースされたオープンワールドゲーム。

プレイヤーは不思議な生き物・パルが暮らす広大な世界を冒険。マルチプレイモードにも対応しており、Steam版のピーク時同時接続プレイヤー数で歴代2位に登り詰めるなど、爆発的なヒットを記録しています。 一方で、登場するキャラクターのデザインについては「ポケットモンスター」シリーズ、ゲームシステムについても『ARK: Survival Evolved』などの他、マップについても他のゲームとの類似性が指摘されています。

ただし、任天堂がDMCAの削除申請を行なったのはあくまでポケモン風MODであって、『Palworld / パルワールド』自体ではないことには留意したい。

法的／倫理的な観点からの批判だけでなく、アーティストへの誹謗中傷にも発展しており、ポケットペアの代表・溝部拓郎さんは、制作物の責任は自身にあるとしながら、そうした言論をやめるように呼びかけています。