YouTubeを中心に、商業・インディーズ問わずイラストレーターやアニメーターの活躍が目覚ましい。その勢いは当然、日本だけにとどまらない。
韓国のイラスト・アニメーションシーンにおいて、独特の作風で存在感を放つのがソウルを拠点に活動するイラストレーター・VIVINOSさんだ。
YouTubeに投稿されているファンMV映像は、一見90年代〜00年代の少女漫画や女児向けアニメで見たような、レトロで可愛らしいテイストでつくられている。 しかし冒頭には「この映像には多少残酷な表現、驚かれる要素があります」との注意を呼びかける文面に、画面に突如入るノイズや舞う血しぶきなどなど、どこかバイオレンスかつホラーな雰囲気が漂う。
今回はVIVINOSさんのルーツやホラー要素を取り入れた理由などについて話を聞いた。⚠️ My September [horror warning]
──最初にイラストを描きはじめたのはいつ頃ですか?
VIVINOS 子どもの頃からTVアニメのキャラクターを真似して描くのが好きだったんです。
日本の方々は特に共感してくれると思うんですが、一番好きだったアニメは『ふしぎ星の☆ふたご姫』と『おジャ魔女どれみ』ですね。
パソコンやCGを使って本格的にイラストレーションを描きはじめたのは、15歳くらいなので、2022年で10年目になります。
──幼少期から日本のアニメに触れられていたんですね。現在、イラストレーターとしての活動以外にはどんな仕事をされているんですか?
VIVINOS インディーズのアニメーションYouTuberとして活動しています。最近はこの活動に一番集中していますね。特に特定のスタジオに所属しているわけではありませんが、気の合うチームメンバーたちと一緒に制作を続けています。
リズム感のある動きを吹き込むリードアニメーター・QMENGさん、感覚的で美しい線画を描くアニメーター・CALLNONGさん、映像編集のSun Leeさん、幻想的でありながら奇怪な音楽をつくる音楽プロデューサー・ko.yoさん、外部とのコミュニケーションやスケジュールを管理してくれるマネージャー・LEE PDさんと一緒にチームを組んでいます。
みなさん実力のある方々です。この場を借りてみなさんに感謝の気持ちを伝えたいです。💖 Pit-a-Pet
──少人数のチームでのアニメ制作は最近の潮流のひとつですね。VIVINOSさんは美大などで、イラストやアニメーションに関わる知識や実学を学んだことはありますか?
VIVINOS 完全に独学です。とにかく好きな作品をいっぱい見て、インスピレーションを受けることが一番ですね。
映画や音楽、イラストでもなんでもいいので、自分が好きなコンテンツを集めて、それを頭の中に全部インプットするんです。
そこから生まれたイメージをどんな形でもいいのでアウトプットする。下手でもいいのでとにかく、そこから生まれたイメージを表現できるようにアウトプットすることが大事なんです。難しいからといって途中で諦めてはいけません。⚠️ Suki Suki Daisuki♡
──VIVINOSさんの映像作品は、一見少女漫画のような可愛らしいイラストかと思えば、ホラーテイストな描写も見られます。こうした真逆の要素を組み合わせようと思ったのはなぜですか?
VIVINOS 以前は、いつもラブリーで可愛らしい絵柄の作品ばかり描いていました。でも、いつからかそういった作風でイラストを描き続けていくことに疲れてしまうようになったんです。
それで一度ぐらいは気分転換を兼ねて、「これまで私がしてこなかったことをいっぱいやってみよう」と考えてつくったのが「SUKI SUKI DAISUKI」のファンMVだったんです。これがすごく反応が良かったので、これからはこのコンセプトで続けていこうと思ったんです。
──VIVINOSさんの作品は、ホラー要素のほかにも百合(女の子同士の恋愛もしくは強い感情)の要素も強く感じられますね。
VIVINOS これは純然たる私の好みです(笑)。女性同士の繊細な感情の動きに魅力を感じるんです。
同じ性別というスタート地点から出発する2人のストーリーを組むのも面白いですね。ちなみに一番好きな映画はパク・チャヌク監督の『お嬢さん』です。🖤 墜ちる満月 ✞ ~Chi no squi~
──映像には日本語の楽曲が多く使われているのはなぜでしょうか?
VIVINOS 普段からよくJ-POPを聴くんです。だから自然と作品のインスピレーションを受ける曲もJ-POPなんですよね。選定する歌の基準は「瞬間的にある場面がパチンと思い浮かぶ歌」です。
「SUKI SUKI DAISUKI」の場合、最初に何かが転がっている怪しい扉にカメラがズームインする場面が真っ先に浮かびました。「君」の場合、間奏パートで黒い制服を着た少女2人が裸足で走り回る場面が思い浮かびましたね。 ⚠️ 君 [trigger warning]
──YouTubeに投稿されている映像作品のコメント欄には、ストーリーの難解さから様々な言語の考察コメントが見受けられます。イラストや映像を制作される上でも、こういった反響を意識して制作されているんですか?
VIVINOS 意識しているわけではないですが、映像を視聴してくださる方々と一緒に創作をするという感覚は大切にしています。
もちろん、みなさんがくださるコメントも私の創作の源泉になります。コメントは一つひとつすべて確認しています。
──ご自身が手がけた作品で最も気に入っている作品を挙げるとするとどれでしょうか?
