PAさんのVTuber活動などを描くオリジナル展開も
原作を様々な側面から掘り下げる、スピンオフらしいスピンオフの『廣井きくりの深酒日記』。上記したように多くのキャラクターが登場し、新しい一面も見ることができるのですが、当然メインになっているのはきくりです。
作中ほとんどの場面で酔っ払っており、ライブではテンションが高まっては機材を壊し、常に金欠で他人にお金を無心する……原作で描かれているダメ人間としての解像度が上りまくります(上がって良いのか?)。
例えば、金欠が極まったきくりがほぼ文無しで新宿の有名な飲み屋街「ゴールデン街」に繰り出し、初対面の人から奢ってもらうタダ酒ライフハック編(3話)は秀逸でした。
かつて音楽をやっていたという妙齢の夫婦(たぶん)に会うと、バンドマンとしての夢を語って応援してもらう作戦を実行。常連の店では飢えた猫よろしく残飯にありつき、調子の良い若者に絡まれてもなんだかんだ仲良くなって奢られる。きくりの人たらしな性格がよく伝わる内容になっています。廣井きくりの深酒日記、3話目と4話目の先読みが公開しました!どちらも「逞しく生きているきくりさん偉いね」ってお話です!週末のお供にぜひよろしくお願いします!🍻https://t.co/3szM6cQH5S#廣井きくりの深酒日記 #ぼっち・ざ・ろっく pic.twitter.com/lrnSSj6ya1
— くみちょう (@kumichooooo) August 5, 2023
また、原作でも人気のエピソードをきくりの視点で見る場面や、その裏で何があったのかがわかるパートも必見です。
原作の主人公・ひとりと初めて出会う前夜にきくりは何をしていて、なぜ泥酔していたのか。結束バンドの文化祭ライブを見に来たきくりと星歌は、文化祭自体はどう楽しんでいたのか。
そしてSICK HACKのクリスマスライブに結束バンドが招かれた時に、SIDEROSの面々は何を思っていたのか? ファンなら見逃せない舞台裏を知れるのも嬉しいポイントです。
さらに、音戯アルトという名のVTuberでもあるPAさんが、活動の一環でとあるイベントに参加している場にきくり&イライザが絡むエピソードなど、なかなか興味深いオリジナル展開もあります。
そんな『廣井きくりの深酒日記』は、電子版が先行販売中です(紙版は2月1日に刊行)。
ファンならもちろん買いですし、純粋に漫画としても面白い! 買うっきゃない!
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連載
テーマは「漫画を通して社会を知る」。 国内外の情勢、突発的なバズ、アニメ化・ドラマ化、周年記念……。 年間で数百タイトルの漫画を読む筆者が、時事とリンクする作品を新作・旧作問わず取り上げ、"いま読むべき漫画"や"いま改めて読むと面白い漫画"を紹介します。
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