作者の力量が表れる、失恋した登場人物の描写
筆者が本稿の冒頭に、“恋に敗れた登場人物の描写にこそ、恋愛漫画の真価がある”と書いた理由。
それは、失恋という手痛い経験をその登場人物の成長に繋げられるか否かに、作者の力量が表れると考えているからです。
一方が幸せになり、一方が不幸になるだけであれば、単純に物語としても片手落ちでしょう。読後感にも大きく関わってきます。
この点において『覆面系ノイズ』は完璧な結末でした。
『覆面系ノイズ』が描く、美しい恋の終わりとはじまり
主人公のニノは最終的にモモを選び、ユズは失恋します。一方でニノは、イノハリのボーカル・アリスとして、いつまでもユズがつくる曲を歌い続けると誓います。
ユズとイノハリの一員として苦楽を共にし、支え合い成長してきたからこそ出る言葉でした。ある意味、告白のようなこの誓いを受けて、ユズは恋が叶うより嬉しいと感じ入ります。
そして、混じり気なしの笑顔で「す...
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