ヒップホップで普及している“フリービート”
YouTubeやニコニコ動画といった動画配信サービス、音楽配信代行サービスなど通じ、誰でもメジャーアーティストと同じようにインターネットで楽曲を発表できるようになった現代。ヒップホップシーンでは、ラップに使用する“フリービート(無料でダウンロードできるビート)”や“タイプビート(〇〇風のビート)”といったインストゥルメンタルのビートが普及している。
2016年、世界中で大ヒットしたラッパー・Desiignerさんの楽曲「Panda」も、元を正せばYouTubeで200ドルで販売されていたビートだった(外部リンク)。
今回、物議を醸した「REMEMBER」も、(2人の言を信じるのであれば、ではあるが)恐らくこのような過程を経て制作されたのだろう。①トラックメーカーや音楽プロデューサーが、ビートを制作してサンプル動画をYouTubeに載せる(タイプビートの場合、参考にしたアーティストの名前が冠されることが多い)
②ビートを聴いて気に入ったラッパーが、その独占権と使用権を買う(独占権を買わない場合は、そのトラックが他のアーティストにも使われることがある)。
③購入したトラックをベースにして自由に録音・加工を行い、発表する。
無断でサンプリングしたのはラッパー側か? フリービート制作者か? それとも?
すると、「ツキミソウ」を“盗作”(※)したのは、Lil DivaさんとMintoさんなのだろうか(③の段階)。それともトラックメイカーや音楽プロデューサーなのだろうか(①の段階)。(※)ただし、ある楽曲を元ネタに別の楽曲を生み出す「サンプリング」という手法は、ヒップホップでよく見られる歴とした音楽的手法のひとつであることは付記したい。今回はそのクリアランス(権利処理)がきちんと行われていなかったことが問題なのである
第三者が無断でサンプリングし、そのボイスサンプルが何らかしらの方法で配布されていて、トラックメイカーはそれを使っただけという可能性もなくはない(ただし、繰り返しにはなるが、その場合でもトラックメイカーはもちろんだがそれをさらに購入してそのまま使ってしまった2人も迂闊であるという指摘からは逃れられない)。
現在のところ、無許可でサンプリングした人物が誰なのかまでの詳細は語られていないが、今回の騒動を受けて、Lil DivaさんはInstagramのアカウントを削除(Mintoさんは執筆時点で現存)、「REMEMBER」に使用されたビートを制作したトラックメイカー・BmonumetさんもYouTubeやSNSの投稿を削除している。
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1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:10190)
本当に盗作の責任が2人にあったか?
何言うてんのお前