連載 | #27 コミックマーケット100特集

羽海野チカが23年ぶりコミケ出展 マフィア梶田も売り子に「参加できた自分は果報者」

羽海野チカが23年ぶりコミケ出展 マフィア梶田も売り子に「参加できた自分は果報者」
羽海野チカが23年ぶりコミケ出展 マフィア梶田も売り子に「参加できた自分は果報者」

「コミックマーケット100」に出展した羽海野チカさんのサークル「海の近くの遊園地」/撮影はKAI-YOU.net編集部

世界最大級の同人誌即売会「コミックマーケット100」が8月13日・14日に東京ビッグサイトで開催されました。

コロナ禍、さらには台風8号が接近する中でも、2日間で17万人が来場。人数に上限を設けながらも、3年ぶりの夏コミの会場にはコミケらしい熱気が漂っていました。

その熱気の底上げに一役買ったと言っても過言ではないサークルが、TYPE-MOONの武内崇さん・奈須きのこさんによるサークル「竹箒」、ワダアルコさんによる「ワダメモ」、羽海野チカさんによる「海の近くの遊園地」です。

東京ビッグサイトの東4ホールに配置された3つのサークルは、人気作家陣による同人誌が頒布されるとあって、朝から長蛇の列が発生。

中でも、23年ぶりに参加したという漫画家・羽海野チカさんのサークルには、サークルスタッフとして『シン・ゴジラ』にも出演したフリーライター・マフィア梶田さんが参加。文字通り頭ひとつ抜けた存在感もあいまって、異彩を放っていました。

実は、「サークルスタッフとしての参加は今回のコミケが初」というマフィア梶田さん。当日のサークル周辺の様子と、記念すべき100回目に参加したマフィア梶田さんを取材しました。

目次

羽海野チカ、オベロンイラスト集で23年ぶりのコミケ参加

羽海野チカさんといえば、『ハチミツとクローバー』や『3月のライオン』で知られ、ゲーム『Fate/Grand Order』のキャラクター・オベロンのデザインを担当した漫画家。

コミケ当日は、オベロンの様々なラフをはじめ、衣装、アクセサリーのデザインなどを収録したイラスト集『黄昏の王国 Lostbelt No.6 : Fae Round Table Domain, Avalon le Fae』を頒布しました。 6月、サークルの当落発表で参加が明かされるや否や大きな話題に。反響から通信販売を決定すると即完売。その後、関係各所とも相談の上、8月31日(水)19時までの期間限定で受注生産が決定しています(外部リンク)。

こうした反響や要望に応じた対応からもうかがえる、羽海野チカさんの今回のコミケへの思い入れ。サークル参加前日には、Twitterで現地の参加者に向けた暑さ・熱中症対策と併せて、思いの丈を明かしていました。 サークル名である「海の近くの遊園地」は、自身が初めてつくった本のタイトルであること、また羽海野チカというペンネームはその5文字から取られていることに言及。

その上で「23年ぶりにまた参加させていただくことができて 本を作る事ができて 言葉にできない気持ちです」と、思いを込めたサークル参加、そして頒布物であることを伝えていました。

サークル「海の近くの遊園地」にも行列「新刊が買えれば満足です」

サークルスペースにはお馴染みのウミノクマも

そしてコミケ2日目当日、羽海野チカさんのサークル「海の近くの遊園地」には、朝から多くの人が並びました。

お隣「竹箒」ほどではないものの、10時30分の開幕時点ですでに列が形成されており、その長さは時間を追うごとにどんどん伸びていきます。 アーリー入場で参加して7時30分から並んでいたという20代男性は、先の見えない「竹箒」の行列に「すごいですね……」と感心しつつ、「今回は羽海野チカさんの新刊目当てで来ました。これが買えれば満足です」と笑みを浮かべました。

列整理をしていたサークルスタッフの人によれば、行列はあるものの11時頃の段階で待ち時間はおよそ20分程度。それでも、当初1人あたり2冊限定だったのが、11時過ぎには1冊限定に切り替わるなど、反響の大きさは予想以上だったようです。

サークルスペースがあるシャッター前は、さながら秘境への入り口。列が吸い込まれていったかと思えば、また次の列が今か今かと待機する。

左が「海の近くの遊園地」の待機列、右は「ワダメモ」、奥が「竹箒」。3サークルとも最終目的地は左奥のシャッター前となる。

真夏の日差しが照りつけ、セミがけたたましく鳴く中で、額に汗しながら長時間並ぶのは、お目当ての品があるのはもちろん、その行為自体に価値を感じる人が多いからに他なりません。そんなコミケならではの魅力を、改めて実感できました。

そうこうしているうちに、13時20分頃には列切り。つまり新規に並ぶことはできなくなり、およそ40分後にオベロンイラスト集は完売になりました。
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コミックマーケット100特集

2022年8月13日(土)・14日(日)の2日間にわたって東京ビッグサイトの東・西・南展示棟(サークル・企業ブース)で開催される「コミックマーケット100」(C100)を特集。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で中止・延期を経て、2021年12月に2年ぶりに現地開催された世界最大級の同人誌即売会が迎える、記念すべき100回目。 冊子版カタログの復活、ワクチン・検査パッケージの非導入、東西エリアの移動制限解除、そして来場者数上限を8〜9万人に引き上げ──。 1975年の第1回開催以来、コロナ禍という特殊な状況でも歩みを進めるコミケ。サークル、コスプレ、一般参加者、さらには準備会と全参加者を追う。

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