個展のテーマは「特撮怪獣映画」。大阪で開催される「仮想大戦(金)」に続き東京でも「仮想大戦(銀)」の開催が予定されている。
展示に登場するのは、2021年よりたかくらさんがNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)として展開してきたキャラクター群。AIアプリ・WOMBOを使用して制作したキャンバス作品や、VRで制作したバーチャル彫刻など、様々な形で登場する。8/27日から開催される大阪YOD Galleryでの個展『仮想大戦(金)』のお知らせです!今回の個展は特撮怪獣映画をテーマに、AIアプリと共同制作したキャンバス作品がメインの展覧会でバース🔥🔥🔥 pic.twitter.com/oOKyHbrBaQ
— 堕禍愚羅迦頭氣頑駄無 (@_takakurakazuki) August 2, 2022
今回はテーマを特撮怪獣映画として、大阪での『仮想大戦(金)』と東京での『仮想大戦(銀)』という2つの個展を行います。
(中略)
昨年と変わらず僕はまだ『デジタル領域を正確に理解する』のではなく、『デジタル領域を誤解し神秘性を宿すこと』に興味を持って作品を作り続けています。その一つの成果として今回の2つの個展は物質界に召喚されました。向こう側からやってきた仏や妖怪が、今の行き止まりの現実世界を少しでも破壊してくれることを願っています。たかくらかずき『仮想大戦(金)』ステイトメントより
現代美術のルールを問うアーティスト・たかくらかずき
たかくらかずきさんは3DCGやピクセルアニメーションを使用した作品を制作するアーティスト。ゲーム実況者・執念ボンバーのOP制作やNHK・教育テレビ内の番組へのアニメーション提供など、その活動は多岐にわたる。NFTアートは、ブロックチェーン技術を用いて、あらゆる売買を追跡するこで、誰がいつどこで購入し、現在それは誰が所有しているのかを証明することが可能。
これまで、作家の作品であってもデジタルデータの市場は決して大きくはなかったが、これによって現実に存在する絵画作品と同様かそれ以上の価値が認められつつあり、注目が集まっている。
NFTアートを買う行為について、たかくらかずきさん自身は、KAI-YOU Premiumでのコラムで「お守りを買う行為に似ている」と表現している。 個展「仮想大戦(金)」は8月27日(土)より開催される。
2021年の一連の個展『アプデ輪廻』では、魂と肉体、ハードとソフト、デジタルデータとその器についての展示を4回に分け
て行いました。
今回はテーマを特撮怪獣映画として、大阪での『仮想大戦(金)』と東京での『仮想大戦(銀)』という2つの個展を行います。この展示ではおもに昨年よりNFTとして展開してきた『仏像』と『妖怪』のキャラクターがさまざまな形で怪獣映画のような作品に引用されてゆく、セルフ二次創作的な作品群になります。
今回制作したAIアプリとの合作や、VRで制作したバーチャル彫刻を使った映像作品などは、特撮の持っている『アナログ・手仕事的な質感』が、もしかしたらバーチャルで表現可能なものなのではないか、もはやソフトウェアや機械との合作においても可能な領域なのではないかという確信を持って制作しました。特撮技術や絵画作品のような物質的作品にのみ存在するのではないかとされてきたぬくもりのようなものや『祝い/呪い』のようなものは、もはやバーチャル世界からも、人工知能との共作のなかからも見出すことができるのではないか。
特撮怪獣の現実世界を無視した仮想的大きさは、『現実的』には存在不可能であり、特撮美術の建物などのもろさは『仮想的・データ的』とも言えます。怪獣たちの『着ぐるみ』に現実的なリアリティはなく、ある種のキャラクターとしての存在と、人が着るという実利的要素を兼ね備えた歪な造形をしている彼らは、現代においての仮想世界のルールと人間の体をトラッキングするという二つの概念に挟まれて成立している『3Dアバター』と同じように、物理世界と向こう側の世界の、次元の境界線にある存在です。二つの次元を跨ぐ存在としての着ぐるみの”手仕事的祝い/呪い”に魂が宿るのだとしたら、デジタルならではの『手仕事』をVRで、UV印刷で、または人工知能とともに作り出すことができるのではないか。
昨年と変わらず僕はまだ『デジタル領域を正確に理解する』のではなく、『デジタル領域を誤解し神秘性を宿すこと』に興味を持って作品を作り続けています。そのひとつの成果として今回の2つの個展は物質界に召喚されました。向こう側からやってきた仏や妖怪が、今の行き止まりの現実世界を少しでも破壊してくれることを願っています。たかくらかずき『仮想大戦(金)』ステイトメントより
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