原作は小学館『ビッグコミックスピリッツ』で2015年から連載中の小林有吾さんが描くサッカー漫画。最新27巻の発売時点では累計発行部数1100万部を突破。KAI-YOU.netでも「2021年ガチのオススメ漫画10選」に取り上げました。「熱く泥臭いドラマとロジカルなスタイリッシュさが同居する絶妙なバランス」を持ち、サッカーの知識が少なくとも楽しめる作品です。
『アオアシ』の舞台は、Jリーグを目指す高校生年代を育成する「ユース」チーム。愛媛から上京した主人公・青井葦人(あおい アシト)が入団したサッカークラブ「東京シティ・エスペリオンFC」のユースチームで幾度もの挫折を経験しながら、成長していく姿を描きます。 本作はアシトを取り巻くチームメイトにも、一癖あるキャラクターが多く登場。仲間でありライバルでもある彼らは、アシトと時に衝突し、時に理解し合っていく関係だけに、演じる側にも主人公同様の熱量の高さが求められるといえるでしょう。
今回、KAI-YOU.netでは、そんなチームメイトの面々を演じる声優4名──加藤渉さん(朝利マーチス淳役)、榎木淳弥さん(本木遊馬役)、熊谷健太郎さん(竹島龍一役)、武内駿輔さん(阿久津渚役)──へインタビューを実施。記事最後にはサイン入り色紙のプレゼントキャンペーンもあります。 【画像】加藤渉さん撮り下ろし写真 取材・文:長谷川賢人 写真:原哲也 編集:恩田雄多
目次
「ついに実力を試せる」加藤渉が絶対に演じたかった役
今回、インタビューに応じてくれたのは、朝利マーチス淳を演じる加藤渉さん。朝利は「イギリス人の父親と日本人の母親を持つクールな金髪美少年」ですが、プライドがとても高く、技術の劣るアシトに対しても冷たい態度を取ります。しかしそこには、朝利自身もプロサッカー選手を目指すがゆえの反発心があり、チーム内で活躍を評価されなければならないというプレッシャーがあるからなのでしょう。
難しい役どころですが、加藤渉さんは「自分がどうあるべきか、そのために今何をすべきかを考え続けている人という印象」を朝利に抱くと、公式サイトのコメントに寄せています。そこには、加藤渉さん自身の挑戦との共通点もあったようです。 ──加藤さんが『アオアシ』で演じる朝利というキャラクターの第一印象を教えてください。
加藤渉 オーディションを受けるときに朝利のキャラクターを知って、それから演じるシーンとセリフをいくつかいただいたんです。それを見たときに「演者として、声優として、自分が一番向いている路線ではないか」と本当に思えました。
自分の向き不向きを判断するレーダーに引っかかった、っていう感じですね。だから、なおさら朝利のオーディションに受かりたい、と強く感じました。
──そこまで「自分に向いている」と思えたのは、なぜだったのでしょう?
加藤渉 キャラクターのビジュアルで言うと、これまでも髪の色や肌の色素が薄く、体の線が細いタイプを演じる機会を多くいただいてきました。そういった経験から、おそらく僕の声は、こういったキャラクターの骨格から出るものとして似合うのだろうという意識があって。
だから、朝利から僕の声が出たとしても、原作が好きで追ってくれている方から「イメージと違うな」と思われることはきっとないはず。あとは、自分のお芝居次第で、さらに「朝利らしい」と感じてもらえるかどうか、ですね。 加藤渉 実は、朝利から滲む気位の高さやツンツンしている性格も、僕が声優を志した頃から今に至るまで「加藤にはそういう役が似合うよ」と言ってもらえていたキャラクターでした。
「ようやく実力を試せる場所なんだ! 全力で演じたい!」と思っていたので、選んでいただけたのはとても嬉しかったです。僕自身も朝利も、根底にある怒りが原動力になっているところも共通点でした。それを表にあまり見せないけれど、心の内側ではいつも自分の至らなさや未熟さに怒っている。そういうところも、朝利に近いなぁ、と感じていました。
──まさに『アオアシ』の劇中で選手たちがセレクションに臨むかのように、声優としての加藤さんもオーディションに挑まれたのですね。
加藤渉 そうですね。劇中で、大友というキャラクターが「人生を懸けてセレクションを戦った」といったように口にしますが、声優も確かに同じだと思います。
……これ、他人には絶対に見せられない僕の“黒歴史”かもしれないのですが(笑)、台本をいただいたとき、白紙のページに「収録への意気込み」などを書き殴って、モチベーションを高めているんです。いつも書いているのは「自分の価値を証明する」。
実は僕自身、これほどセリフの多い役をいただくのは初めて。しかも、現場で周りにいるのは個人的にその活躍を追っているような方々ばかりです。その輪の中に自分がいるという高揚感もありながら、選ばれたからには頑張りたい。だから、『アオアシ』の台本にもこの言葉を毎回書いています。
この記事どう思う?
