苺プロダクションに所属するアイドルグループ・B小町の新曲「POP IN 2」のMVが10月6日にYouTubeで公開された。
作詞・作曲は、旧B小町(※)の代表曲「STAR☆T☆RAIN」をはじめ数多くの楽曲を手がけてきた音楽クリエイター・ヒムロが担当。映像は、インスタグラマー/映像クリエイターであるアネモネ・モネモネが手がけている。
(※)旧B小町は、センターをつとめていたアイの死亡事件の2年後に解散。
ヒムロによるポップな電波ソングを、有馬かな、MEMちょ、星野ルビーのメンバー3人が可愛らしく歌い踊るMVに仕上がっている……のだが、ひとつ奇妙な点がある。
星野ルビーに関連する演出だけ、ミステリアスでダークすぎるのだ。
……と、『【推しの子】』劇中世界のカルチャー系メディアは記事にしたのではないだろうか。
※この記事には、アニメ『【推しの子】』第2期および原作漫画第81話のネタバレが含まれます。
アニメ『推しの子』新生B小町初のオリジナルソング「POP IN 2」
ご存知の通り、苺プロダクションは、漫画/アニメ『【推しの子】』に登場する架空の芸能事務所。ヒムロやアネモネ・モネモネといった人物も、作品の登場キャラクターだ。
実際の「POP IN 2」の作詞はつむぎしゃちさん、作曲は久下真音さんとつむぎしゃちさん、編曲は久下真音さんが担当した。
「POP IN 2」は10月6日に放送されたアニメ『【推しの子】』第2期最終回である第24話「願い」内で公開。主人公のひとりである星野ルビーが所属するアイドルグループ・新生B小町初となるオリジナルソングだ。
劇中では、もうひとりの主人公・星野アクアがナレーションでも語っているように、このMVが大きな注目を集めたことを機に、新生B小町はスターダムへとのし上がっていく。しかし、原作読者の筆者は度肝を抜かれた。
原作漫画では一コマずつ描かれていた描写が、アニメとして映像で表現されることで、劇中世界で今回のMVが話題になった理由に、説得力がもたらされていたからである。
“何か”を強く訴える、闇堕ちした星野ルビーの存在感
実際『【推しの子】』の原作漫画でも、MVの完成度の高さや世間に与えた衝撃、そしてそれらの理由について言及されている。
アニメ第2期最終回の次のエピソードに当たる原作第81話で、MEMちょはMVの中心にいたのは星野ルビーであると指摘。
その上で「いつものルビーとは違う ミステリアスでダークな雰囲気を纏い 何かを強く訴える視線は 見る者の心に 何かしらの爪痕を残した」と形容したように、このMVの星野ルビーは明らかに異様だ。
アニメ第23話「再開」〜第24話「願い」で星野ルビーは、「POP IN 2」のMV撮影期間中に、前世で淡い恋心を寄せていた“せんせー”こと雨宮吾郎の白骨死体を発見してしまう。
そして謎の少女との出会いによって、その雨宮吾郎を殺した犯人が、母親の星野アイを殺した犯人と同一人物であることを知ってしまう(そして瞳の星が真っ黒=殺意/復讐心に染まってしまう)。
その結果、「POP IN 2」のMV中には、明るく天真爛漫な本来の星野ルビーと、狂気に染まってしまった星野ルビーの2つの姿が混在している。背景を知らない人から見れば、凄まじすぎるギャップだ。
原作漫画では、MVの制作工程にフォーカスを当てて物語が進行していたため気づけなかったが、実際にアニメで完成したMVを目の当たりにすると、可愛らしくダンスしていた星野ルビーが突然豹変したので驚いた。
ポップな曲調では隠しきれない、星野ルビーの底知れぬ闇と病み
「POP IN 2」のMVにおける星野ルビーの存在感は、センターをつとめる“10秒で泣ける元天才子役”の有馬かなや、人気YouTuberであるMEMちょをも凌駕している。
付け加えるならば、このMV公開時点での星野ルビーは、他の2人のメンバーと比べると知名度も実績も劣っていた点も注目したい。劇中世界の視聴者の目線から見れば、無名に近い新人が突如衝撃的なパフォーマンスを披露したのである。
ポップな曲調、可愛らしい振り付けや演出でも隠しきれない、星野ルビーの底知れぬ闇と病み──それが恐らく、『【推しの子】』劇中世界で、「POP IN 2」のMVが話題になった理由なのだろう。
なお、アニメ『【推しの子】』はすでに第3期の制作が決定。特報映像には前述した「POP IN 2」が使用されている。
しかしながら、映像後半に登場するのは、瞳に漆黒の星を光らせる星野ルビー。楽曲とのあからさまなギャップが、アニメ3期の展開を物語っているようにも見える。
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2件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:11592)
めちゃ良かった
匿名ハッコウくん(ID:11007)
良い考察ですね