『ちいかわ』人気が東アジアで急拡大 「世界的に消費傾向がオタク化」と判明

『ちいかわ』人気が東アジアで急拡大 「世界的に消費傾向がオタク化」と判明
『ちいかわ』人気が東アジアで急拡大 「世界的に消費傾向がオタク化」と判明

漫画『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』1巻/画像はAmazonから

BEENOS株式会社が、海外でヒットした商品カテゴリや消費傾向を紹介する「越境EC ヒットランキング 2023」を公開した。

EC支援実績5000件以上のBEENOSグループの購買データより、2023年の消費傾向を振り返り作成している。

同ランキングによると、調査対象である北米、中南米、東アジア、東南アジア、中東、ヨーロッパの6エリア全てで10代ユーザーが伸長。幅広いジャンルの購買が拡大しており、「世界総オタク化消費」とも言うべき状況になっているという。

アニメでは『チェンソーマン』『ちいかわ』『ぼっち・ざ・ろっく』等が人気。特に『ちいかわ』は、東アジアで爆発的人気を見せており、グッズの購入件数が昨対比で1590%もの伸長を記録している。

【画像】ランキングの中でも注目の動きを特集

コロナ禍や円安を追い風にしている“越境EC市場”

国内市場にとどまらず、EC事業をグローバルに展開する“越境EC市場”はコロナ禍や円安を追い風に伸長。

BEENOSの海外向け購入サポートサービス「Buyee(バイイー)」も好調で、2023年第4四半期の流通総額は前年同期比42.4%増で過去最高を記録したという。

そんな同社が2023年に越境ECでヒットした日本発の商品や、エリアごとの消費・購買傾向を調査・発表したのが今回のランキングとなる。

2023年の消費キーワードは「世界総オタク化消費」

2023年のヒットランキング、伸長ランキングでは、「おもちゃ・ホビー・グッズ」「音楽」「ファッション」「フィギュア」など、越境ECの人気カテゴリがずらり。

購入者に目を移すと全世界的に若年層や女性ユーザーの数が増加傾向にある。

これまで30代以上の男性に特に強く表れていた趣味的消費傾向が、世界的かつ幅広い層に拡大──BEENOSはこれを「世界総オタク化消費」と表現している。

エリア別ヒットランキング2023。各エリアでメインユーザー層が30代以上の男性だけではなく、20代男女等、幅広い層に拡大した。

エリア別伸長率ランキング2023。伸長率では、全エリアで10代ユーザーが伸長。エンタメ系からファッション、ガジェットなど、様々な商品ジャンルでの伸長が見られた。

また、Z世代においてはSNSなどを通じ日本のカルチャー、コンテンツ、商品を年代に関係なく参照し、ボーダレスに購入する傾向が表れているという。

Spotify「ガチャポップ」や配信環境が充実するアニメにかかる期待

「越境EC ヒットランキング 2023」の中でも特に注目に値するカテゴリーが、「音楽」と「コミック・アニメグッズ」だ。

Spotifyのオリジナルプレイリスト「Gacha Pop(ガチャポップ)」の影響

「音楽」カテゴリーでは、5月にSpotifyが公開したプレイリスト「Gacha Pop(ガチャポップ)」にピックアップされたアーティストの関連商品が、前年同期比で2倍に伸長したという。

アーティスト1組ずつのボリュームはまだそこまで大きくないものの、関連アーティストの商品はプレイリスト公開以降から伸長。今後の伸長にも大きく期待がかかる。

2022年アニメ第1期が放送開始された作品の購入件数TOP5

「コミック・アニメグッズ」は越境ECでも人気の高いカテゴリー。配信サービスの浸透により、日本での放送とタイムラグなく世界中でアニメがヒットするようになったため注目を集めている。

BEENOSは2022年に第1期の放送がはじまったアニメ作品に絞った人気ランキングを作成。1位は『チェンソーマン』、2位は『ちいかわ』、3位『SPY×FAMILY』、4位は『ぼっち・ざ・ろっく!』、5位は『その着せ替え人形は恋をする』がランクイン。

特に『ちいかわ』は東アジアで人気が急拡大しており、昨対比で1590%伸長している。BEENOSは、これらの作品が「10年、20年と愛されるロングテールコンテンツに成長するかもしれません」と指摘している。

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