韓国発バーチャルアーティスト・APOKIインタビュー 日本語は『河童のクゥ』で覚えた?

韓国発バーチャルアーティスト・APOKIインタビュー 日本語は『河童のクゥ』で覚えた?
韓国発バーチャルアーティスト・APOKIインタビュー 日本語は『河童のクゥ』で覚えた?
日本のバーチャルシーンではあまり見かけないピクサー的な3Dモデルに、K-POPアーティストのような洗練されたスタイリング。「韓国カルチャー」のイメージをそのまま体現するような存在が、韓国のVV Entertainmentに所属するバーチャルアーティスト・APOKI(アポキ)さんだ。

宇宙のどこかに住むウサギに似ている存在”というAPOKIさんは、2019年より、高い3DCG技術を誇るスタートアップ企業・Afun Interactive Inc.のプロデュースのもとで活動をスタート。
「Shut Up Kiss Me(Feat. Lil Cherry)」MV
YouTubeやTikTokを中心にK-POP楽曲のカバーを投稿し、K-POP仕込みのハイレベルな歌唱やダンス、圧倒的な質感のCG技術で話題を集めた。そして2021年には、多数のK-POPアーティストも所属する音楽レーベル・Stone Music Entertainmentからメジャーデビューを果たしている。

これだけ聞くと、あらゆる面でクオリティに妥協のない、いかにも「韓国らしい」アーティストに思えるかもしれない。しかし本人の人柄は、意外にもとにかくフランクで親しみやすい。YouTubeの投稿を見ればわかるように、日本のVTuberも顔負けのユーモアやコロコロと変わる表情の豊かさなど、配信者としての不思議な魅力も備えている。

2022年6月17日には、「Coming Back」に続く新曲「Shut Up Kiss Me(Feat. Lil Cherry)」の日本語バージョンがリリースされた。かねてより日本のコンテンツからの影響を公言し、「今は日本での活動にオールイン!」と語るAPOKIさんの日本への思い。ゲーム「アトリエ」シリーズをやり込み、映画『河童のクゥと夏休み』で日本語の発音を学び、ドンキのテーマソングを熱唱するバーチャルアーティストに迫った。

記事内に埋め込んだ、取材時のリアクション動画と併せて楽しんでほしい。

取材・文:松本友也 編集:恩田雄多

目次

「見た目と性格が一致しない」と言われるAPOKI

取材中は笑顔と笑い声が絶えなかったAPOKIさん。記事内の動画では、なめらかな動きと豊かな表情(とテンションの高さ)も確認できる。

──このたびは「Shut Up Kiss Me(Feat. Lil Cherry)」日本語版のリリース、おめでとうございます! まずは自己紹介をお願いします。

APOKI はじめまして、バーチャルアーティストのAPOKIです。よろしくお願いします!

──早速ですが、APOKIさんのパーソナリティーについてうかがいたいです。周囲の人からはどんな性格だと言われますか?

APOKI 自分では明るくて魅力的な性格だと思っているんですが、周りからは「見た目と性格が一致していない」とよく言われます。それが何を意味するのかはよくわかりません。

美しい見た目なのに可愛らしい性格ってことなのか、あるいは可愛らしい見た目なのに美しい性格ってことなのか……(笑)。

──……たしかに、MVでのスタイリッシュでかっこいいAPOKIさんと、YouTube番組等でのコミカルなAPOKIさんの間にはギャップがあるように感じます。

APOKI ア~~!(両手を上げる)

──このインタビューも動画でお届けできたらよかったかもしれません(笑)。では本題に入っていきたいのですが、まずは今回リリースされた「Shut Up Kiss Me (Feat. Lil Cherry) Japanese version」の聞きどころについて教えてください。

APOKI MVのメインコンセプトは「砂漠でひらかれるフェス」です。こんなところで撮影できるのはバーチャルならではですよね。楽曲の方は、砂漠の渇きを解消してくれるような、爽やかな雰囲気になっています。

そしてなんといっても、私の大好きなアーティストである韓国の女性ラッパー・Lil Cherryさんがフィーチャリングされているんです! MVで私と彼女がどんな風に交流しているのか、ぜひ確かめてみてほしいです。
「Shut Up Kiss Me (Feat. Lil Cherry)」日本語ver.
──『イカゲーム』のパロディで、一緒に階段を上っているシーンが可愛かったです。以前のインタビューでも、共演したいアーティストとしてLil Cherryさんを挙げていましたよね。

APOKI そう、まさに夢が叶ったんです! InstagramでDMを送ってみたらいい反応をいただいて、コラボが実現しました。

Lil Cherryさんは実際にお会いしてみると意外とシャイな方で、私も人見知りなのでしばらくお互いぎこちない状態で会話していました。

──それはちょっと意外ですね。ちなみに、今後コラボしてみたい方はいますか?

APOKI アメリカのラッパーであるDoja Catさん、韓国のシンガーソングライター・BIBIさんともコラボしてみたいです。口にしないと夢は叶わないので、この場を借りて言ってみました!

APOKIが実演する、アニメで学んだ日本語の発音

──今回の楽曲「Shut Up Kiss Me (Feat. Lil Cherry) Japanese version」で、APOKIさんご自身のアイデアやこだわりが反映されている部分はどこでしょうか。

APOKI アイデアはもちろんいろいろ出すんですが、自分で「決める」という感じではないんです。アイデアを出すのはあくまでも提案としてであって、実際にどうするかはクルーのみんなで検討します。

私自身、いろんな意見を取り入れるのが好きなタイプなので、そういう風に進めることが多いんです。特に音楽のジャンルについては積極的に意見を出しています

ほかにも、ヘアスタイルやファッションについては思いついたら提案するようにしています。とはいえ「絶対こうしたい!」ということではなく、みんなで考えていきます。

「Shut Up Kiss Me (Feat. Lil Cherry) Japanese version」ジャケット

──クルーみんなで進めていくというやり方は、メジャーデビューする前と後とで変わりましたか?

APOKI やり方自体は同じですが、議論の内容は変わったかもしれません。デビュー前はカバー中心だったので、どちらかといえば「どの曲をやりたいか」という意見交換が多かったんです。

デビュー後はMVやコンセプトの方向性など、幅広い内容について話すようになりました。それによって、いつものクルーだけでなく、より多くの人とやりとりすることが増えたと思います。

──日本語版楽曲は今回で2曲目になりますが、日本語で歌われた感想や、練習中に大変だった(楽しかった)エピソードなどがあれば教えてください。

APOKI やっぱり発音が一番気になりましたね。でも、発音を矯正してくれるディレクターさんが「うまい」と褒めてくれたので、楽しく作業できたと思います。……実際どうでしたか?

──上手でしたよ! むしろどうやって練習したのかなと思ったぐらいです。

APOKI ありがとうございます! 練習方法は、基本的にはもらった仮歌の内容を繰り返すという感じでした。あとはもともと日本のコンテンツが大好きなので、それらを見直してニュアンスなどをしっかり再現できるように練習しました。

──どんな作品で練習したんですか?

APOKI 『河童のクゥと夏休み』のお母さんの発音を参考にしました。

「えー、ムリムリムリ~!!」(流暢なモノマネ)
流暢な日本語にその場の全員が驚愕したモノマネ
──意外な答えで驚愕しています(笑)。

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