ピンと張った四肢、雄々しい牙、躍動感あふれる尾、それらを形づくるメタリックな造形が目を引きます。特に真っ赤に光る眼は印象的です。 この作品は、人類の対立や国際紛争、自然災害などから世界を守るための守護獣として、現代美術作家・ヤノベケンジさんが京都芸術大学の学生10人と制作したものです。
今回の展示に際して込められた思いと、作品の制作に関して、ヤノベケンジさんに話を聞きました。 【画像20点】どこか愛らしさもあるメタリックな狛犬
コロナ終息、ウクライナ侵攻の早期解決への願い
──作品の制作の経緯を教えていただけますか?ヤノベケンジ 2019年、比叡山延暦寺の「にない堂」に奉納展示するために、人類の分断や対立構造、国際紛争、多発する自然災害などから世界を守るための守護獣として、ヤノベケンジが京都芸術大学の学生10人と一緒に制作しました。
2020年3月末には、新型コロナウイルス感染拡大が終息することを祈念し、京都芸術大学の正面門前に再展示されています。
──清水寺での展示にはどのような経緯があったのでしょうか?
ヤノベケンジ 今回は、京都発の芸術家たちによる未来をよりよく変える祭典「ARTISTS'FAIR KYOTO」の一環として、会場の一つである清水寺に奉納展示し、長引くコロナ禍の終息、ロシアによるウクライナ侵攻等が早期解決するよう新たに願いを込めました。
一貫して、芸術家が社会にどのような役割を果たせるか考え、未来の希望となるイメージをつくることを考えています。そのような想いが通じて、拡散されているようでしたら嬉しく思います。
──制作において苦心した点はありましたか?京都の清水寺に「KOMAINU」を設置しました。守護獣は世界の動きに毅然と睨みを利かせているようです。3月13日まで展示します。 pic.twitter.com/mOrnRiyZOE
— ヤノベケンジ (@yanobekenji) March 1, 2022
ヤノベケンジ 作品は、長く日本に継承されている伝統的な狛犬像に加えて、戦後の文化や価値観やテクノロジー、未来に対するイメージを反映させ、21世紀にふさわしい新しい狛犬像として提示しています。
苦心した点は、守護獣としての凶暴さ、恐ろしさと、その背景にある優しさ、愛らしさをうまく造形としてまとめることです。 【画像20点】様々な角度から見る《KOMAINU ―Guardian Beasts−》 ヤノベケンジ《KOMAINU ―Guardian Beasts−》(2019)
©2019 Kenji Yanobe
作品に込めるものは何か
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