For Tracy Hydeが見せる、インターネット時代のバンドミュージック
バンドの先手はFor Tracy Hyde。ボーカル・eurekaさんのキュートなボーカルと、キラキラしたギターサウンドが印象的なバンドだ。浮遊感あるサウンドを、骨太なベースとシンプルだが実直にビートを刻むドラムが裏から支えるバンドアンサンブルが、ライブバンドとしての力を見せていた。 途中、ギタリストの夏botさんがMCで「(WALL&WALLさんは)いつも本当に刺激的で面白い組み合わせでライブをやらせていただいてます」と述べていた。
For Tracy Hydeも、元々は夏botさんの宅録プロジェクトから始まったバンドである。
宅録からライブハウスへ活動のフィールドを広げたバンドと、インターネットを活動の中心に据えるstargaze shelterが共演するライブは、今後のバンドミュージックの潮流の一つを示していたように思う。
For Tracy Hydeのライブが終演すると、再びMicro Micro Bandicamの転換DJへ。会場をどこか遠くへ連れていくような、宇宙を思わせるアンビエントが流れる。
その後、徐々に会場を盛り上げていく選曲へとシフトして行き、バラエティ豊かなプレイでstargaze shelterを待ちわびる会場を楽しませた。
シェルターに包まれたstargaze shelterのライブ
トリはいよいよstargaze shelter。ステージ上に現れた2枚の幕は、さながらシェルターのよう。
特殊なセットのため転換に時間がかかったが、それがかえって「これから何が起こるのだろう」という期待を煽った。
機材のセットが終わると、幕に「stargaze shelter」のロゴが映し出され、ライブが始まった。
最初の曲は「first draft」。顔こそはっきり見えないが、幕に映るバンドメンバーの影と、ダンサブルな4つ打ちドラムのキックの振動が、stargaze shelterがインターネットから飛び出して、今まさにこの場で演奏していることを証明していた。 MCを挟んだ後、2曲目は「始まりの季節は終わりを告げた」。フロアの熱も高まり、TOTONEE( ΦωΦ )さんの声も呼応するようにエモーショナルになっていく。
そして3曲目は、stargaze shelterが初めてリリースした曲「エミュレーション」。それまでの「TOTONEE( ΦωΦ )=クラブで活躍するデジタルアーティスト」のイメージを塗り替える、きらびやかで幻想的なギターを前面に押し出した楽曲だ。間奏ではgaze//he’s meさんのギターソロが光る。音源には記録されていないギターのハウリングが、生演奏らしさを強調していた。
「エミュレーション」には「姿かたちを変えてでも、新しい未来を掴んでいく」という意味が込められているとこの日のMCで明かされた。
TOTONEE( ΦωΦ )さんの「エミュレーション」でのどこか優しげな声色には、「星宮とと」という姿に形を変えてクリエイターとしての未来を掴んだTOTONEE( ΦωΦ )さんの「星宮とと」に対する思い入れが込められているのかもしれない。
この記事どう思う?
関連リンク
0件のコメント