作品情報
TVアニメ『アオアシ』
- 原作
- 小林有吾「アオアシ」(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
- 監督
- さとう陽
- シリーズ構成
- 横谷昌宏
- 副監督
- 曽我準
- サッカー監修
- 竹下健一、曽我準、飯塚健司
- キャラクターデザイン
- 中武学、川村敏江、山口飛鳥、長谷川早紀
- サブキャラクターデザイン
- 清池奈保、渡部由紀子、大導寺美穂、白井英介、本田真之
- 総作画監督
- 中武学、山口飛鳥
- アクション作画監督
- 興村忠美、窪敏
- プロップデザイン
- 伊東ありさ、津坂美織
- 色彩設計
- 上野詠美子
- 美術監督
- 垣堺司、竹田悠介
- 美術設定
- 金平和茂、伊井蔵
- 2Dワークス
- 濱中亜希子
- プリビジュアライゼーション
- 前島昌格
- 3D
- 森本シグマ
- 撮影監督
- 今関舞子
- 編集
- 村上義典
- 音響監督
- はたしょう二
- 音楽
- 横山克
- アニメーション制作
- Production I.G
- キャスト
- 青井葦人:大鈴功起 大友栄作:橘 龍丸 橘総一朗:山下誠一郎 冨樫慶司:八代 拓 黒田勘平:堀江 瞬 朝利マーチス淳:加藤 渉 本木遊馬:榎木淳弥 竹島龍一:熊谷健太郎
- 阿久津渚:武内駿輔 栗林晴久:梅原裕一郎 中村 平:小野賢章 桐木曜一:内山昂輝 高杉榮太:古川 慎 義経健太:興津和幸
- 一条 花:河瀬茉希 海堂杏里:上田麗奈 金子 葵:小松未可子
- 福田達也:小林親弘 伊達 望:安元洋貴
- 青井紀子:園崎未恵 青井 瞬:中島ヨシキ
- テーマ曲
- オープニングテーマ:[Alexandros]「無心拍数」
- エンディングテーマ:Rin 音「Blue Diary」
- 放送情報
- 4月9日(土)放送開始
- NHK・Eテレにて毎週土曜日午後6時25分〜
- 配信情報
- 4月10日(日)深夜0時より順次配信開始
- ・毎週日曜深夜0時〜
- バンダイチャンネル、Amazonプライムビデオ、U-NEXT、dアニメストア、dTV、Hulu、TELASA、J:COMオンデマンドメガパック、milplus、スマートパスプレミアム、ディズニープラス
- ・毎週火曜12時〜
- NETFLIX、ひかりTV、アニメ放題、FOD、ふらっと動画、Google Play、ビデオマーケット、GYAO!ストア、DMM.com、music.jp、RakutenTV、HAPPY!動画、ムービーフルPlus
- ※各配信サービスの開始日時に関しては変更となる場合があります。
関連リンク
原哲也
カメラマン
プロ写真家/23年目/1976年岐阜生まれ/名古屋のスタジオで勤務/フッション写真家丹羽俊隆(niwa.)に師事/Tokyo Otaku Modeにジョイン。立ち上げからEC(越境ECとしては日本最大級)メディア、広告等のヴィジュアル面のディレクション、撮影を担当/プロフィール写真撮影を中心に活動中。
連載
日本サッカー界とも多くのコラボレーションを続ける“いまもっともアツいサッカー漫画”『アオアシ』。 制作をProduction I.Gが担当するTVアニメは、2022年4月からNHK Eテレにて毎週土曜日午後6時25分〜放送中。 KAI-YOU.netでは、主人公・青井葦人(あおい アシト)のチームメイトの面々を演じる声優4名──加藤渉さん(朝利マーチス淳役)、榎木淳弥さん(本木遊馬役)、熊谷健太郎さん(竹島龍一役)、武内駿輔さん(阿久津渚役)──へインタビュー。
0件のコメント