黒瀬陽平と上妻世海が対談──ネット時代の創造性を考える

黒瀬陽平と上妻世海が対談──ネット時代の創造性を考える
黒瀬陽平と上妻世海が対談──ネット時代の創造性を考える

「POST-INTERNET IMAGE BROWSING —自閉と横断の二つの側面から情報社会における創造性を考える—」

8月29日(金)から9月12日(金)まで、東京・阿佐ヶ谷のTAV GALLERYで開催されている、ネットワークが生み出した新たな感覚を持つアーティストによるグループ展『≋wave≋ internet image browsing』。

その関連プログラムとして、9月7日(日)に美術評論家にして、現代アート集団・カオス*ラウンジ代表の黒瀬陽平さんと、2014年より会場となるギャラリー「TAV GALLERY」のキュレーターを務める上妻世海さんの公開対談が開催される。

対談では、インターネットの2つの側面である自閉性と横断性についてや、黒瀬さんの著書『情報社会の情念』、上妻さんの論文『切断と接合の美学』、それぞれを元に情報社会における創造性について語り合うという。この模様はインターネットでの動画配信を予定している。

インターネット時代のクリエイション

今回対談する黒瀬陽平さんと上妻世海さんは、共にインターネット時代のクリエイションについて考えているという共通点を持っている。

黒瀬さんは、カオス*ラウンジの代表をつとめながら、美術家、美術評論家として活躍。2013年12月に刊行した『情報社会の情念―クリエイティブの条件を問う』が大きな反響を呼んだ。

一方の上妻さんは、作品の内容よりも関係性に重きを置くRelational Artの研究を通じて、集団性と生成の原理に注目。2013年に森美術館で企画されたCAMP「現在のアート」にて論文「集団と生成の美学」、今回の『≋wave≋ internet image browsing』を行うにあたって論文「切断と接合の美学」を発表した。

自閉性と横断性という異なるテーマ

黒瀬さんの『情報社会の情念 クリエイティブの条件を問う』は、パーソナリゼーションの弊害から拡張現実へと、そして正の拡張現実ではなく負の拡張現実へと、さらには情念定型へと議論を進める論理構成になっている。

対して上妻さんの『切断と接合の美学』は、インターネットの持つもう一つの側面、横断性というワードについて、そしてネットワークへの内在という方向での可能性を探求している。

両者ともにインターネット時代のクリエイションについて考察しているにも関わらず、自閉性横断性という異なるテーマを持つ二人が対談することから、対談を「POST-INTERNET IMAGE BROWSING - 自閉と横断の二つの側面から情報社会における創造性を考える -」と題したようだ。両著作をもとに肯定的・否定的な部分を、両方を含めて語り合うという。

また、公開対談前には、上妻さんによる「現在のポスト・インターネットを読み解くための5冊の書籍」と題した事前講義が予定されており、同日13時から15時にかけて行われる予定となっている。
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