VIVINOS 「PINK BITCH CLUB」ですね。今のチームメンバーになってから初めて制作した作品で、各々のアイデア盛り込まれたプロジェクトでもあります。今見ても制作当時の楽しい雰囲気が浮かんできて、一番思い出深い作品ですね。💔 PINK BITCH CLUB|TW flash glitch
──最後に今後の目標などがあれば教えてください。
VIVINOS これからもYouTubeでの活動を続け、「PINK BITCH CLUB」を基盤に様々なコンテンツを制作していきたいです。いつかはグッズショップや個展もしてみたいですね。
韓国のイラスト・アニメーションシーンにおいて、独特の作風で存在感を放つのがソウルを拠点に活動するイラストレーター・VIVINOSさんだ。
YouTubeに投稿されているファンMV映像は、一見90年代〜00年代の少女漫画や女児向けアニメで見たような、レトロで可愛らしいテイストでつくられている。 しかし冒頭には「この映像には多少残酷な表現、驚かれる要素があります」との注意を呼びかける文面に、画面に突如入るノイズや舞う血しぶきなどなど、どこかバイオレンスかつホラーな雰囲気が漂う。
今回はVIVINOSさんのルーツやホラー要素を取り入れた理由などについて話を聞いた。
少女×ホラーを描く韓国イラストレーター・VIVINOS
VIVINOS 子どもの頃からTVアニメのキャラクターを真似して描くのが好きだったんです。
日本の方々は特に共感してくれると思うんですが、一番好きだったアニメは『ふしぎ星の☆ふたご姫』と『おジャ魔女どれみ』ですね。
パソコンやCGを使って本格的にイラストレーションを描きはじめたのは、15歳くらいなので、2022年で10年目になります。
──幼少期から日本のアニメに触れられていたんですね。現在、イラストレーターとしての活動以外にはどんな仕事をされているんですか?
VIVINOS インディーズのアニメーションYouTuberとして活動しています。最近はこの活動に一番集中していますね。特に特定のスタジオに所属しているわけではありませんが、気の合うチームメンバーたちと一緒に制作を続けています。
リズム感のある動きを吹き込むリードアニメーター・QMENGさん、感覚的で美しい線画を描くアニメーター・CALLNONGさん、映像編集のSun Leeさん、幻想的でありながら奇怪な音楽をつくる音楽プロデューサー・ko.yoさん、外部とのコミュニケーションやスケジュールを管理してくれるマネージャー・LEE PDさんと一緒にチームを組んでいます。
みなさん実力のある方々です。この場を借りてみなさんに感謝の気持ちを伝えたいです。
VIVINOS 完全に独学です。とにかく好きな作品をいっぱい見て、インスピレーションを受けることが一番ですね。
映画や音楽、イラストでもなんでもいいので、自分が好きなコンテンツを集めて、それを頭の中に全部インプットするんです。
そこから生まれたイメージをどんな形でもいいのでアウトプットする。下手でもいいのでとにかく、そこから生まれたイメージを表現できるようにアウトプットすることが大事なんです。難しいからといって途中で諦めてはいけません。
「純然たる好み」女性同士の繊細な感情を描く理由
VIVINOS 以前は、いつもラブリーで可愛らしい絵柄の作品ばかり描いていました。でも、いつからかそういった作風でイラストを描き続けていくことに疲れてしまうようになったんです。
それで一度ぐらいは気分転換を兼ねて、「これまで私がしてこなかったことをいっぱいやってみよう」と考えてつくったのが「SUKI SUKI DAISUKI」のファンMVだったんです。これがすごく反応が良かったので、これからはこのコンセプトで続けていこうと思ったんです。
──VIVINOSさんの作品は、ホラー要素のほかにも百合(女の子同士の恋愛もしくは強い感情)の要素も強く感じられますね。
VIVINOS これは純然たる私の好みです(笑)。女性同士の繊細な感情の動きに魅力を感じるんです。
同じ性別というスタート地点から出発する2人のストーリーを組むのも面白いですね。ちなみに一番好きな映画はパク・チャヌク監督の『お嬢さん』です。
J-POPから影響を受け生まれた作品たち
VIVINOS 普段からよくJ-POPを聴くんです。だから自然と作品のインスピレーションを受ける曲もJ-POPなんですよね。選定する歌の基準は「瞬間的にある場面がパチンと思い浮かぶ歌」です。
「SUKI SUKI DAISUKI」の場合、最初に何かが転がっている怪しい扉にカメラがズームインする場面が真っ先に浮かびました。「君」の場合、間奏パートで黒い制服を着た少女2人が裸足で走り回る場面が思い浮かびましたね。
VIVINOS 意識しているわけではないですが、映像を視聴してくださる方々と一緒に創作をするという感覚は大切にしています。
もちろん、みなさんがくださるコメントも私の創作の源泉になります。コメントは一つひとつすべて確認しています。
──ご自身が手がけた作品で最も気に入っている作品を挙げるとするとどれでしょうか?
VIVINOS 「PINK BITCH CLUB」ですね。今のチームメンバーになってから初めて制作した作品で、各々のアイデア盛り込まれたプロジェクトでもあります。今見ても制作当時の楽しい雰囲気が浮かんできて、一番思い出深い作品ですね。
VIVINOS これからもYouTubeでの活動を続け、「PINK BITCH CLUB」を基盤に様々なコンテンツを制作していきたいです。いつかはグッズショップや個展もしてみたいですね。
韓国ポップカルチャーの今
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1件のコメント
匿名ハッコウくん(ID:10185)
VIVINOS様が普段どのように作品を手掛けているかがわかったような気がします!
私は、将来イラスト関連で活躍していきたいと夢を持っている者なのですが、そんな私が憧れているイラストレーターさんの中で一番尊敬に値していますのがVIVINOS様なので貴重な記事を読めてとっても嬉しいです!!
大好きですVIVINOS様っ♡